8話 口裂け女
「でた!でた!」
内房線に乗り直し、進む5人だった。
トイレにいった酒田が、真っ青な顔をして、震えながら戻ってきた。
「だから!出たんだって!」と4人に訴える。
「何がでたんだよ?」伊藤は、馬鹿にしたように問いただす。
酒田は、ガクガク震えながら「口裂け女!」と言う。
「〝口裂け女ー!〟」と4人は、大声を上げてしまった!
「しっー!聞こえちゃうよ!いたんだよ!隣の車両に!コート着て、マスクして、窓見て座ってた!」
「嘘!」4人は、顔を見合わせた!
「本当だな?よし!見に行こうぜ!」と伊藤は、
興味津々である。
「やめようよ‥」妙香は、震えている。
「大丈夫だって、酒田の勘違いだよ!一応見に行くだけだよ!」と伊藤は、1人で走るように、隣の車両に行った。
暫くして、真っ青な伊藤が、帰ってくる。
「いた!‥いた!ホントだ!」とガクガク震えている。
「一緒にきてくれよ!話しかけて確かめようぜ!」と伊藤は4人を誘う。
酒田も、「確認しないと、怖くて、電車から降りなきゃ!」と同じく誘う。
萩原は、「〝口裂け女〟は単なる噂であ〜る。整形手術に失敗した女性なんて、ただの噂!じゃあ、確認しに行こう」と席を立つ。
萩原を先頭に4人は、後を続く。
隣の車両の4人掛けのシートに確かにコートを着てマスクをした女性が確かにいるのである。
萩原は、臆す様子もなく、ズカズカと進み女性に声をかける。
「あの〜失礼ですが、貴方は、〝口裂け女〟ですか?」と聞くと、女性は、前髪を掻き分け、
「〝私綺麗!〟」とマスクを外した!
その口は、耳まで裂けた〝口裂け女〟であった!
「ぎゃー」と4人は、吾先に逃げ惑う!
「ハハハ!」と後ろから笑い声が聞こえる。
そこには、〝ゴム〟の口裂け女の〝オモチャ〟を外す、女性がいた。