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違和感

 先に動いたのはアキラだった。無明を抜いて、ウルスに向かっていく。アキラの攻撃を受けつつ反撃に出ようとしたとき、不意にアキラの姿勢が低くなる。アキラの頭があった場所を、大鎌が振るわれた。ウルスがそれをよけようと上体を後ろに反らす。上から影が差したため、目だけで確かめると、真白がナイフを構え落下してきていた。ひねりながらかわして、切り上げようとしたアキラの刀を蹴り、その力を使い跳んで距離をとる。すかさず三人が追いかけ、猛攻を仕掛ける。しかし、攻撃はなかなか当たらず、反撃が飛んでくる。アキラ達は息の合った連携で互いにかばいあいながら戦う。


「3対1でやっと互角か化け物かよ」


アキラは愚痴をこぼしながら果敢に切りに行く。



 アキラたちの戦闘と並行し、レオンたちもまた、ゾラと戦っていた。レオンの鋭い剣閃を潜り抜け、針の穴を通すような正確さで、急所に迫りくる。その切っ先をルーナがピンポイントにサイコロほどの結界を作り出し、レオンに到達する前に止める。


「さすがは姫様。結界術の制度が上がっておりますね」

「私も大きくなりましたから」

「娘も生きていれば……」


ゾラが遠くを見る。その隙を逃さず、レオンが彼の腕を切った。すぐに気づいたゾラはよけようとしたが、間に合わず腕がわずかに切れる。


『切り落とす気だったんだがな』


レオンは内心で完全に油断していたゾラにすら、決定打を与えられなかったことを悔やむ。


「娘?……ミリーのことですか?」

「そうだ、あの忌まわしい事件がなければ、あの子は今頃」

「事件?」


ルーナが疑問を口にした瞬間、ゾラの殺気が膨れ上がった。


「忘れたとは言わせない!あの事件のことも!お前ら王族が下した審判も!」


そこでレオンは眉をしかめた。ルーナも同様のようだ。


「人族にさらわれた我が妻が!娘が!物言わぬ骸になって帰ってきたあの日!お前ら王族は条約を理

由に!あのクズ共を裁くことなく!強制送還した!」

「何を……言ってるの?ゾラ」


ルーナの発言を聞いたゾラが怒りの形相で、ルーナに迫る。その速さに反応できていないルーナは思わず目を閉じる。しかし、ゾラの剣は、レオンによって止められた。競り合いながらレオンは目の前のゾラに声を張り上げる。


「ゾラさん!何を言ってるんだ!」

「レオン!貴様まで!」

「あなたの妻と娘……メリッサさんとミリーさんは!」


ギリギリと金属がすりあう音が鳴り、互いの気迫がぶつかり合う中、レオンがさらに声を張り上げる。


「森で魔獣に襲われて亡くなった!ともにその魔獣を討伐したじゃないか!二人の遺体を共に弔ったじゃないか!一体何を言ってるんだ!」


レオンの叫びを聞いた、ゾラが一瞬呆ける。


「何を」


ゾラの剣から力が抜けるのがわかる。レオンはすかさず、ゾラの腕を切り飛ばした。


「がぁ!」


苦痛に声をあげながらも、ゾラは素早い動きで距離をとる。


「ばかな、そんなはず。メリッサとミリーは確かに人間に……スマトリプタンの人間に……あああああああああああああああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああああああ!」


ぶつぶつ呟き、頭に、魔獣をレオンとともに狩る自分の姿が浮かんだ瞬間、頭を抱え苦しみだした。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

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