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エピソード8


 マリアの流動金属から生まれる球体は黒い化け物に命中すると、ビッグバンを超える爆発を次々と生み出している。


 怪物はうなり声をあげ、苦しんでいるように見えるも、身体に特別、攻撃を受けた傷跡は皆無だ。


 SCPやクトゥルフ神話の神が攻撃、現実改変を行っても、化け物に有効な攻撃は見られない。


 するとSCPやアザトースは、全ての存在を召喚した。

SCPはこれまで、これから、忘れられたSCPを全て呼び出し、怪物と退治させる。


 アザトースも、旧支配者、旧神、外なる神々、眷属、生命体が想像、あるいは想像しなかったクトゥルフ神話の全てを呼び出した。


 総力戦である。


 それを見たメシアはさらに高次元へと巨大化した。


 彼の使徒、筆頭のアダム、エバ、リリスを背中から放出し、無限の拳を繰り出す。


 すると化け物はメシアに対抗するように巨大化、その拳を受け止めたのだ。


 ここまで高次元に巨大化すると、オメガを超えた次元にマリアや神々、SCPの姿は小さすぎて見えなくなる。メシアと怪物の直接の戦いになった。もはやそこに数学的意味はない。どんなに数字を並べても、無限を積み重ねても、メシアと怪物の大きさは形容できないほどに巨大化していた。アレフ1やオメガという数学用語も無意味になった。


 メシアは眉間に力を入れると、複数の円形の光がメシアの周りに現れ、そこから古今東西、あらゆる歴史の武器が現れると、攻撃を始めた。刃物は飛び、銃は撃ち、投石器は光の玉を投げる。光からはさらに宇宙艦隊が現れ、主砲レンズから光線を放射しながら、突進していく。その数はさらに無限の最上位、オメガ個増えていき、見渡す限り球体から武器が放出され続けた。


 そこに対デヴィル用巨大人型兵器ホルスマシンまでもが数の概念を超えて召喚された。その大きさはもはや呆れるほど、生命体が認識できないほど、巨大である。


 さらにメシアが掌を怪物に向けると、光線が放出され、怪物に激突した。


 メシアの攻撃は効いていると思われたが、怪物の身体が千切れ、それがもう一匹の怪物に変化する。それを幾度もくり返し、怪物は群れとなり、周囲の武器を破壊するのだった。


 それは一瞬の出来事で、攻撃の手段はメシアの光線だけになってしまった。


 するとメシアは光線をいったん停止し、背後の使徒たちと力を合わせ、巨大な光の球体を放出した。それはメシアの巨大概念よりもさらに形容できない巨大概念であり、それを投げつけたのであった。


 化け物の群れの半分はそれで蒸発し消滅したものの、まだ化け物は健在だった。


 メシアはこれに焦ることもなく瞼を下した。


 その時、空間全域に別空間とつながったリングが現れ、あらゆるものの作者たちがこの世界に現れた。さらに作者たちは黒い化け物がなんであるかを理解し、想像力で化け物を攻撃し始めたのである。


 想像力は物理攻撃であり、精神攻撃でもあった。中には二次創作の攻撃もあったが、想像力に限界のないことをしらしめた。


 黒く醜い化け物はうなり声をあげ苦しみだし、肉体はが損を開始した。


 想像力、創作の力が化け物を駆逐し始めたのであった。


 黒い化け物を完全に駆逐することはできなかったが、化け物は空間に穴を広げ逃げて行ったのだった。


 これに歓喜の声が起こり、想像力の勝利に作者たちは自分の世界へ嬉しさとともに帰っていくのだった。


 メシアは下方の次元へと戻っていき、元の次元へ帰ると、今も増え続けるオムニバース群を空間へ返した。


 メシアの視線は次にマリアへ向かい、手を伸ばそうとした。


 が、マリアは戦いの終わっていない今は、メシアとまじわるべきではない、と考えあえて不愛想に自らの所属する科学組織ソロモンへ帰っていくのだった。


 SCPもクトゥルフの神々も自分の居場所へ帰っていく。


 そこに残されたのはメシアとオルトだけであった。


「戦いの先にはまだあんな化け物が待っているのか」


 メシアの質問に光の球体である預言者は無言だった。


 メシアは答えのない戦いに身を投じることに疲れたような顔をして、オルトの思わぬ行動に出た。


 その場から消え、旅に出てしまったのである。


 戦いはまだ続いている。神々が戦い続け、デヴィル、デヴィルの神、ダークコアも健在だ。それを放り出してメシアはすべてを知ったうえで、旅に出てしまったのだった。


 オルトはオメガ累乗ずつ増え続けるオムニバースをただ見つめるのだった。きっとメシアはその中にいると信じて。



終わりなき神話 外伝1 完

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