11話 頭蓋骨
土から出てきた物は、〝骨〟であった。
酒田は、「これ?骨?」とすでに暗闇になりつつあった穴の中から、取り出す。
妙香の照らす懐中電灯の灯りが見せているのは、
確かに〝骨〟であった。
伊藤は、「骨だよな‥人のかな‥」と静まる。
美代は、「待って、動物のかもしれないわ!もう少し掘ってみて!」と酒田に促す。
酒田は、「わかった」と更に堀進める。
暫くして、出てきたのは明らかに人の〝頭蓋骨〟であった。
「ひぇ〜」と叫ぶ。
6人は、穴から出た〝頭蓋骨〟を懐中電灯で照らし、伊藤は、「どうする?」と投げかける。
萩原は、「どうするも何も警察に連絡す〜るしかない!」と意見を言う。
美代は、「待って!元々、酒田くんのお爺さんが、くれた地図よね?お爺さんが埋めたとは、考えられない?」と推測すると皆、酒田を見た。
酒田は、「え〜!爺ちゃん埋めたの⁈」とまた、腰を抜かした。
勝也は、「でも、酒田の爺さんが埋めたとしたら、
何でわざわざその場所を教えるんだ?」と疑問を出した。
美代も「確かにおかしいわね、酒田くんのお爺さんが、この骨に関係するなら、何故、わざわざ教えたのかしら?秘密が苦しくて、教えたのかしら?」と考え込む。
伊藤は、「酒田の爺さんが、犯人にしても、とりあえず埋めよう!犯人としても、自首したほうが、罪軽くない?」と皆に提案する。
萩原は、「これは、すぐ〜には、解けない問題であるから、埋めるべきですな!」と同調する。
勝也は、「よし!埋めもどそう!」と骨を戻し、
埋め始めた。
伊藤、萩原、酒田と必死に埋め戻す。
時間は、午後8時になろうとしていた。
磯野宅
「まあ!伊藤くんも!」とプールに行くと言って帰って来ない子供達を心配して、勝也、伊藤、萩原、酒田、更に妙香の親も、それぞれ心配していて、騒ぎになっていた。
勝也の父、益雄は、電話では、話がまとまらないから、集まらないか?と提案した。
酒田宅
「わかりました!磯野さんのお宅に行きますね!」と酒田の母、美佐子は、電話を大声で話していた。
それを聞いていた、酒田辰之助は、バツの悪そうに頭を掻いている。
美佐子はその様子を見て「お爺さん!何かしりませんか?」と睨みつける。
辰之助は、「いや‥いやな‥」と何やら隠している様子である。
美佐子は、「お爺さん!一緒に来て!警察にも連絡しないといけないかもしれませんし!」と磯野宅へ一緒にくるよう、もはや〝命令〟した。
酒田辰之助は、「警察!」と、不味そうな顔をした。
それぞれの親は、磯野宅に向かった。