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松竹梅  作者: 雲丹
1/6

いち


してして、どうして、日曜日の午後と言うのはこんなにも憂うつなのでしょう。

金曜日の午後が、一週間の中で一番幸せなように──まあこれは私の持論なんですけどね──日曜日の午後は一週間の中で一番一番嫌な気分になるのです。

おまけに、今日の天気はあいにくの雨。しとしと、粘着系男子よろしく降りやがっています。じめじめが狭い私の部屋いっぱいに籠もっているよう。

 尚悪いことには、きっとこの雨は明日も降り続けるでしょう。いえいえ、私の勝手な憶測や、ましてや妄想なんかじゃありませんよ? お天気キャスターのお姉さんが先ほどの夕方のニュースでにこにこしながら言っていたんです。「明日も雨でしょう」、と。しかも、やけに明るく可愛いらしい声でした。何故あんなにお天気お姉さんは可愛いのでしょうかね。私に対する嫌味ですか。そうなんですか。

 ああ、やだな。あのお姉さんみたいには可愛くない──いいえ、むしろ冴えない部類に分類される私は、笑顔でにこにこ無邪気に、「わあ、明日も雨だぁ、嬉しいな」なんて言えるはずもありません。許されません。

せいぜい大学生になったはかりの兄に、白い目で見られるだけです。誰が得すると。


大体、こんなにも私が憂うつな気分にならなければいけないのは、明日学校があるからなのです。無論、いじめをうけている────なんてことはありません。と、いいますか、日曜日が憂うつな学生の八割は学校があるから、が理由じゃないかしら。………………統計とか、とったことはないですけどね。ええ、もちろん。

しかししかし、今日の私はいつもと少し違います。 そんじょそこらの高校一年生さん一派とはちょっと違うのです。だって、毎週日曜日にこんなことを繰り返していたら、私は年に四十回以上も絶望しなければいけませんからね!! きっとそこまでネガティブ人間ではありません。

そして、私をそこまで苦しめている理由……それは、明日球技大会があるからなのです。


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