招集
レオンたちがお王都に偵察に向かった。残ったアキラは切り株に腰かけ、激しく貧乏ゆすりをし、落ち着かない様子だ。それを見たソフィエルはクスッと笑う。ソフィエルに笑われたアキラは我に返り、すぐに貧乏ゆすりを止め何事もなかったかのように姿勢を直す。
「心配ですか?」
「それは……もちろん」
「大丈夫ですよ。レオンさんもついていますし、ノアールさんも強いじゃないですか」
「それはそうですが、真白と離れて行動するのは初めてで」
アキラの膝がまた震えはじめる。
「あら?カロナールでは別行動だったのでは?」
「あれは……ノアールに都度真白の状態を聴いていたし、安全なところにいてもらっていたんです」
「羨ましい」
アキラの様子を見てソフィエルはボソッと呟いた。
「え?」
「あ!いえ……」
聞こえていないと思っていたのか、アキラが自分の呟きに反応したことに驚きながら、恥ずかしさに赤面する。
「アキラさんと真白さんが本当に兄妹みたいで羨ましいなって思ったんです」
「ソフィエル様はご兄弟いないんですか?」
「いました。もういませんが」
言葉の意味に気づいたアキラは頭を下げる。
「すみません」
「良いんです。あまりいい兄ではありませんでしたから。粗暴で、帝国内で度々問題を起こしていました。最期は裏社会の抗争に巻き込まれて死にました」
「そうなんですか」
「私もあまりいい思い出はありません。なので、あなた達を見ていると羨ましいんです。私と兄も、やり直せば仲良くなれていたのかなぁと」
少し気まずい空気が流れる二人のもとに、一羽の鷹のような鳥が飛んできた。
「【メッセージホーク】?なぜ?」
鷹はソフィエルの肩に止まる。ソフィエルは驚きながらも、足に括りつけられている手紙と小さな魔石を取る。手紙を開く、アキラものぞき込むが、暗号化されていたため読むことが出来ない。
「何て書いてあるんです?」
アキラが訊ねると、ソフィエルは首を傾げる。
「それが、【緊急事態 早急にカロナールへ帰還されたし】としか」
「カロナールで何か起こったのか、なら帰らないと」
「しかし……」
「こっちは大丈夫だから早く」
アキラの説得にソフィエルは小さく頷き、魔石を上に掲げる。魔石が光りソフィエルを包むと消え
た。
「転移の魔石か」
地面に落ちた透明な魔石を拾い上げる。それを見ながら懐かしそうに微笑む。その脳裏には、魔石について熱心に語る金髪の少女の姿が思い浮かんでいた。
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