変化
ゾラの様子が明らかにおかしくなってから、レオンとルーナはある可能性に行きあたっていた。
「これはまさか……精神干渉?」
「しかし、そんな痕跡は……」
ルーナのつぶやきにレオンも首を縦に振りたいが、ゾラに干渉を受けた痕跡がまるで見えない。いまだのたうち回るゾラに、先頭についていけず見ている今年じゃできなかったジャクが近づいていく。
「父上の仇」
そういいながら剣を振り下ろす。
「兄さん!」
ルーナがとっさに結界でゾラを守る。ジャクの振り下ろした剣が虚しくキンッと音を立てる。
「ゾラさんは精神干渉されている可能性があります!」
「だからなんだ!こいつのせいで民は!こいつのせいで父は死んだんだ!」
「兄さんだって、ゾラさんがどれだけ国のために尽くしてきたか知ってるでしょう!」
「あぁ!知っているさ!この男がこの国をどれだけ愛していたか!」
かつて父の隣で国を見渡すゾラの顔がジャクの脳裏に蘇る。少年時代のジャクには、我が子を見るかのような慈しみの表情が印象的だった。この人は本当に国を愛しているんだと思った。
「こんなことするはずない!何かの間違いであってくれ!そう願っていたさ!でも……でも父を斬っ
たのは紛れもなくゾラなんだ……」
ジャクの手から剣が滑り落ち、カランと音を立て床に力なく横たわった。
「私は……どうすれば……」
涙がこぼれる顔を手で覆い隠す。ルーナがそんなジャク寄り添うように支えた。
「ジャ……ク殿下、ルーナ……姫、レオン……そこに……いるか?」
先ほどまでのたうち回っていたゾラが、息も絶え絶えに話しかける。
「ゾラさん!」
「申し訳ない……ことをしました」
「何があったんですか?」
ルーナが結界を解くと、レオンがゾラに駆け寄る。
「時間が……ない……要点だけ伝えます。殿下……姫……獣人の誇りを奪われました」
「獣人の誇り?何を言っている!」
ジャクがゾラの言っていることがわからず、問い詰めようとする。同時にゾラの口から勢いよく血を
吐きだした。
「なんだこれは」
レオンはゾラが吐き出した血を見て絶句する。
「緑色の血?」
「殿下たち……私から離れて」
ゾラが消え入りそうな声で進言する。
「レオン……頼む……終わらせてくれ」
そういうと同時にゾラは再度苦しみだし、その体が膨れ上がってく。とっさに距離を取った三人が見たものは、見上げるほど巨大な新緑の色をした狼だった。
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