朝が来るまで
色々立て込んでしまい、遅くなってしまい申し訳ございません。
アキラはたき火に照らされ輝く、ソフィエルの翡翠の髪を見る。
『緑の髪って、この世界ならではだよなぁ。あの艶ってことはやっぱり地毛なのか』
アキラの視線に気づいたソフィエルが眉を寄せる。
「どうかしましたか?」
ぎこちない笑顔を向けてくるるソフィエルに、慌てて視線を手を前に出して首を振る。
「あ、いや失礼しました。俺のいた世界にはソフィエル様みたいな緑の髪っていなかったものですから」
「あら?そうなの?」
「俺の国では字ほとんど黒でしたよ、外国では金髪とかいましたけど。緑ってのは聞いたことないですね」
「カロナールでは私とお母さまだけですけど、ここよりさらに西方にあるティクリア島国では一般的だそうですよ」
「母さまですか?帝城でお見掛けしませんでしたね」
帝城を攻撃したとき、見かけなかったがあの皇帝の奥様と聞いて勝手に筋骨隆々な女性を思い描く。
「普通、侵攻してきた敵の前に飛び出す皇族なんていませんよ。あれはお父様だからです。それにお母さまは帝城にはいません」
「それもそうですよね。帝城にいない?なぜか聞いても大丈夫ですか?」
アキラが訊くとソフィエルは少し顔を曇らせ、膝で握っている手に力がこもる。その様子に地雷を踏んだと思ったアキラはすぐに話を変える。
「失礼しました。国の重要人物の居場所なんて教えられるわけないですよね」
「あ、いえ、そういうわけでは……」
「それより、ルーナ様もそうですけど、ソフィエル様も自ら火の番をするなんて、この世界の姫は変わってますね」
変な空気になる前にアキラは強引に話を変える。ソフィエルはまだ顔を曇らせているがアキラはしゃべり続ける、
「ルーナさんは自分で料理も動物捌くのもやっちゃうし、アリサは部屋中魔道具だらけだったし、この世界の姫って変わってますよね。ソフィエル様もルーナさんと同じようにそういう教育を受けてるんですか?」
「戦闘訓練は積んでいます。野営は初めてですけど、一回やってみたかったんですよ」
話題の変更に成功し、アキラは内心ガッツポーズを決める。
「アリサは呼び捨てなんですね」
ソフィエルは自分の追う国の姫を、名前で呼び捨てにすることに違和感を感じた。
「向こうにいる間に仲良くなりましたから」
「でも、彼女は……」
なんでもないように答えるアキラに思わず声に出そうとした言葉をすんでのところで呑みこんだ。アキラはその続き察して、にこやかに微笑む。
「今は精神支配を受けて、敵対してしまってますけど結界を壊せばまた元に戻れますよ」
「しかしあなたは、もう二度も死にかけてるではありませんか。それでももとに戻れると?」
「戻れますよ」
言い切るアキラにソフィエルは何故かは聞けなかった。そのかわりにアリサの名前が出たことで少し
心配していることを訊いた。
「そういえば、アリサに銃の事とか話しましたか?」
「話しましたよ?」
アキラはなぜそんなことを訊くのかと首を傾げる。
「いえ、あのアリサの事ですから、もしかしたら、アキラさんの話を聴いて作ってしまったのではと」
「あぁ、そういう事ですか。いや、作っては無かったと思いますけど」
アキラが顎に手をやり、スマトリプタンにいた時の事を思い返す。そこで一つ思い出した。
『そういや、銃の話してからしばらくたって炸裂音響いてたな。魔法の練習を誰か視点のかと思ってたけど、あれ銃声に似てた気が……まさかな』
「どうかしました?」
「いえ、なんでもないです。いくらアリサでも、オレの話から銃を作るなんて無理ですよ」
「そうですね。私の考えすぎですね」
アキラは口では否定しながらも胸に何かが引っかかる。それを表情には出さず、ソフィエルと他愛もない話をする。空は黒から白変わり始めていた。
スマトリプタン王城の一室。アサヒが差し込み、アリサの黄金色の髪は日輪を反射して光る。顔に日差しが当たり、むくりと起き上がる。大方姫の私室とは思えない、乱雑に積み上げられた書物の海を抜け、鏡台へ向かい身なりを整える。胸元のネックレスを揺らしながら、今度は机へと向かう。机の上には、様々な工具があり、その中央には黒光りするリボルバーが二丁置かれていた。
「やっと完成しました。アキラの世界の武器」
アリサは、リボルバーを一丁手に取り構えて、壁に掛けてある的に向かって引き金を引いた。
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