ちょっとおかしい奴隷商
更新再会しました!
アキラは、男と獣人たちを入れるが、依然として警戒している。しかし、目の前の光景を見ていると警戒するのも馬鹿らしくなってきていた。
「いきなり、押しかけるとか、馬鹿なんですかご主人様」
「そうだぜ、大将ただでさえ大将は怖い顔してるんだから。あちらさんすっかり怯えちゃってるじゃねえですか」
「マスターはばかだなぁ」
「ねー」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
四人の奴隷と思しき獣人の少年少女から攻められ土下座して謝っている。一つ不思議なのは奴隷の一人である獣人族の女性がクリンジャ―をゲシゲシと足蹴にしている事だった。
「そろそろいいか?俺はアキラ、山本アキラだ」
バカバカしくなったアキラが刀を納め後ろに真白を引っ付けたままドイトエフ達に近寄る。
「あ、すみません私、この馬鹿ご主人の奴隷筆頭を務めております猫の獣人でリンと申します」
丁寧な言葉遣いでお辞儀してくれた女性には猫耳を猫しっぽがついていた。腰には双剣を携えたくさんの薬品のびんのっようなもの腰ひもに括りつけられている。すると他の獣人もこちらにやってくる。
「俺は、大将の護衛やってる奴隷のクマ獣人で、パスカル言います」
ハスキーボイスなクマの獣人は完全にクマだった。クマが両足立ちで服を着ている姿はアキラにはとてもシュールに映った。巨体の背中にはこれまた大きな斧が背われていた。
「私はリリス」
「私はリリ」
瓜二つ獣人の少女たちにはリスの耳と尻尾が生えていた。この二人は杖を持っているので魔法を使うのだろう。最後に、やっと正座から解放されたドイトエフが生まれたての小鹿の如く立ち上がる。それでも顔はキリっと決めアキラに手を差し出す。
「『スレイブキーパー』って言う奴隷商をやってる、ドイトエフ・クリンジャ―だ」
アキラはその手を握りながら真白を前に出す。真白は少しもじもじしながら自己紹介をする。
「や・・・・・・山本真白です」
「おう、宜しくな」
そう言ってドイトエフが真白に目線を合わせるようにしゃがむと真白は体をビクッと震わせアキラの後ろに隠れる。
『グレックさんたちは大丈夫だったんだがなぁ』
そう思っていると、また、ドイトエフが奴隷たちにしばかれていた。
「そこのお嬢ちゃんは?」
ドイトエフがしばかれながら、ノアールの尋ねる。
「私はノアール」
「ノアール、宜しくな。いやー闇精霊なんて久しぶりに見たぜ」
その言葉を聞いたノアールが、瞬時に鎌を出しドイトエフに振り下ろすが、凛がノアールとドイトエフの間に体を滑り込ませいつの間にか抜いていた双剣で受け止める。他の獣人たちも臨戦態勢になっている中、ドイトエフが手を振って警戒を解かせる。アキラもノアールに鎌をしまうように言いドイトエフに向き直る。
「こっちの連れがすまない。世間一般に闇精霊は外聞が悪いらしくてな連れてるとなると色々トラブルが起こるから神経質になってるんだ」
「いや、いいさこっちも少し不用意だった。まさかこんなところで精霊を見れると思っていなかったからな、つい」
「何で分かったの」
ノアールがぶっきらぼうに訊くとドイトエフは笑いながら答えた。
「俺の目は少し特殊でな、見た奴の種族が分かるんだ」
「魔眼もちだったのね」
「すまないすまない。それより、ここ使わせてもらっていいか?」
「別に構わないさ、俺達も勝手に使ってるくちだ」
「じゃあ遠慮なく、リン、お前ら荷物下ろして楽にしていいぞ」
そう言うとリンたちは荷物を下ろし腕をぐるぐる回したりと疲れた体をいたわっている。真白が目をキラキラさせながらにパスカルを見ている。それに気づいたドイトエフは
「嬢ちゃん、パスカルが気になるかい?」
「えっと・・・・・・うん」
「パスカル!さわらせてやれ」
「自分なんかでよければ、どうぞ」
真白は恐る恐るパスカルに近づきその毛並みに触れる。手を包むモフモフな感覚に目を見開き気に入ったのか何回もぷにぷにと触る。
「パスカルさんはねーここが一番きもちーんだよ」
「ねー」
真白の後ろからリリスとリリがやってきて真白をパスカルのモフモフポイントへと誘う。パスカルも慣れているのかなすがままになっている。
『いいなぁ、俺もモフモフしてみたい』
そんなことを思いながら、ふとノアールの方に目を向けると羨ましそうに真白を見ていた。
『お前もか』
思わず吹き出しながら微笑んでいると真白が二人の所に戻ってきた。
「お兄ちゃん!お姉ちゃん!すごいんだよ!パスカルさんすっごいモフモフなの!」
ぴょんぴょん跳ねながら興奮気味に報告してくる真白に二人とも頭を撫でる。
「ちゃんとパスカルさんにお礼言ったか?」
アキラが言うとハッと気づいた顔をしてパスカルの下へお礼を言いに行く。ノアールもついて行き触らせてもらっている。
「なんか、すみません」
「良いっていいって、パスカルは子供に大人気だからな、それよりお前らはなんでここに?」
「俺たちは、雨にやられて、王都に向かうとこだったんだけどな」
「そうか、この雨なら明日には上がるしあの川は水はけが良いから明日の午後くらいには通れるようになるんじゃないか?」
「そうなのか、ありがたいな、あんたらはこれからどこに?」
「俺らはこれから商品になる奴隷を取りに別の街に行くのさ、でもこの雨の中進むのは危険でなぁだからここで雨宿りしようってことになったのさ」
「へー」
アキラとドイトエフが互いに情報交換していると、真白がやってきて聞いた。
「ドイトエフのおじちゃん」
「おう?なんだ?」
「ドレイって何?」
「なんだ嬢ちゃん奴隷に興味あるのか?」
「真白おまえ・・・・・・」
アキラが真白の口をふさぎながら抱き寄せる。
「アハハハ、良いぜ教えてやるよ」
「ほんと!」
ドイトエフは快活にこの世界の奴隷について話し始めた。外は雨が弱まりつつあり、屋根を打つ音も小さくなっていった。
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