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零号 後編

 

 テイルはその町、餐合(ばんごう)町にしばらく住み着く事にした。

 金だけは腐るほどあるのだが、特にすることもない。

 ただ、あの猫がどうなるのか気になっていた。


 後で知った事だが、あの猫は人体の危険信号が可視化出来ていたそうだ。

 だからこそ皆に危機であると伝えていたのだが、そんな貴重な情報は猫虐めというくだらない理由で消され今まで誰一人気づかなかった。

 噛まれた人は多くいたが、その事が話題にならなかったという事はつまり――誰も幸せにならなかったという事だろう。


 テイルは時間を無為に使いつつ、暇をつぶす為にちょくちょくその猫の様子をうかがった。

 吼えて、噛んで叩かれて、蹴られて。

 何もしていないのに虐められて……。

 少しだけ、テイルの胸に怒りと痛みが走った。

 が、それを無視した。

 気持ちを露わにするのが面倒だった。


 くだらない事に、猫虐めは大人も一緒になっていた。

 吼えて煩いから、噛んできてうっとうしいから、碌に反撃してこないから、そんなくだらない理由で。

 それは虐めという生易しいものではなく暴力で、生きているのが不思議だと思うくらいだった。

 おそらくだが、猫は本当はとても強くて人くらい軽く噛み殺せるのだろう。

 そのくらいは実力差がないと、生きているのがあり得ないくらいは暴力を受けていた。


 流れというものに逆らう事は難しく、いじめが止まる事はなかった。

 こっそりとテイルが観察している事に気づかず、多くの人が猫虐めに精を出していた。

 そして猫はそんな愚かな人であっても、ずっと危機の主張を続けていた。

 流れというものは変わらない。

 どれだけ猫が人の為に吠えても、体の傷が増えていくだけ……。


 そう流れは変わらない、流れは作るものだからだ。

 二月ほど経った後、あの時の子供が退院した。

 幼く考えなしだった子供は虐めていた相手に命を救われ、罪悪感に苛まれ……。

 そして子供の後悔と反省は、子供を少年へと成長させた。


 少年は猫に感謝し謝罪し、そして虐められる猫を助けはじめた。

 石を投げられても庇い、噛まれる人には自分の体験を話して病院に行くよう指示し、放課後の時間と学校がない時間は友人とも遊ばず常に猫の傍にいた。

 そんな少年を最初は皆奇異の目で見つめた。

 猫をいじめるのが当たり前だと、この町皆がそう思い込んでいるようだった。


 だが、少年の行動は確かに意味があり、新しい流れを生み出した。

 少年の説得により病院に行った者は、それが事実であると知った。

 しかも、放置すると命にかかわる状況だったという事も。

 そして今まで猫に吠えられていた人を誰かが調べた。

 皆、病気でこの世を去っていた。 


 こうして猫の行動に救われる者は増えていった。

 テイルが住み着いて半年、気づいたら猫をいじめる者はいなくなっていた。


 人という生き物は現金なもので、ミケという名前すら呼ばれなくなっていた猫は『猫神様』『ミケ様』と町民全員で感謝し敬われていた。

 テイルも空虚さが薄くなり、気づいたら自然と笑えるようになっていた。


 虐められなくなっても、猫は変わらなかった。

 同じように吠えて噛みついて、人の危機を知らせる。

 ただ、今度は猫の気持ちが伝わるようになり、皆急いで、慌てて病院に行くようになった。


 テイルは少しだけ、ミケが笑っているような気がした。




「センセ、猫神様飼わないんですか?」

 病院の医者からそう尋ねられ、テイルは首を傾げた。

「どうしてだ?」

「いえね、猫神様センセに懐いているように見えましたので」

「……そうか?」

 テイルはそう言いながら、猫缶を開けて皿に移していた。

 それをミケは待ち遠しそうにそわそわして足元で待っていた。


「いや、見事に懐いているじゃないですか?」

「そうか? 撫でたこともないしすり寄ってきたこともないぞ」

「野良ネコで、餌を誰からも受け取った事ないんですよ猫神様。しかも誰にも甘えませんし」

「――そうか。お前、餌やったら迷惑になるか?」

 テイルがそう尋ねると、ミケは首を横に振ってにゃあと一鳴きした。


「違うのか。じゃあよかった。いやなら言ってくれよ」

 そのテイルの声にも、にゃあと一鳴きし、医者はそれを見せ目を丸くしていた。

 もしかしてと試した結果わかった事だが、ミケは人の言葉を理解しているらしい。


「ま、この子は野良が丁度良いんだろう。飼うのも悪くないんだがな」

 最近は少しだけ元気が出てきたテイルはそう言ってミケを見つめた。

 それにミケは肯定するように、にゃあと一鳴きする。


 これが三世の最初の後悔。

『無理やりでもここで飼っておけば』

 終わった事をアレコレ考えるのは嫌いだが、それでも思わずにはいられなかった。




 テイル以外で二番目に長くミケと一緒にいるのは最初に救われた少年だった。

 罪悪感と後悔だけでなく、ミケの想いを広める為に少年は出来る限りミケの傍についた。

 そんな時、事件が起きた。


 テイルは二人分の昼食と猫缶を買いにコンビニに移動した。

 そして戻ってきて見たものは、腹から血を流して倒れている少年だった。

「ミケが……ミケが連れ去られ……」

 出血からか痛みからか、意識はとうにないのに少年はそれだけを繰り返しうわごとのように呟いていた。


 少年は救急車で緊急治療室に運ばれ手術をすることとなった。

 と言っても、綺麗に切断されていたからか治療はさほど難しくなく、健康体で体力もあった少年の命に別状はなかった。




「センセ……これを……」

 手術室から出てきた医者はテイルの手に何か布切れを持たせた。

「……これは?」

「たっくん――手術を受けた少年がセンセにこれを。猫神様を連れ去った奴の服のきれっぱしらしいです。あの子、爪が剥がれながらもそれを掴んでいました」

「……俺じゃなくて警察に」

「そうですね。普通ならそうします。だけども、意識がないはずの子がはっきりとセンセに渡せって言ったんですよ。……私にゃそうすることしか出来ませんよ」

「……そうだな。そうだよな……」

 テイルはそう呟いた後、渡された布をそっと見つめた。


 テイルは人よりも優れた武器を持っていた。

 ちょっと悲惨だが高度な社会経験に、その経験による医者を中心としたコネ。

 怪人好きが高じて生まれた偏った知識。

 それ以上の……この時のテイルは最強の武器を手元に用意してあった。

 会社を辞めた時に受け取った慰謝料――つまり金である。

 半年間仕事をせず、ホテル暮らしであっても全く削れなくて持て余すほどの金をテイルは持ち合わせていた。


 空虚感は何時の間にかなくなっていた。

 テイルの精神は半年という期間と猫セラピーにより確かに回復しきっていた。

 だからこそ、テイルはミケの救出に全てをつぎ込んだ。




 医療関係のコネを使って警察を動かし、少年から受け取った証拠を警察に渡した後情報を集め、同時にこの町のヒーローに連絡を取る。

 正義と悪の組織制度には穴が多い。

 特に一般人関連には多くの穴がある事を知っているテイルは、その穴を全力で利用した。

 ヒーローを金でこき使うという全力を――。


 警察とヒーローと金。

 その全ての力を使い、テイルはミケの犯人の居所を特定した。


「それで、雇い主の目的は?」

 敵アジトに突入したヒーロー『ダンザイシャーX』は後ろに付いて歩くテイルにそう尋ねた。

「――最初に行った通りミケの救出だ。どうしてそんな事尋ねた?」

「……権力と金でいう事を聞かされた身だ。何か裏があると思わないわけがないだろう」

「――そうか。そうだよな。すまない。だが俺も必死なだけだ。ミケが救えるならどうでも良い」

「……嘘はない、か。信じよう」

 それだけ言ってダンザイシャーXは黙り込んだ。


 変わった名前に明るい性格のヒーローだと聞いていたが、どうも少々違うらしい。

 むしろテイルには、研ぎ澄まされた刃物のような冷たい鋭さをヒーローから感じていた。


 ヒーローの能力を使う権限も開放してある。

 ここは任せても問題ない。

 そもそも、戦闘能力を持たないテイルが言っても足手まといになるだけである。

 それは理解しているが、それでもテイルは付いて行きたかった。


 これが、テイルの二つ目の後悔。

『付いていかなければただの悲劇で終わったのに』

 今でも、テイルはその時の光景を夢に見る。




 そこにミケはいなかった。

 ヒラキのようになり空っぽとなった猫の体がテーブルの上に投げられていた。

 そして、部屋中央にある不気味なチューブに繋がったガラス管の中に浮遊する小さな脳みそ。

 それとモニターに表示される言葉にならないアルファベットの羅列。

 亡骸と血は流れ続けてそのまま放置された後があり、発覚まで二日かかったからか腐敗した匂いを発していた。

 その横でヒーローとテイルが突入しても全く反応を示さず、一人の男が血走った目でキーボードを打ち続けていた。


 テイルは絶句していた。

 何も言えなかった、何も考えられなかった、何が起きているのか理解出来なかった。


 そこにミケだったものはあるが、ミケはなく、ミケはガラス管の中にいる。

 だけどガラス管の中にあるのはミケではなく、だがミケはそこになく、ではミケはどこにいるのか。


 限界に達したテイルは、その場に吐しゃ物をまき散らした。


「……救世主計画か」

 ヒーローはその辺りに散らばっていた血に染まっている計画書を取り、そう呟いた。

「きゅ……せい……しゅ?」

 息を切らしながらテイルは尋ねる。

「ああ。人の言葉を察し人を救う力を持った猫、それは救世主に違いない。だから救世主の力を解き明かして人類を救う。だとさ。頭の良い人は考える事も殊勝だねぇ。んで雇い主さん。オーダーはあるか? ないなら俺が好きにするが」

「おー……だー……」

 テイルは少しだけ考えた後、首を横に振った。

 何も考えられなかった、考えたくなかった。


「別に、猫を殺して救世主を研究することは俺にとってどうでもいい。だが、己の目的の為に少年を殺そうとした。それは確かな罪である。……って聞いてないか。研究熱心なことで。ま、どうでも良いか。汝を咎人と認定し――断罪する」

 断罪者(ダンザイシャーX)は巨大な剣を横に振り、キーボードを打つ男の首を宙に飛ばした。


 首が離れても数秒はキーボードを動かす指が止まらず、止まった瞬間に大量の出血が降り注ぎ周囲に散乱する。

 そこは控えめに言って、地獄絵図だった。




 事件は終わった。

 町で皆に愛された猫が怪しげなカルトにハマった男に惨殺されるという悲劇は、多くの人の胸に傷を残した。


 そう、事件は終わったのだ……。

 ただし、テイルはそれを認めらたくなかった――認める事が出来なかったのだ。


 テイルの人生最大の後悔、ソレは地獄絵図の中、キーボードでガラス瓶の脳に問いかけた事。

『自分が変わっても、生き延びたいか』

 そう文字を入力すると、モニターに表示されるアルファベットは激しく動き、何かの強い意思を示していた。


「雇い主。本当にするのか?」

 ヒーローは両手に風呂敷を持ったままそう尋ねた。

「ああ。法的には問題あるまい?」

「そりゃ、アレだけ金ばらまきゃに問題ないだろうけどさ……大丈夫か?」

「もちろん。大丈夫だとも。きっと成功する」

 ――俺が尋ねたのはお前が大丈夫かなんだが、まあどうでも良いか。

 明らかに常軌を逸したテイルを見てもヒーローは何も言わず、風呂敷を置いてその場を立ち去った。


 ヒーローが立ち去った後、テイルはヒーローが持って来た風呂敷を広げる。

 中に入っているのは、空っぽになり腐敗した猫の亡骸、それとガラスに入った脳みそである。

「準備は出来た。理論も穴がない。大丈夫。成功するはずだ」

 テイルは一人、手術室でそう呟いた。


『怪人改造計画』

 テイルが長年研究を続けていた計画で、最近になって理論が整ったばかりの為実験すらしていない計画である。

 そもそも、ただの会社員だったテイルにこの実験を行う設備も素材も持っていなかった。

 幸か不幸か……その両方が手元に揃っているが。

 肉体を変質させ生物を概念レベルで成長させるという理論。

 生きた脳と肉体、そして強い生命力があるなら成功率も低くないはず。

 そんな『たられば』があふれる曖昧な理論だが、他に救う術を持たなかった。


 もしかしての希望を込めて医者に何とかならないか尋ねたが、脳が変質化している上に肉体が腐敗していてはどうしようもないと答えらてしまった。


 だからこそ、病院を借り切り、警察からコネで証拠品を取り寄せた。

 テイルは自分の精神状態が悲鳴を上げ、どれだけ狂った状況かも気づかず、最悪の計画を始動させた。




 四十六時間という時間を使い、テイルは実験と呼ぶ方が近い大手術を終えた。

 結果だけ見れば、それは成功と言えるだろう。

 人型の怪人になってしまったが、それでも死ぬ定めを、テイルは確かに覆したのだ。

 テイルはこれを怪人零号ミケと名付け、救えた手ごたえに小さく微笑んだ。


 自分の間違いを、テイルはすぐに思い知る事になった。


 目が覚めたミケに、テイルは尋ねた。

「大丈夫か。記憶はあるか?」

 それにミケは確かに頷いた。

「うん! 猫缶くれてた事も、連れ去られて酷い目にあった事も、目覚めた事も全部わかるよ」

 そう言いながらミケはテイルに顔を擦りつけた。

 その言葉に、テイルは安堵の溜息を吐いた。

 記憶障害の心配をしていたが、そこも問題なくクリアしたと考えたからだ。

 ミケは決して、人に顔を擦りつけるような事をしなかった事を忘れて――。


『怪人改造計画』

 結果:判断不能。

 一、人の危機信号を読み取る力を失った。

 二、完全に記憶を補完しているが、性格は異なる。例:怪人となった後は欠伸をするのが癖のようだ。

 三、ミケは雄だったが、怪人零号は雌である。


 ここまで書いたテイルはそれでも諦めきれず、ミケに問いかけた。

「お前はミケだよな?」

 ミケはそんなテイルに優しく微笑んだ。

「うん。私の前世はミケだね。今はミケって呼ばれてもちょっとピンとこないけどね。だから名前くれたら嬉しい」

 怪人零号の方がテイルよりも自分の状況を、確かに理解していた。


 結論:亡骸と記憶を使い、新しい生命体を作りだす事に成功……。


 テイルは気が狂いそうになった。

 記憶があるだけでコレは完全に別人である。

 テイルのした事は、亡骸と記憶をみだりにいじくり回して新しい生命体を作るという倫理という意味でも命という意味でも禁忌としか言えない、卑劣で最悪な行為を行ってしまったという事に他ならない。

 それよりなにより、生きたいと願ったミケを、ただ弄んでトドメを差したのだ。

 ミケが自分を恨む事も、文句を言う事ももう出来ない。

 自分が、全てを作り変えてしまったからだ。




 もし、この事件がなければテイルは八人の怪人(家族)とも会う事がなかったし、肉体が不自由だった人達を救い戦闘員にすることも出来なかった。

 それでも、テイルはこの日の事を今でも悔やみ、苦しんでいた。


 ネグリジェのまま自分に抱き付き、欠伸をする怪人ファーフにテイルは尋ねた。

「……一体どうしたいんだお前は。憎んでるのか、恨んでるのか。それすらもわからん。俺はお前に優しく出来ない。お前は俺の後悔そのものだ。俺に愛があるなら会わないでくれ。見てないところで幸せになってくれ。恨みがあるならぶつけてくれ。……ファーフ。お前の気持ちが俺にはわからないんだ」

 もはやほとんど泣き言に近いテイルの声に対して、ファーフは微笑みテイルの頭を撫でた。

 大体数か月に一度という割合で部屋に侵入し、こうして肉体を差し出して拒絶され、こうして少しだけお話をする。

 その理由がテイルにはさっぱりわからなかった。

「私の行動には行動もちゃんと理由があるよ。ソレは難しい理由じゃないし、ついでに言えば私は嘘なんて何も言ってない。全部本気。恋愛感情はないけど貴方が好きだし、恨んでないし体を差し出しても良い。全部本当の事だよ」

 そう囁いた後、ファーフはそっとテイルから離れてぴょんと跳び天井裏に移動した。

「じゃ今日は帰るね。次も来るから手を出す覚悟決めても良いんだよ?」

 そうして、言いたい事だけ言ってファーフはテイルの部屋を立ち去った。

 後に残されたテイルは自分の後悔を見つめ直し、小さく座り込んだ。





 アジトから地上に戻り、屋根の上を移動しながらファーフは微笑んだ。

 ファーフがテイルにかかわる理由はシンプルである。

 それが遺言だからである。

 ミケというファーフの前世は非常に賢く、自分が変質し消え去る直前という状況にもかかわらずテイルが今後苦しみ続けると理解した。

 だからこそ、自分の後続であるファーフに遺言を残したのだ。

『自分を責めるな。俺は怨んじゃいない』

 そんな遺言を。

 ただし、これを伝えるのは今ではない、今では意味がないのだ。

 自分を責め続けているテイルには、まだ時間が必要だった。

 そして、ファーフが会いに行かなければそれはそれでテイルは自分を責めるだろう。

 だからこそ、定期的に会いに行きテイルの感情を表に出させ、後悔を受け入れ乗り越えられた時に、ソレを伝えるようファーフはミケから言い含められたのだ。

 人の心はわからないファーフは、ミケの遺言を信じその通りに実行していた。


 そして、ミケはもう一つ、ファーフに遺言を残していた。

 非常に難しく考えているテイルだが、ミケの考えはもっとシンプルで、恨みどころか感謝をしているくらいである。

 ミケが後悔なく逝けた理由は本当に単純で、ファーフという自分の記憶を継いだ存在を残してくれたからだ。

 これはつまり、ミケにとってある側面から見れば子供と言っても良いだろう。

 つまり、去勢された自分の跡継ぎが出来たという事だ。

 ミケの男としてのプライドが刺激され、体があれば小躍りするほどに喜んでいた。

 だが、そうなるともう一つミケは逝く前に未練を持った。

 そう、それは自分の次の子孫の心配である。


 猫じゃなくなったファーフに子孫が残せるか心配だったミケは、もう一つテイルに遺言を伝えるようファーフに頼んだ。

『自分の跡継ぎに番を用意しろ。無理ならお前がタネを撒け』

 この遺言を告げた時、テイルがどう反応するだろうか。

 きっと面白い反応をしてくれるだろう。

 そう思うと、ファーフは自然と口から笑みがこぼれていた。


ありがとうございました。

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