ドルチェアンドガッパーにゃ?
「いい曲だなぁ」
立野くんはワイヤレスイヤホンでFMラジオを聞いていました。
「エイトさんのこーすい」
よし、覚えたぞ。今度検索してまた聞こう。
「立野くん」
「博士」
「香水を作ろうかと思うんだがね」
「いいですね!調香とかできるんですか?」
「まあね」
「何をベースにするんですか?」
「ムスク……かな?」
「ムスク!」
「マルを連れてきたまえ」
「?なんで??」
「テーマはネコにちなんだ香りにする」
「どんなのですか?!!」
「マタタビを配合して、ネコ好きが使う香水にする」
博士は以前、マルの抜け毛対策に液体のりを使おうとして、それ以来マルは博士によりつかなくなったので、おそらく、自分でもその香水を使う気でいるのでした。
「そんなの売れますか?!」
「売れる!便乗商法ぢゃ。今はやりの歌にちなんだ名前の香水にする!」
「ドルチェアンドガッパーニ?」
「ドルチェアンドガッパーにゃ」
「いろんなところからお叱りを受けますよっ!!!」
「だが、うまくいけばがっぽり儲かる!」
「だれかーこの人止めてくださいー!」
にゃーん!
マルが呼ばれたと勘違いしてやってきた。
「そうさなぁ、立野くんがいればマタタビ香水はいらないかもな」
はああああ。
立野くんは深い深いため息をつきました。