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チロルチョコ ~王子様はチョコが苦手~

今回は、我が家の長男が主役です。

最大のモテ期が幼稚園の年長だった模様です。

貰ったチョコは違いますが…ほぼ事実に基づいております。

私は息子を育てるときに女の子に対して、とにかく優しく、褒めて、守れと教えてきた。

教え続けて約3年、息子はいい感じな男の子に仕上がっている。

幼稚園の年少の時は、食べられないチョコレートを貰って頑張って食べていた。

でも…鼻血だしちゃったんだよね。

年中では、学習したみたいで、お友達とお友達のママからキャラメルをゲットしてご満悦。

仕方ないから、バレンタインの由来を簡単に教えてみた。

「ふぅん、チョコじゃなくてもいいんだよね。なんでもいいんだよね」

「そうね。外国ならね。男の子もあげるのよ。大好きな人と過ごすお祝いだから。

日本はお菓子の会社が好きな子にチョコレートをあげるってなって今でもそうなのよ」

「…分かった」

「あきらは…チョコじゃない方がいいものね」

「うん…でもくれるお友達はどうなのかな?やっぱりチョコレートなのかな?」

息子は何か決意したようだ。母親の私はそれを見ているだけ。



年長さんのバレンタイン。女の子も意識していて浮足立っているみたい。

園庭遊びの最中にさり気なくさぐられたみたいだ。

よく聞いてみると…僕はチロルチョコが好きなんだ…といってるらしい。

あげる側のお母さんも安心だろう。何せチロルチョコはお財布には大変優しいもの。

その頃の息子は反抗期ながらも、女の子に対しては絶えず紳士で担任の先生に至るまで

レディーファーストをしていたらしい。

去年は5個貰ったから、その位かなと思っていた。

習いごととしてスイミングと体操もしているから当日はおやつと称して

チョコレートが飛び交う。ちょこっとかわいい袋に詰めておやつとして配ればいいや。

その時はのんびりと構えていた。しかしそれは甘い考えだったと

その時は思いもしなかった。



バレンタイン当日。いつもの様に車で送る。家の事情で引っ越したから、地元の

小学校には息子一人の通学が決まっている。

「ねぇ、あきら。チョコ貰ったらどうするの?」

「お友達とお友達のママにありがとうって言うの」

「そうね。お返しはどうする?」

「僕ね、お菓子じゃなくって、学校とかで使えるものがいいなぁ」

消えものは希望していないと。いじらしい奴だ。後でママ友に教えちゃおうっと。

なんて事もなく幼稚園に到着する。息子を幼稚園の敷地に入れてしまえば

こっちの時間。

「今日の帰りってすぐに帰る?」

「そうでもないよ」

「娘が渡したいんだって…。本当にいいの?チロルチョコで」

「あきらが言ったんだからいいのよ」

私は息子がアピールしていたのを簡単に話した。

「そうなんだ。お帰りに渡すね」

私はその後に自宅に戻った。



お迎えの時間、私もママ友にチョコを配る。気を使わないように気を配る。

なんかそれも変なんだけどもね。コミュニケーションを円滑にする為だ。

ようやく息子が戻ってきた。手には…チョコレートの入っている包み。

「どうしたの?」

「先生が皆が大好きだからってくれたの」

「良かったね」

「あーきらくん」

「なあに?」

同じクラスの女の子三人に囲まれる。

「はい、バレンタインね」

「ありがとう。ママにもお礼を言いたいな?ママはどこにいるの?」

そう息子が言うと女子たちは母親の元に連れて行った。

…あいつトークはホストの営業トークか?

「おばちゃん、あきらは?」

息子のおさなじみの桃子ちゃん。夫が同業者な為、気楽に付き合える家族だ。

「ももちゃん、もう少し待っててくれる?」

「うん、戻ったら教えてね」



暫くして、息子が戻ってきた。

「貰ったよ。お母さん」

「お礼した?ももちゃん待ってるよ」

ももちゃんは頬を少し染めて息子に近付く。

「あきら…これ…私、あきらが好き」

「ありがとうね。僕も、ももちゃんが大好きだよ」

二人して何を告白しているんだろう。でもこの二人はいつもの事だし。

1日違いで生まれた二人は親である私達よりも通じ合っているらしい。

でもね…初恋は実らないのよ。私は微笑ましく二人を見ていた。



それから…幼稚園の園庭で少しだけ遊んでいると、一度自宅に戻って着替えて

来たお友達から貰っていた。よく見ると…少しだけおめかししている。

息子は、お友達にチョコのお礼と私服を褒めてた後に、付き添っている

お友達の保護者にもお礼を忘れずに行っている。

その光景をママ友は茫然と見ていた。

「ねぇ、あきらくん、ジャニーズに入れない?」

「…無理でしょう。バック転できないのに」

もったいないなぁとママ友に言われながら、私達はスイミングスクールに移動する。

「あきら、貰ったチョコはいくつ?」

「うんとね…11個あるよ」

はぁ?なんですって?そんなに貰ったの?

「お返しって、鉛筆でもいいの?」

「いいと思うよ。皆今年はどうしたんだろうね?」

「分からないけど…あきらくん好きって言ってくれるの。でもね…僕は

ももちゃんが大好きなのに…」

義理チョコではないことだけは女の子の態度で理解しているようだ。

「その時は正直に言ったら?それはしかたないんだからね」

「うん。プールでも…貰えるのかな?」

「さぁ?ないんじゃないの?」

もう…いいよ。いらないって。お返しにいくら使えばいいのよ…。



案の定、体操スクールで年上のお姉さまも含めて4個、プールで4個。

全部合わせると19個…。

もちろん、相手に負担にならない程度のお返しをしました…とさ。



でも…あれは息子にとっての最大のモテ期だったのかもしれない。

あれからもう5年。息子は若干ツンデレ色の強いレディーファーストに

シフトチェンジしましたとさ。


さあ、今年は貰ってくるのかい?

ももちゃんとは小学校入ってすぐまで交流がありましたが、

今は年に数回会う程度になってしまいました。


今年の結果は…予定は知っているのですが、結果を見てからアップします。

(こちらはほとんどフィクションということでお願いします)

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