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1 当たり前の日常

記憶喪失。

誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

今までの自分が経験した出来事や思い出が頭の中から無くなっていくことだ。


よく感動するアニメやドラマなどでこの設定は使われているものだ。例えば、大切な彼女を庇った結果主人公の記憶が失くなったり、彼女の一週間で記憶がリセットされるなどである。


僕、平田奏はこういった話にはとても弱い。

そもそも涙腺がとても弱く、ちょっと悲しい出来事があったら泣いてしまうし、小学校の時は少し怪我をしただけでよく声を出して泣いたものだ。


それでよく小学校の頃弱虫とか言われていじめられた。

今では怪我をしても泣かなくなったが、感動エピソードはどうしても苦手である。


そうして思い出にふけっていると、チャイムが鳴って、放課後になった。


「、、、ふぅー、帰るか。」


僕はバッグを背負い、教室を後にした。

高校生なら放課後部活をやったり、デートをしたり、教室でダラダラしたりして短い高校生活を楽しむのが普通なのだろう。


だけど僕は特別誰かと話すことはないし、放課後何か特別なこともない。

ただ家に帰ってご飯を食べて、本を読んで、勉強をする、そんな当たり前の生活が出来ていればそれでいい。




「奏君、私は君の味方だから!」




、、、あんな思いはたくさんだ。



記憶喪失の彼女がいたり、誰かを庇って事故に遭うなどというのはフィクションだけで十分だ。



そうして僕は一人で家に向かい、当たり前の日常に帰るはずだった。



あの出来事が起きるまでは。




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