レジスタンス
アキラたちは村を後にし、レジスタンスたちがいるレダンカへと向かっていた。
「レジスタンスか。ついこの間までレジスタンスだった奴らが今の政権なのに、こんなに早くレジスタンスが結成されるとは滑稽だな」
アキラがつぶやくと、ノアールも同意するように頷く。
「まぁ、こんなあからさまな差別政治じゃ当たり前だと思うけどね」
ノアールはあきれたように口にする中、前を歩くレオンたちから楽しそうな笑い声が聞こえる。
「すごーい!高―い!」
レオンに肩車された真白が、無邪気に周りを見回す。そんな真白を上に乗せながらレオンも笑っている。
「落ちないように気を付けるんだぞ」
「はーい」
素直に返事する真白に笑みを深める。向かう先には暗雲が立ち込め嵐の前のように風が止んだ。
厚い雲が空を覆い、昼間だというのにモノクロ写真のような暗さだ。以前は活気に満ちていたこの広場も、獣人の兵士が常に見回っている息の詰まりそうだ。一人の獣人が紙袋いっぱいの食材を抱えて、兵士の横を通り過ぎる。顔は熊の獣寄りの獣人だ。兵士は特に気にも留めず熊獣人を見逃した。熊獣人は路地に入り、一件のバーに入る。熊獣人はカウンターで制服に身を包んだ虎の獣人に話しかける。
「マスター、また兵士の数増えてないか」
「王がこの街に、さらに派兵したらしいよ」
「何でまた……」
「レジスタンスがこの街に潜伏してるらしい」
「レジスタンス!それは本当か!」
「どうも本当らしいよ。少し前までは人寄りを他国に逃がしていたらしいが、今はゾラ王の討伐に動いてるって噂だ」
「そうか、その革命が成功するのを願うとしよう。息苦しくてかなわないよ。あ、これ頼まれてた店で使う食材だ」
「ありがとう」
男は食材の入った紙袋を、マスターに手渡して店を後にした。虎の獣人は、紙袋をバックヤードへと運ぶ。そこには、人寄りの獣人の男がソファーに座っている。その男の前には地図が広げられている。
「ジャク様、ここももう危ないかと思います」
「兵が増えたか」
「ハイ」
「分かった。ここの住人も十分逃がすことが出来ただろう。移動しよう」
「次はどちらへ」
「王都ティープルへ」
青年の言葉に虎獣人が目を丸くする。
「レジスタンスの仲間も十分集まった。奴らの好きにはもうさせない!」
青年は拳をテーブルに叩きつける。
「ゾラ、父の仇は取らせてもらうぞ!」
青年の目は憎悪に燃えていた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!




