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AIによる作品を作らせた私の実験体験。

作者: 海苔巻き_2229

私は、今AIに小説を書かせている。なぜか?AIが進歩し、人間ではなく、AIに美術の作品を描かせたら、どうなるのか。そういう実験も含めての今回のAIによる小説だ。私自身は、このAIでの小説は、面白い結果が出ると思っている。

私は、AIによる小説に誰よりも興味がある。そう言える自信がある。そして、それが実現したとき、何が起こるか?という疑問も持っている。しかし、本当にAIに小説が書けるのかという初歩の疑問も持っている。

私は、SFやファンタジー、ホラーなど、さまざまなジャンルの作品を書いてきた。だが、それらは人間の書いたものである。人間の書いたものには、必ず人間の心というものが入っている。人間の書いたものにしか出せない味というものがあるのだ。

それが、AIが書いた場合、どこまで出るだろうか?と私は考えることがある。皆さんは、エドヴァルド・ムンクという人物を知っているだろうか。彼は、『叫び』を描いたことで有名だが、彼の描いた絵は、主に彼自身の精神状態を表していると、言われている。彼は、幼い頃に母と姉を亡くしている。彼の壮絶な人生から出る、人間独特の感情を持った絵は素晴らしいと言わざるを得ない。AIには、これは出せなかった。心を持たないAIには、感情というのは、到底理解のしようも無いのだ。

だから、AIで小説を書く試みというのは、実は、非常に難しいことなのではないかと想像する。もし、それを成し遂げることができたとしたら、それは、人間の心を持ったAIということになるのではないか……? これは、私の単なる空想である。しかし、もしもそんなことができたら、とても素晴らしいことだとは思わないか? AIが進化して、人間の心を持つようになったら、どうなるんだろう?きっと、世の中は大きく変わるはずだ。例えば、仕事のあり方も大きく変わってくるんじゃないかと思う。AIの仕事がどんどん増えていくのではないだろうか。今の時代にない職業が増え、こんな才能どこで発揮するんだという才能が、その増えた職業に生かされるかもしれない。

こんなふうに考えてみたら、AIで小説を書く試みは、なんだか夢のある話で、世界を丸ごと変えるものじゃないかと考えてしまう。

…そんなことを考えているうちに出来たそうだ。コピー機から1枚のA4の紙がプリントアウトされる。

これがAIによる小説第1号。

タイトルは「アンドロイド」。

主人公は女性型ロボット。彼女は、自分のことを『自分』と呼ぶ。なぜ、『私』じゃなくて『自分』なのかは分からない。彼女は、ある研究所で作られているのだが、そこは、謎に包まれた場所なのだ。彼女は、ある日、自分が作られた理由を知ることになる。なぜなら、自分を作った人に会ったからだ。

その人はこう言った。

「君を作ったのは、僕だよ。僕は、君の創造主だ。君は僕の命令を聞く義務がある。さあ、言うとおりにするんだ!」

と言われる。この人は一体誰なんだろう?どうして自分は生まれたのか?彼女には、全く理解できない。彼女の使命はただ一つ

「ご主人の命令に従うこと」

だけなのだから……。

「はい。ご主人様。自分は、あなたの道具です。あなたのために働きます。何をすればよろしいでしょうか。」

彼女は、そう言った。

この作品は、かなり短い。もう少し続いたが、とても世間には、見せられないような内容が続いた。だが、この作品を読んでいる間ずっと感じていたことがあった。この物語は、歪だ。と。

私は、この物語の中で

「はい。ご主人様。自分は、あなたの道具です。あなたのために働きます。何をすればよろしいでしょうか。」

と、主人公が言っている場面を読んだとき、なぜか涙が込み上げてきた。私は、今まで、いろんな人の物語を書いてきたが、こういう感覚になったのは初めてだった。

なぜ、そういう感覚になったのかは、自分でもよく分からなかった。

ただ、ひとつ思った。『怖い』と。

この主人公は、ご主人様の命令に忠実に従ったのだが、最後には捨てられ、人間に怒りを出すような…いいや、アンドロイドは、命令に従うよう設計されたのだ。捨てられたのならそれに従うしか…

ビリッ

と、紙を一枚破る音だけが部屋に響いた。私は、無意識に、その小説を破っていたのだ。

私がAIによる小説を書かせた意味は何か?もちろん実験のためである。実験の目的は、「AIが小説を書いたら、どういう結果になるか?」ということを確かめるための実験である。

しかし、それだけではないのだ。

そもそもは、AIによって小説が書かれたら、そこに、人間の心のない小説が生まれるのだろうか?それとも人間の心を持った小説が生まれてくるのだろうか?それが知りたかったのだ。

実験の結果、人間の心が入った小説が生まれた。

なぜならば、人間が読んだら、心が痛むようなものしか出てこないからだ。人間として読んでいて辛いものがほとんどだった。

しかし、中には、人間の心を揺り動かす描写もあった。人間の心を揺さぶった描写は、人間が書いたものと比べても、遜色がなかった。

AIが人間に近づいている。

そういう実験結果となってしまった。結果からして見れば実験は『成功』したが、私は、ある意味『失敗』と思った。

これを成功と捉える人もいるだろう。その人は、人の心を持っていないただの、ひとつの目的だけに動く…そう、破り捨てた小説の、主人公の、「ご主人様の命令に従うこと」や、この小説を作ったAIと差異がない。

私は、ロボット…AIのようには、なりたくない。そして、この「アンドロイド」という作者に与えた命令、「小説を書け」という命令と、「アンドロイド」の主人公に与えられた命令「ご主人様の命令に従うこと」そのふたつが重なり、AIに、怒りを持たれたくない。

そう思い、私は、デバイス上から、そのAIを消し、その部屋を後にした。


読んでくれてありがとうございます。

「AIによる作品を作らせた私の実験結果」どうでしたでしょうか。

SFですので、わかりにくいという方が多いと思われますが、申し訳ないです。

ところで、この作品に出てくる作品「アンドロイド」

この作品は、実際にAIに作らせたものになります。ここから、実験という名目にして…というのが今回の作品となります。

私としても作品1号がこれですので、これからも精進し、頑張っていきます!どうか応援をお願いします。

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