転生したらストロングゼロだった件~エリクサー代わりに使いまくっていたらある日パーティーが壊滅したのだがwww~
俺はある日、トラックに轢かれそうになっているネコを庇ってトラックにはねられてしまった。俺は死んだ。ネコも死んだ。
ふと気が付くと俺は見たこともない異世界に転生していた。そして最強のスキルを神から授かっていた。そして頼もしい仲間と共に魔王を倒すべく冒険の旅へと出発したのである。そして苦労の末、魔王を倒すことに成功した。
魔王すら倒す俺の最強のスキルはストロングゼロ!
俺はストロングゼロに転生していたのだ!
ちなみにストロングゼロはパーティー全体のHPとMPを完全回復した上で全ステータスを一定時間3.75倍するチートみたいなスキルである。ちなみに攻撃にも使える。魔王にはちなみにストロングゼロ500ml缶を7缶無理矢理飲ませて急性アルコール中毒魔法で倒した。
魔王を倒したことで俺達は英雄のパーティーとして崇められることになった。俺はハーレムなど興味が無かったが町を歩いていると女の子の方から勝手によってくる始末だ。やれやれ、少しはのんびりしたスローライフをさせてくれよー!
だが魔王を倒してしまったことで俺にはこの世界でやることが無くなってしまったのだ。後に残ったのは英雄の俺と、ただのアル中と化した仲間達だった。
「ストロングゼロを、早くストロングゼロを飲ませてくれぇ!!」
「あいつは私のストロングゼロよ、どきなさい!!」
「あぁ、大賢者サン・トリィ様!!わたくしめに神のお恵みを!!」
どうしてこうなった!?
俺の目の前でいつものように殴りあいの喧嘩を始めたパーティーメンバー達。巻き添えをくらってネコが死んだ。
「おい、落ち着けよ。そんなに続けてストロングゼロは出せねぇよ!」
異世界転生した俺こと、大賢者サン・トリィは腋にあるプルタブをパカパカすることでストロングゼロを出すことが出来る。だがもちろん俺の体積以上は一度に出すことが出来ない。またストロングゼロがチャージされるのを待たないといけない。
ストロングゼロの中毒性に気が付かなかった俺は戦闘になる度にパーティーメンバーにストロングゼロ魔法をかけていた。だからどんな強力な敵が相手でもほとんど一撃で倒すことが出来て苦戦したことがほとんど無かった。
ストロングゼロを飲んで能力アップして戦うことが当たり前になってくるとみんな、戦闘でもないのにストロングゼロを欲しがった。そう、ストロングゼロには高い依存性があったのだ。俺自身はストロングゼロだから自分の中のストロングゼロは効かないが、他の仲間は俺のストロングゼロで頭がやられてしまって廃人になってしまった。
「ストロングゼロをくれえぇ……」
「ちょうだい、ちょうだいよぉ……」
「大賢者様ぁ……」
俺の足にしがみついて離れようとしない仲間たちの酷い有様を見て、俺は決心した。
「よし、捨てよう」
俺はパーティーメンバーを全員追放した。魔王を倒し仲間とも別れいよいよやることが無くなった俺は世界中の人々にストロングゼロを振る舞っていたら世界が滅んだ。
異世界転生って、むずかしい。
ネコに一体何の恨みがあるんですか!!?