再会の報せ
ポリューションタートルを討伐し、アキラたちは冒険者ギルドの医務室の前にいた。真白はすっかり泣き止み祈るように手を組む。【銀の剣】のパーティーもそわそわしている。すると、医務室の扉が開き中から白衣の男性が出てくる。
「特効薬を打ちました。もう大丈夫です。あと2、3日は安静にしてれば冒険に戻れます」
薬師の男性の言葉にみんな抱き合って喜んだ。『グレックさん愛されてるなぁ』そんなことを思いながらその光景を眺める。
「お兄ちゃん、おじちゃん助かったって」
「あぁ、良かったな」
ほっとして、涙を目の端にためながら真白はアキラに言った。すると、【銀の剣】のメンバーが真白に頭を下げる。
「ありがとう、真白ちゃんのおかげで助かったわ」
「「「ありがとう」」」
女性を筆頭にみんなが頭を下げる。真白は感謝され慣れていないせいで困惑してアキラを見る。アキラは真白に笑いかける。
「ど、どういたしまして」
真白は顔を赤くして照れながら小さく言った。【銀の剣】のメンバーはアキラにも礼を言うと医務室に入っていった。アキラたちも中に入り、グレックが安らかに眠っているのを見た後、宿へと戻っていった。
3日後
今日の分の狩りが終わり、真白とアキラは店に素材を売り込みに行く。3日目にして、結構な額が溜まった。ポリューションタートルの甲羅のあまりが結構な値段で売れたため、当初の予定よりも早くにカロナール帝国に入れそうであった。たまたま冒険者ギルドの前を通ると声を掛けられた。
「おう!アキラに真白ちゃん!世話になったみたいだな」
「グレックさん」
「おじちゃん!」
そこにいたのは【銀の剣】だった。真白はグレックに抱き着く。グレックはその厳つい顔をだらしなく崩して真白を勢いよく持ち上げて肩車する。
「もういいんですか?」
「あぁ、おかげさまでな。助かったよ、1週間毒が抜けるまで、あの苦痛に耐えるのは骨が折れる」
「良かったですよ」
「よかったー」
「そうだ、これやるよ、せめてものお礼だ」
そう言ってグレックがくれたのは、試験管のような容器の中に、緑色の液体が入ったものだった。
「ハイポーションじゃないですか、良いんですかこんな高価なもの」
それは一般的に傷や体力を回復するモノであり、その中でも効果が高いため高価なものだった。
「良いんだ、ホントならもっと色々渡したいところなんだが、今持ち合わせが無いんだ、悪いな」
そのあと、他の【銀の剣】のメンバーからお礼と共に、ナイフやら、お金を渡された【銀の剣】と別れた後、宿に戻ると宿の女将から声を掛けられた。
「聞いたかい、なんでも明日この町にアリサ王女がくるみたいよ?」
アキラは、持っていた無明を思わす落とし、それを拾う事もなく、驚きに目を剥いた。
「何でですか?」
「なんでも、湖の浄化に来て下さるんだと」
「そ、それは、素晴らしいですね・・・・・・」
そう言うと、アキラは足早に部屋に戻った。
「ノアール」
アキラが呼ぶと真白の影からノアールが出てくる。
「言いたいことは分かるわ」
「あぁ、真白、明日この町を出るぞ」
「明日?」
「あぁ、明日この国の俺を捕まえようとしている奴らがこの町に来ちゃうんだ。目的は湖の浄化らしいん
だけど、鉢合わせになると厄介だからな」
ここまで言うと真白は少し悲しそうに笑って返事する。
「うん!分かった!」
「ごめんな、綺麗な湖見せるって約束したのに、それにせっかく冒険者ギルドのみんなに良くしてもらってたのに、また必ず来るから許してくれ」
アキラは真白に手を合わせる。真白は、笑顔で答える。
「真白は大丈夫だよ!」
「ありがとう」
そう言ってアキラは真白の頭を撫でた。3人は明日の出発に向けて荷物を準備する。
二人が寝静まったのを確認したアキラは、お腹に手を当てながら、静かに部屋を出て、トイレへと向かう。トイレの個室に入るとアキラの孤独な戦いが幕を開ける。数分後、無残な戦場の跡を水で押し流し、一人呟く。
「明日は忙しくなりそうだ」
アキラは、そう言いながら、右腕にはめた黒い腕輪を手を置いた。
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