王宮の朝
アキラが王と語り明かし、ジキロにより部屋に運ばれてから二時間経ったころアキラは目を覚ました。
「ここはどこ?私は誰?」
「ここはスマトリプタン王城の客室であなたは山本光様ですよ?」
目が覚めたアキラがそんなことを言っているとすぐ横で声が聞こえそちらに視線を向けると黒髪ロングのメイドがいた。誰もいないと思っていたアキラは恥ずかしさで赤くなった顔を手で覆う。その様子を見たメイドが焦った様子でアキラに声をかける。
「どうかされましたか!?体調が悪いのであればすぐに薬師をお呼びしますが!?」
「いえ、大丈夫です。ちょっと恥ずかしくて死にたくなっただけなので」
アキラはメイドを手で制し、大丈夫だと伝える。
「なんともないならよかったです!」
「それより、あなたは?」
「私は、メイドのメリロと申します。本日からアキラ様の身の回りのお世話をさせて頂きます。」
「お世話?」
「はい!賓客であるアキラ様のお世話です。」
アキラは首をかしげながら昨日の王との夜を思い出す。
『そういえば、賓客として扱うって言ってたなぁ』
「わかりました、今日からお願いいたします。」
「かしこまりました。まずは何をしましょうか。」
アキラは顎に手をやりしばらく考えた後にこの王城の構造を知るべきだと思った。
「じゃあ、城の中を可能な限りで良いので案内していただいてもいいですか。」
「わかりました!」
元気のいい声でメリルが返事をした後、少し準備をし、二人で部屋を出た。
王城の廊下を歩いているとアリサが数人のメイドと一緒に向かいから歩いてきた。
「こんにちは、アキラ」
「こんにちは、アリサ様」
「なにをやってるんですか?」
「メリロさんに王城内を案内してもらっています」
後ろのメイドたちにも会釈しながら、アキラは答える。
「なら私が案内しましょう!」
まるでいいこと思いついたとでも言わんばかりに光の手を握る。明らかに案内する以外の事もしそうな顔だが、どうしたものかとメイドたちを見ると首を横振っていた。どうやらこの状態のアリサには、なにを言っても無駄らしい。
メリロは仕事に戻り、アリサと城内を探索することになった。
「アキラは、どちらに行きたいですか?」
「任せますよ」
「じゃあ、図書館に行きましょう!」
「図書館?王城に図書館があるんですか?」
「ありますよ!王宮図書館と言って、かなりの蔵書数があるんです。物語から歴史書まで幅広くあるんです!」
『図書館か・・・本読むのは苦手だけど、この世界の情報は多いに越したことはないな』
「それは、面白そうですね」
「こっちですよ!」
アキラは勢いよく手を引かれながら図書館への廊下を歩いていった。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
次の投稿は一週間後を予定してます!