真白のつよさ
再度ノアールが鎌を振り下ろし、結界に裂けめを作ると全員で飛び込んだ。脱出した先は何も変わらない廊下だが、真白が近くの壁にナイフを突き立てる。キンという音と共に、黒装束が姿を見せる。同時に複数の黒装束が降ってきた。その中にカロナールで襲ってきた獣人がいた。
「まさか、やぶられるとはなぁ」
髭を撫でながら言う獣人に、フォグが問いかける。
「ダンゾウ様!なぜ!」
「フォグか……獣人の誇りのためだ」
「こんなことのどこに誇りがあるというのですか!何人死んだと……」
「誇りを取り戻すには、犠牲を払わねばならわない時があるのだ」
「納得できません!」
「納得する必要などない」
「そうね」
フォグとダンゾウのやり取りに割って入ると同時に、ダンゾウに向かって鎌を振り下ろす。
「邪魔をしないで!今」
「それはこっちのセリフ。どんな関係か知らないけど、戦えないなら消えてくれる?おじいちゃんもさっさとかかってきなさい?あなた達の話に興味ないの」
そう言って鎌を構える。
「良いのか?俺の方に来て?あの嬢ちゃん危ないんじゃないのかい?」
そう言って、真白の方に顎をやる。しかし、ノアールは意にも介さず。ダンゾウに襲い掛かった。ダンゾウは頭に振られた鎌を短刀で受け止める。
「大丈夫よ」
ダンゾウが鎌をはじき飛ばすと、二人は距離を取る。
真白は、他の隠密に囲まれ、乱戦に巻き込まれていた。周りで金属音が散発する中、真白の前に三人の黒装束が迫る。真白はナイフを構え、冷静に受け流し、一人の脳天に踵お年をみまう。ゴキィという鈍い音と共に動かなくなる。
「いくよ!」
真白が駆け出し、相手の短刀を避けて鳩尾に肘を突き立てる。あばらの砕ける音が聞こえる。ぴくぴくと痙攣して動かなくなった駅に目もくれず、次の敵へと向かい、敵の突き出した腕の上に乗る。重力に任せて相手の喉をかき切った。返り血が真白の髪を汚す。
「ヒィ!」
敵どころか、一緒に戦っていた仲間にも恐怖が伝染する。そんな中、敵の投げたクナイが真白の足に刺さる。真白は何の気にもせずクナイを抜くと、投げ返し敵を倒した。
「化け物め!」
そう言って切りかかる敵の腕を取り背負い投げの要領で地面に叩きつける。
「化け物なんかじゃないよ真白は真白だよ!」
真白は、悪魔の子と呼ばれ迫害を受けていた経緯から、ある特殊な能力が身についていた。それは、痛覚を自由に遮断できる事。これに気づいた、アキラ達は真白を思わず抱きしめたが真白はそれが普通だと思っていたので、何故こんなに心配そうにするのか分からなかった。
「さて、もっと倒して役に立つぞ!」
そう言って真白は次の目標に向かって走り出す。黒装束たちは、一見華奢な少女にしか見えない子供が、狂気に満ちた悪魔のように見えた。
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