SP(エスピー)とかいう超絶ブラック業務と平和な国
元総理銃撃事件の報道を見ていた。
警視庁の元OBだか、なんだかが話していたが、銃声が聞こえたら間髪入れずに、覆いかぶさって要人を守るのが基本的な行動のような話をしていた。
確かに今回の件は、一発目の後に大分間があり、その間SPが手持ちのジェラルミンケース(この名称でいいのか分からないが、盾になるものであるらしい)を広げているのは見て取れたが、元総理は行動起こせずに立っている状況で、二発目をその身に受けていた。
元総理は現場で心肺停止であったという事なので、私は、このSPが正規の行動をとって、その間に入っていた場合は、このSPは死んだのだろうなと思った。
そもそも警備計画がずさんだったとか、背後から近づかれた時点で察知すべきとか、要人を引き倒していれば犯人も焦って射撃をためらったかもしれないとか、色々意見はあるだろうが、
何が言いたいかと言えば、『要人の為に盾になって暴力を受けましょう』という内容の業務がある職業が存在している事ってよく考えたら、狂気だと思ったのである。
それで給料貰ってるんだからとか、自分で選んだんだからとか、嫌ならやめろとか言う話以前に、そんなものが存在しなければいけない世界って何でだろうねと。
今回の事件の『こういう奴』がいるからだという人もいるが、
なぜ『こういう奴』が生み出されるんだろうかと、たびたびセンセーショナルな事件が起こるたびに議題に上がるが、その根本が解決されたことはない。大体が、こんな奴はどうしようもないのだから放っておけという感じの議論の帰結になり、議論が避けれらている傾向がある。
だから、私は、議論を棚上げにしてきたツケが回ってきたと考えている。
ただ私たちが見えないようにしているだけで、今も世界は暴力に満ちている。
人類の歴史は今までずっと、暴力が野放しになっている。
これは、「知性の敗北」以外の何物でもないと思う。
少しあの、山端を茜色に染めて沈む美しい夕陽でも見つめる余裕があれば、暴力など起こす気にならないと私は思うのだが、
残念ながら、人それぞれ見えている世界は違うようである。