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王都到着

【慈愛の平原】から馬車に揺られること一時間。やっと王都に到着した。馬車に不慣れなアキラは痛む尻と馬車酔いで、グロッキー状態だった。酔いを醒ますために許可をもらい、窓を開けて街並みを眺める。レンガ造りの家が立ち並び、多くの人が行きかっている。花屋に時計屋、レストランが立ち並ぶ中、まだ日が高いにも関わらず、飲み屋と思われる店で酒を飲む人たちもいた。人が行きかい活気がある。みんな王家の馬車に気づくとお辞儀をしている。中には「アリサ様!おかえりなさい!」と手を振っている人もいる。

      

「すごく、賑やかですね。ウプ・・・・・・それに、アリサ姫は人気者のようですウプッ・・・・・・ね」


アキラが口を手で抑えながら言う。


「そうですね、町はいつも賑わっています。国民の皆さんも良い人ばかりです。あの・・・それより大丈夫ですか?」

「そうだぞアキラ殿、無理せず遠くを眺めておれ」


アリサは、アキラの言葉に答えながらも、顔の青いアキラを心配する。この一時間の馬車での旅でだいぶ距離の縮まったゲルニカも、心配そうな声をかける。どうやら、娘さんの事を親身に聴いたのが幸いしたよう

だ。


「すみません。ありがとウプッ・・・・・・ございます」


言葉と同時にこみ上げてくる、キラキラの素を胃に押しやりながら、遠くを見ようと馬車が進む方向に目をやった。すると頑強そうな城壁に囲まれた、白い城が太陽に照らされ淡く輝いていた。『すげー』と思わず口

を開けていた。


「あれがスマトリプタン王城です」


アリサがアキラの見ている物に気づいて、教えてくれた。王城にふさわしい荘厳な建物だった。

馬車が城門に近づくと、中から兵士が出てきて敬礼する。まずアキラを見て訝しむが、ゲルニカが衛兵と話しをつけ、城の中に招かれる。アリサとゲルニカは行くところがあるそうで、衛兵にアキラを託し、「また会いましょう」と言って去っていった。アキラは衛兵についていくと、ひと際広い部屋に通された。ここで待てと言われたアキラは、辺りを見渡してみる。アキラの正面には精巧な金細工があつらえてある玉座があり、天井には荘厳なステンドガラスがあった。アキラは『高そうなものばっかだ』と思いながら見回していると、勢いよくドアが開き、王冠をかぶった人の良さそうな顔の男性が現われた。男性はアキラを見つけると、一気にアキラに駆け寄り、握手をした。


「君がアキラ君かい?聞いたよ、異世界から来たんだって?そっちの世界では魔法が無いというのは本当かい?ほかにも【車】とか【電車】というもので移動するそうじゃないか。私にも異世界の話を詳しく教えてくれ!」


手を握ったまま話し続ける男性に、どうしたもんかとアキラが悩んでいると、開けっ放しのドアから執事と思しき初老の男性とアリサが入ってきた。


「お父様、おやめください、アキラが困っています」

「ん?すまんすまん。ついな」


娘の声を聞いて我に返った男性は、アキラの手を離し、アキラを見る。


「私はアリサの父、オリクス・スマトリプタン。この国の王をしている」


アキラは口を開けたまま男性を見つめる。遠くで執事の男性の咳払いが聞こえた。正気に戻り、口を開く。


「山本光です。光と書いてアキラと読みます。日本・・・・・・異世界では学生をしていました」


言い終わりひざまずこうとすると、オリクス王がそれを止める。


「無理にひざまずかずとも良い、そちらでは文化が違うのだろう?」


そう言いながら、手を差し出す。アキラはその手を見ながら恐る恐る手を取ると、ガシッと掴まれた。


「これからよろしく頼むぞ」


王から言われアキラは『これから?』と思いながらも、引きつった笑みを浮かべる。王の後ろを見ると手を合わせ、申し訳なさそうな顔をしているアリサがいた。


最後まで読んで頂きありがとうございます!

次回投稿が遅れると思います。申し訳ありません

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