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悪の組織やってます ~怪人大好きな科学者による悪役ライフスタイル~  作者: あらまき
第五章:復讐を忌み嫌う者

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区切りの日、ハレの日後の余韻


 ジェネシス事件と揶揄される騒動から二月ほどが経過した。

 大々的な報道に一喜一憂した人々は既に事件の事を忘れいつも通りの日々を過ごしている中……ARバレットだけは事件と関係ありつつもあんまり関係ない事情でちょっとした修羅場が続いていた。

 その理由はエイレーンにある。


 エイレーンの生まれた場所は、控えめに言ってもどうしようもない場所だった。

 貧困と飢餓に塗れ、余裕という概念を持った者は誰一人いない終末のような世界。

 誰もが自分の事だけを考えるだけで精いっぱいで、奪い合い襲い合いなんかは日常茶飯事。

 エイレーンも自分と同い年の子供が様々な理由で死んだのを幾度となく目撃していた。


 その想像すら難しい惨状により、エイレーンは人体実験された事に対する恨みよりも、そこを脱出出来た喜びの方が今でも強い位である。

 エイレーンが人体実験を恨んでおらず、姉の事だけを恨んでいたのはそれも理由の一つであった。


 現在は周りの人達からこれでもかと幸せを押し付けられ、肉体の方もテイルの手により何とかなり常人と比べ物にならないほど頑強で健康な状態となっている為、エイレーンは今までの人生は何だったのかと思うほど文句なしに幸福な状態となっていた。

 それでも生まれというものが決して消えるわけではなく、その影響がないという事はありえない。


 つまり何が言いたいのかと言えば……エイレーンという存在はそんな国の常識が染みついてしまっており、この国に溶け込むのが非常に難しいという事である。

 これが普通の生活を送るだけならARバレットのサポートで問題ないのだが、学校という集団生活を送るとなるとそうはいかなくなってしまう。


 常識があるとかないとかとかそんな簡単な話ではない。

 エイレーンの中にある常識自体がこの国では絶対にあり得ない常識である。

 何しろ根本となるのが弱肉強食で適者生存なのだから、獣の常識の方が近いくらいなのだ。


 意外な事に、資質が高いからか意欲のおかげか学力の方はまだ何とかなりそうだった。

 むしろ、一部理系科目においては既に高校や大学ではなくその道といった本職レベルと言って良いほどで高すぎて問題になるくらいだ。

 その理系科目を生かすべくレベルの高い学校に行った方が変人も多くエイレーンでも噛み合う可能性があるのだが、エイレーンの望みはあくまで楽しい普通の学校生活の為そうもいかない。

 そも、知識を学ぶだけならそれこそユキ一人いれば十分なくらいである。


 ではエイレーンが普通の学校に通う為には何が足りないのか。

 大きく種類を分けるとそれは三つとなる。


 まず、普通に足りない部分。

 読みは出来ても書けない漢字能力が足を引っ張り、一部文系科目が悲惨な事になっていた。

 特に歴史がかかわる古典や地理などは元の生活により知識が欠けている上にややこしい漢字だらけで、もう致命的としか言いようがない。


 次に常識。


 公園の鳩を食べたらいけません。

 同級生は敵ではありません。

 だからと言ってクラス対抗リレーの相手も敵ではなく競い合う相手であり、負けても問題がないので相手を殺す気でいってはいけません。


 そんな当たり前の事ですら、時々躓く。

 だから時々出て来るとんでも常識を今のうちに探り、それに対して一個一個指摘して潰して新しい常識に塗り替えなければならなかった。


 そして最後に、デチューンの必要があった。

 怪人である為持った驚異的な身体能力と、人体実験をされていた事に覚えた科学知識。

 これらは逆に一般的な学生から見れば高すぎるのだ。

 知識の方はあまりひけらかさなければ良いのだが、身体能力は難しい。

 ふとした事で人ならざる力を持った存在が排他されるというのは歴史上良くある事だった。


 今はテイルが調整により最低限に絞っているが……それでも人体実験による強化が悲しいほどに上手くいってしまっており、非常に高い身体能力を持ってしまっていた。

 だからこそ、ふとした瞬間ですらも出てこないよう制御の仕方をマスターさせなければならなかった。


 あらゆる意味でスペシャルな存在の為、正義の味方や悪の組織にかかわった方が幸せになれるだろう。

 だが……それでも本人は学校に行ってみたいと呟いた。

 不幸としか言えない人生を歩んだ子が、たった一つやりたいと言った夢。

 それが楽しい学校生活である。

 それを叶えたいと思わない者はARバレットにはいなかった。


 そんなわけで、流石に覚える事が多すぎてユキだけでは足りないので、ARバレット総出でエイレーンの学校準備の教育が行う事となった。

 決して容易い事ではなく、それはまるで終わりの見えないマラソンのようで……受ける本人も行う方も非常に苦しいものだった。


 ただしその地獄の甲斐はあった。

 あと一歩で常識的な女子校生と見えるだろう。

 その位には、エイレーンは淑女として成長する事が出来た。

 とはいえそれも完璧とは言えず、しかも見た目だけは金髪美形な為一般的と言えないのだが……それはもうどうしようもない事の為妬まれないよう祈るしかない。




 そんな事をして苦しくも楽しい、一体感ある合宿のような日々を過ごしているARバレット宛に一本の電話が鳴り響いた。

 テイルが取った電話の先から聞こえた声は、サバンナ太郎のものだった。


『おーい。学校の手配整ったぞー』

 当然エイレーンの通う学校の話である。

「そうか。助かる。で、入学の試験とか面接はどんな感じだ?」

 その声に、電話相手は不思議そうな声を出した。

『は? 何言ってるんだ』

「ん?」

『難民生まれで、この前の事件の犠牲者だろ。だったら別に試験とかいらん。政府も融通を聞かせるって言ってたろ。つーかたとえ政府が動かなくても、そんなもん何とかするのが俺で、大人だろ』

「いや……そんな特別扱いじゃなくて本人が普通の学校が良いって」

『ちゃんと事前の相談通り普通の学校だ。先生方には既に事情を伝えて入学準備をしてもらっている。生徒達には少し嘘ついてちょっと変わった外国からの留学生って事だけ話してるからその事で嫌な目にあう事もないと思うぞ。バレても隠した理由も想像に難しくないし。ついでに言えばここは少々外国人も多いが……まあそっちの方がエイレーンちゃんにとって普通の学校になるだろ?』

「……確かにそうだな。あれ? って事は……無理に教育する必要ない?」

『当たり前だ。というかそのつもりで俺に声をかけたんだろ?』

「……お、おう。そうだったな」

『というわけで入学願書とパンフそっちに送るからエイレーンちゃんに見せてやってくれ。嫌だったら別の学校の準備するから遠慮させず選ばせてやってくれよ。んじゃ』

 それだけ言って、電話は切れた。


「そっか……。別に教育する必要ないか……。というか……普通に考えたら学校に行くんだからそっちで教えてくれるわな……。――さて、皆に、何て言おうか……」

 テイルは背中に冷たい物を感じながらそうぽつりと呟いた。

 この二月は教える方も教わる方もしんどい思いをした。

 それが別に無くても良かったーなんて言ったらどうなるだろうか。

 テイルは学校で零点を取った子供のような心境でエイレーン達の元に移動した。


 怒られたり呆れられたりはしたが……結果だけで言えばエイレーン教育にかかわった全員にテイルが自腹で焼肉を奢る事で決着は付いた。




 実際に学校のパンフを見たエイレーンは、迷わずその学校に入学する事を決めた。

 エイレーンに取って決め手となったのは留学生が多いという部分である。

 どうしても、外国から来た自分が普通ではないという意識が抜けなかったらしく少し悩んでいたが、留学生が多くいるこの学校なら浮く事はなくやっていけると本人も思ったそうだ。

 というよりも、サバンナ太郎というふざけきった名前の男による手配が完璧すぎて文句の付け所がない状態で、エイレーンが悩む要素は全て事前に潰された後だった。


 入学を決めサバンナ太郎に伝えたその日に校長がARバレットに訪れて話し、更に願書が届いた日には担任がARバレットに訪れた。

 二人共テイル、ユキどちらの視点からも善人であり、正しい教育者に見えた為安心して預けられると思えた。

『貴重な青春自体を我が校で送りたいと願って下さって、本当にありがとう。絶対に楽しい学生生活を送りましょうね』

 そう担任が言った時、ユキは少しだけ……ほんの少しだけエイレーンに嫉妬したくらいである。




 そんなわけでとんとん拍子で話は決まり、来月頭に学校に通うという事が決まって……ついにその日が訪れた。

 テイルとユキはエイレーンを連れてその場所に向かった。

 エイレーンはキャリーバッグに自分の荷物を積め運んでいる。

 目的の場所は、符李蛇鵡の拠点。

 そこにはサバンナ太郎と、ユキヒが三人を待っていた。


「初めましてエイレーンちゃん。そして……ようそこ符李蛇鵡へ」

 ユキヒはそう言ってエイレーンに微笑んだ。

 その言葉にエイレーンは頷き、ユキヒとサバンナ太郎の元にユキとテイルを置いて移動する。

 そしてくるっと振り向き、テイルとユキに深く頭を下げた。


「今まで……お世話になりました」

 そう言って深く頭を下げるエイレーンも、テイルもユキも、誰も笑っていなかった。

 笑って見送らないといけないのに、笑う事が出来なかった。


 ジェネシス事件の後にエイレーンのような存在を政府は認め、出身国に事情説明とその処遇決定の為連絡を行った。

 そして、エイレーンの国から返信が届いた。

『こちらの国民と証明出来る物がない限り当方は関知しない』

 回りくどい言い方だったが、意訳すればそのような言葉だった。


 単純に余裕がないからか、それとも信じていないのか。

 または……ジェネシスと繋がって人身売買にかかわっていたからか。

 理由はわからないが、その所為でエイレーンという存在は過去の抹消され宙ぶらりんな存在となってしまった。

 そんな彼女をどうしようか政府関係者が考えた結果、この国の国民として正式に認可する事となった。

 ようするに、いらないならもらおうという考えである。

 ただし、その為の条件が一つ……符李蛇鵡に所属する事だった。


 政府としては民間組織である符李蛇鵡にあまり頼りたくはないのだが、それなり以上に権限があり、子供という弱者を守る事が出来て安心して預けられる組織が他に存在ていなかった。

 もちろん、政府の決定にに対しては誰も文句を言う事はない。

 むしろ、そういった苦しんでいる人達の救助経験が多い符李蛇鵡ならテイルやユキには見えなかったエイレーンの苦しんでいる部分を見出す事が出来るだろう。

 似た年ごろのユキヒもいるし預け先としては文句なしであるのだが……それと感情はまた別の問題である。


 三人の心は、たった一つ。

 それは非常に単純で、そしてわかりやすいもの。

 楽しい時間を共に過ごしたからこそ生まれる、祭りの終わった夜のような時間。

 三人共、強い寂しさを味わっていた。


「……私、二人と一緒にいるの楽しかったですけど……あれだけは嫌でした」

 エイレーンは二人に対してそう呟いた。

「……ああ。あれか」

「はい。あんな最低最悪な映画の鑑賞会だけは嫌でした。名作だけ見れば良いじゃないですか」

 その所為で、エイレーンは前評判が絶賛された物以外の映画を見る事に恐怖を覚えるようになってしまっていた。

「ははは。俺も……いや、俺達もあんな映画大っ嫌いだ」

「じゃあ何で見るんですか」

「……贅沢になってしまったが故に……かな」

 その言葉に、エイレーンは噴き出した。

「なんですかそれ……。全くもう……。それ以外は、何一つ文句はありませんでした。本当に……」

「そうか……。それなら良かった」

「はい。本当に……本当にありがとうございました」

 これからも、ARバレットに遊びに行くことはそれほど難しくない。

 多少距離は離れているが新幹線に乗ればすぐくらいで、何なら車でも移動できる範囲で、会おうと思えばいつでも会える。

 実際ユキヒとユキの二人は時々二人でお出かけしていたりするくらいだ。


 だが、ここでのお別れとは距離や今後という意味ではない。

 三人は不思議なこの関係を、家族のように思って過ごしていた。

 だからこそ、三人にとって家族ではなくなる巣立ちの時である。

 家族として話すのはこれが最後だった。


「テイルさん。偏屈で、わがままで自分勝手な私の存在を全て許してくれて、叱るべき時にしかってくれてありがとうございます。自信はないですが……それでも、もう守ってもらわなくても大丈夫だと思います」

 エイレーンはテイルが自分の現状を知って怒っていたのを知っている。

 ボロボロの体を見て怒り狂い、それを治療して傍に置いてくれた。

 それはきっと同情だったのだろう。

 だけど途中からは同情ではなく、まるで家族のように接してくれた。

 少なくとも、エイレーンはそう思っていた。


「いや、お前は何時だってどこだって大丈夫だ。やっていける。だけど何かあってもしどうしても無理になったら、そこのサバンナ太郎に頼れ。ファッションセンスとか最低最悪で場合によっては股間を丸出しにする変態だが……そういう時は誰よりも信用出来る男だ」

 お前もファッションセンス最低じゃないかとか言い返したいサバンナ太郎だが……空気を呼んで黙り苦笑を浮かべるだけにしておいた。


「ユキさん。何にもわからない私に誰よりも親身になって色々教えてくれてありがとうございます。出来の悪い生徒でしたが、誰かに何かを学んだのは初めてで……とても面白かったです」

 ユキは涙の溜まった瞳のまま下唇を噛み、こくんと頷く。

 そんなユキを見て、エイレーンはユキの方に歩み寄った。

「最後に、ぎゅっと抱きしめて貰えますか? テイルさんには……ちょっと言い辛いので」

 少々複雑な心境でエイレーンはそう呟いた。


 エイレーンの中でテイルという存在は言葉にし辛いものとなっていた。

 初めて自分の為に怒ってくれた人で、父親のように思っている部分もあり、なおかつ初恋に近い感情でもある。

 実際、今は昔みたいに利用する為でなく、違う理由でテイルに身を捧げたいという気持ちもあった。

 だけど――それをエイレーンが口に出す事はない。

 この別れと共に、その恋心は全て捨て去る気でいた。

 テイルと同じように、エイレーンはユキの事も大好きになっていたからだ。


「……全く。私を泣かせたくてそんな事言ってるの?」

「てへへ。三割くらいはそれもあるかも……」

 そう言って微笑むエイレーンに、ユキは泣き笑いのままぎゅっと抱き着いた。

「私も楽しかったわよエイレーン。一緒に過ごせて。次は……友達として会いましょう」

「はい。また……また会いましょう」

 そう言ってエイレーンはユキを抱き返した後、小さな、耳元のユキが聞こえるか聞こえないかくらいの声で囁いた。

「テイルさんの事、頑張ってくださいね。応援してます」

「……うん。ありがと」

 ユキがそう返したのを聞いたエイレーンは安心したのか、ユキから離れて符李蛇鵡の方を向いた。

「これからお世話になります」

 そう言ってぺこりと頭を下げるエイレーンの様子は、礼儀正しい普通の子でしかなかった。

 ARバレットのおかげで、普通に近づく事が出来ていた。


「礼儀正しくてよろしい。元の教育が良かったんだね」

 サバンナ太郎はそう言って微笑み、テイルとユキの方をちらっと見て微笑んだ。


「いや、この子が良い子だったんだよ。じゃあなエイレーン。寂しくなったら電話しても良いぞ」

「はい! 電話しますね。ユキさんに」

 そう返されたテイルは、嬉しいのか寂しいのか悲しいのか良くわからず苦笑いを浮かべた。

 そのままテイルとユキが去っていくまで、エイレーンはずっと手を振り続けた。




「……泣いて良いのよ」

 二人が立ち去ってからユキヒがそう呟くと、エイレーンは微笑んだ。

「いえ、大丈夫です。これから幸せにならないといけないんで、泣いている暇なんてありませんから」

 そう言って微笑むエイレーンを見て、ユキヒは釣られた微笑んだ。

「そ。遅れたけど私はユキヒ。ユキお姉ちゃんの妹で、符李蛇鵡では貴女の姉みたいなものよ。そして歳は同じだから友達でもあるわ。貴方が嫌でなければね」

「ううん。丁度家族レスで寂しいと思っていたところだから嬉しいです」

「そか。んじゃ、まずは敬語を取って話しましょう。私も貴方とずっと話したいと思ってたから。ついでお姉ちゃんとテイルお義兄さんの話を聞かせてくれると嬉しいかな」

「……そうね。それなら、私の初恋と二人との時間を話さないとね」

 その言葉で何となく察したユキヒは、エイレーンの頭をそっと撫でた。


 サバンナ太郎はあまりの居心地の悪さに静かにフェードアウトしようとし、ゆっくり足音を立てず移動していた。




「いい加減泣き止めよ」

 テイルは横でぽろぽろ涙をこぼしながら歩いているユキにそう呟いた。

「これは汗だから良いのよ。今日は暑いからね。テイルこそ泣き止みなさいよ。大の男が見苦しくない?」

 ユキは横で男泣きしているテイルにそう呟いた。

「これは鼻水だから良いんだよ」

「いやそれは良くないでしょ。耳鼻科も真っ青じゃない」

 そう言って二人は器用にも、泣きながら微笑んだ。


「寂しいけど、悪い気分じゃないわね」

「ああ。そうだな」

「……女の子を嫁に出すお母さんってこんな気持ちなのかな」

 ユキはそう言って、青空を見つめた。

「どうだろうな。ただ、俺も娘を送り出したような気持ちにはなってる」

「……何か寂しくなったからか、今夜はちょっと飲みたい気分かな」

「奇遇だな。やる事が一気になくなって時間も余ったし、明日に響くくらい飲みたい気分だ」

「そうね。ちなみに私はちょっと良い雰囲気のお店で飲みたいかな」

「……なるほど。それはまた贅沢な話だ。……だが悪くない。良いだろう。上に宿泊施設のあるバーで二人で倒れるまで飲もうか」

「……それって」

「安心しろ。ちゃんと別室で二人分部屋を取る。親しき中にも何とやらだ」

「……別に一緒の部屋でも良いしそういう事しても良いのに」

「ん? 何か言ったか?」

「何でもないわよ。ほら。さっさとホテルとバーに予約して。私ARバレットの方に連絡しとくから」

「あいよ」

 そう言い合う二人の目から涙は止まり、残ったのは子供が巣立ったすがすがしい気分だけだった。


ありがとうございました。

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