ガトーショコラ ~甘い時間を過ごしましょう~
一番長いシリーズの真美&哲の二人です。
年も越して更にバカップル振りを発揮している模様。
ガトーショコラをバレンタインにおねだりした哲。
そんな二人の放課後のお話です。
今回はR指定なしなのでお約束な展開は一切ありません。
「今日のおやつは?」
「もう出来てるわよ。朝焼いたからね。冷蔵庫開けて貰ってもいい?
生クリームいるよね?コアントローはどうしようか?」
「こないだみたく少しだけな。じゃあ、俺はコーヒーを入れようか」
「ありがとう。よろしくね」
俺達は個別に準備をする。ふゆやすみが終わってからは平日は夕食までは彼女と過ごし、
週末はずっと一緒にいる。
学校の方でも、俺らの事を何も言われなくなった。むしろ生温く見られてる気がする。
「そういえば、実力テストの結果は?」
「真美はいつもの場所なんだろう?」
「物理と化学は達也の方が上よ。総合ならそうだけども…哲は?」
「俺…総合で15位だって。見てくれてありがとな」
「ほら…やれば出来るのよ。お待たせ。食べようか?」
真美に促されて俺はテーブルセッティングをする。徐々に慣らされて今では
すぐに用意できる。
俺も真美と一緒に料理を手伝うから、少しずつ料理を作れるようになった。
このままいくと俺もいい夫になれそうだ。
「食べたら…宿題ね」
「いつもそうだけどさ、本当に旨いな。真美のケーキ。もちろん真美も旨いけど」
「もう…バカ」
真美が照れて下を向く。そんなかわいい反応するとつい…いじめたくなるのは
悲しい男の性。
「悪かったよ。俺からはこっちな…」
そう言って俺は箱を取り出す。デメルの猫ラベル。デメルと言えばザッハトルテだけど、
あっという間に溶けてしまう口どけのいいチョコレートは真美のお気に入りの一つだ。
これもクリスマスに表参道に行った時にたまたま見つけたんだよな。
たださ…一箱が高いんだ。お取り寄せしてようとしてネット見てたら親も相乗りしてくれて
結果的に買って貰ったんだけど。
普通の親だったら贅沢するなと怒られるだろうけど、家はいいものは食べるべきな考えの
お陰で食道楽の世界にようこそって言われたっけ。
「もしかして…猫ラベル?高いのに…一緒に食べよう」
真美はラッピングを丁寧に剥がして箱を開ける。
「ほらっ、あーん?」
俺は真美にチョコレートを一片取って近付く。真美がパクっと咥えた。
すかさず残りを咥えて…いわゆるポッキーゲームを思いついた訳だ。
なのに、真美はポキン折ってしまった。俺の繊細な心まで折られた気になってしまう。
男のロマンを…何てことするんだよ。
「ポッキーゲームだったら嫌。返す」
うわぁ。ご機嫌斜めだ。折角のケーキも楽しくならねぇぞ。
「じゃあ、今度ゆっくり…やろうな?」
「うん、今日やるのが嫌なだけだよ。分かってね?」
言い出したら聞かないから、こういう時は認めてしまった方が早く済む。
「俺がアホでわりぃ」
「じゃあ、残りは私が食べさせてあげる。はい…あーん」
そう言って真美によって残り全部をうまく平らげることになった。
確かにクリスマスに、おねだりしたのは…俺なんだけども。
「ねぇ?知ってる?昔はチョコレートは恋の媚薬だったんだって」
真美はニヤリとしながら笑った。何か嫌な予感がする。
後方に撤退したいんですが、どうでしょう?
「もっと私をメロメロにするいい男になあれ」
俺の額に人差し指をあてて、呪い(まじない)の言葉を言った。
それとも…これは呪い(のろい)なのか?
「それはちょっとハードル高くないか?」
「そんなことない。もっとメロメロにしてみせてよ」
そうやって真美はたきつけて俺を煽りたてる。
「うがー!!真美の掌で転がされてる!!」
「うふふ」
「なんか余裕ぶっこいてるし」
「うふふ」
何を言っても真美はうふふとしか答えない。こうなったら最後の手段だ。
「週末になったらメロメロにさせてやるぜ」
「残念でした。今週末は生理…来ると思うけど?」
「NO!!!」
そんな事ではめげないぞ。真美のそばでうっとおしい位側にいてやる。
痛いならさすってやるし、マッサージならいくらでもやってやる。
お前の事をこんなに狂おしい位に愛しているのは、俺しかいないから。
「真美、愛してる」
俺は至極真顔で伝える。この言葉はちゃんと伝えたい。
「私だって愛してるわ…マイダーリン」
真美はそう言ってから椅子に座っている俺を肩から腕を回して抱き締めた。
「お願いね。ずっと愛してね?ダーリン?」
I always love you. ずっと…大好き
相変わらずですね。最後にはI always love you.がつくと思って下さい。基本的には(基本には例外がつきものだから)
次は誰でしょう?




