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1話 埋蔵金探検団

 磯野勝也は、朝、7時50分に起きた。

「もう!いい加減に起きなさい!遅刻確定よ!」

そんな母、磯野澄江の怒鳴り声でようやく勝也は、起きた。

 勝也は、時計を見てただ事でないと気づく。

「ヤベ!」慌ててパジャマから、アシックスのジャージに着替え、壊れたランドセルから更新した通学バックを持ち居間に降りた。

 居間には、目玉焼きが用意されていて、味噌汁も冷めているようであった。

 時は、1980年 7月 夏休み前の終業式の日であった。

 勝也は、掻き込むように、目玉焼きをたいらげ、

「行ってきます!」と慌てて家を出た。

間際に母、澄江から、「通信簿さぞかしいいんでしょうね!」と脅された。


 勝也は、遅刻して、学校に到着した。

静まり帰った教室に入るのは、勇気がいる所だが、

慣れたものだった。

 案の定、担任の長山から、怒られる。

「ハーイ、気をつけます!」の一言が、長山の怒りに油を注いだ。

 頭を小突かれ、ようやく席に着く。

しばらくして、通信簿が配られ始めた。

勝也の番になり、長山から大袈裟に受け取るが、

中身は、2.3.2.3.2.2.3と冴えないものであった。

 勝也は、がっかりしたが、特記の欄に〝落ちつさがない〟と書かれていたのがショックであった。

 通信簿の配布も一段落し、休憩になった。

通信簿を自慢する者、隠す者、小学生にとって、

〝自分を判断される〟いわば、大人なる為の通過儀式でもあった。


 そんな、頭を、掻く勝也の元へ、親友の伊藤一男(いとうかずお)が寄ってくる。

 「勝也!これ見ろよ!」と新聞の切り抜きを見せた。

 新聞には、〝千葉 房総に眠る里見家の埋蔵金〟と見出しがあった。

 勝也は、読むが、読めない漢字が多数あり、一男に説明を求めた。

 「だから!この〝小松寺〟って所に埋まっているらしいぞ!夏休みに、荻原と酒田誘って堀りに行こうぜ!見つけたら〝ゲームウォッチ〟だって山程かえるぞ!」と鼻息が荒い。

 勝也は「ゲームウォッチ!山程!ホントかよ!いくいく!」と2つ返事で同意した。

一男は、「そうだろ、じゃあ、勝也は、スコップ用意してくれな!萩原と酒田は誘っとくよ!」と新聞の切り抜きを置いてその場を去った。

 勝也は、〝埋蔵金〟の記事をマジマジと見た。

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