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 レオンたちが血まみれの体で駆けていく。アキラはその場で目をつむる。体から黒い靄が、頭上で丸くなっていく。その姿を見た黒狼は脅威になると思ったのか、アキラの方へ動き出そうとする。その眼前にレオンが飛びあった。


「行かせない!【獣剣一閃・狼爪】!」


レオンは黒狼の首筋をなぞるように剣を奔らせる。黒狼首から血が出るが傷は浅そうだ。黒狼はよろけながら、レオンを睨むと、すぐに体制を立て直し反撃に前足を振り上げる。

その前足に黒いものが巻き付いた。


「大人しくなさい!【シャドウローズ】」


ノアールが黒狼に手をかざしている。その足元の影から、黒いバラが伸び黒狼の振り上げた前足に巻き付いて縛り上げる。バラのとげが腕に刺さり、黒狼は苦しそうに唸り声をあげる。縛り上げられた腕に力を込めて、無理やり引きちぎった。黒狼がノアールのほう向こうと首を振り上げた時視界の端にルーナが映った。ルーナは目をつむり手を上にかざしている。ルーナは目を開けると、手をゆっくりと振り下ろした。


「【十二仕獣結界・大筒】!」


上空から円筒形の結界が降りてきた。結界はズドンという音を立てて黒狼を閉じ込めた。黒狼は壊そうと暴れるが、結界は壊れない。ルーナが印を固く結んで、肩で息をしている。黒狼の鼻がヒクヒクと動く、上の方に気配を感じ上を向くとそこには、ナイフをこちらに構えた真白がいた。ナイフの切っ先には白い炎が灯っている。


「【白炎解放】!」


真白の宣言と同時に、ナイフの切っ先から白い炎が火柱となって、黒狼を吞み込んだ。


「ガァアアアアアアアア」


黒狼の苦しむ声が結界内にこだまする。真白がいた場所に、黒狼のしっぽが伸び貫こうとするがレオンが弾き、ノアールが真白を抱きかかえる。全員がルーナの近くに着地する。結界の中は、黒狼の体が見えないほど白炎が燃え盛っていた。


「まずい!」

「ウガァァァアアア!」


ルーナが、焦った声を出すと同時に、黒狼が吠えた。結界が割れ、白炎が霧散していく。黒狼がルーナたちを視界に捉らえる。口を大きく開け、緑色の光が集まっていく。


「全員私の後ろへ!【二獣金剛結界】!」


二枚の神々しい壁が二枚立ち並ぶ。


「手伝うわ!【シャドウローズ】!」


ノアールの足元から黒いバラが伸びていき、壁に巻き付いた。黒狼が攻撃を放とうとした瞬間首がわずかに動く。その先には、黒喰を準備しているアキラがいる。


「まずい!」


レオンがとっさにアキラのほうへ走り出そうとするが、それは黒狼の放ったまばゆい光に阻まれた。


「「「「アキラ!」」」」


光が消えた先には、アキラの影形もなかった。


「おにいちゃん!」


一人を除いて全員が絶望を感じたが、真白だけが上を見て笑っている。つられて上を見るとそこには、背後に巨大な黒喰を伴うアキラがいた。


「間に合った」


黒狼は上を見上げアキラに向かって再度光線を放とうと、口を大きく開ける。


「行け!黒喰ィィィイイイイ!」


アキラの叫びに応えるように、黒喰はまっすぐ黒狼へ向かい、その大きな口を開け黒狼を呑み込んだ。


「よし!」


レオンから思わず喜びの声が漏れる。しかし、突如黒喰が霧散した。


「お兄ちゃん!!!」


真白が叫ぶ。レオンがアキラを見ると、黒狼のしっぽに貫かれたアキラがいた。よく見ると黒狼のしっぽは地面から伸びている。地中を掘ってアキラの背後まで伸ばしたのだ。黒狼のしっぽは針のように尖っておりそこからアキラの血がしたたり落ちている。黒狼がしっぽを乱暴に振り、アキラはしっぽから抜け落ちて人形のように地面にたたきつけられる。真白が駆け寄りその体を抱き寄せる。


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」


何度も呼びかけるが、アキラから反応がない。そして、この光景に見覚えがあることを思い出した。いつぞやの夢。女の子が泣いている夢。その夢で泣いていたのは、自分だったのだと気づいた。呆然とする真白に黒狼がとびかかる。真白の視界が真っ白に染まった。


最後まで読んでくださりありがとうございます!!

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