旅立ち
次の日、真白が朝早くに目を覚ます。周りを見ると、ノアールもアキラの姿もない。たちまち不安が胸を満たし、ベッドから降りようとして足がもつれて床に倒れ込む。そこそこ大きな音が鳴った。
「お兄ちゃん?お姉ちゃん?どこー……グズッ、グスッ」
鳴き声が混ざった真白の声に反応したかのように部屋のドアが開く。ビクッと体を震わせる。開いたドアから入ってきたのはアキラだった。
「真白!?どうした!?」
アキラは、涙目で床に倒れ込む真白を見て駆け寄る。真白はアキラにしがみつき何も言わない。アキラは事情を察し、真白の頭を撫でる。
「悪かったよ、ちょっと顔洗いに外に出てたんだ」
「また捨てられたかと思った」
真白が涙声で言う。そんな中、アキラの影からノアールが出てきた。
「おはよう、真白は早起きね……って真白!?何で泣いてるの?!」
眠そうに眼をこすりながら出てきたノアールが真白を見て、駆け寄る。アキラが事情を説明し、ノアールが真白を抱きしめる。
「可愛い妹を置いて行くわけないでしょ」
「うん……もう大丈夫!」
ノアールの温かさを感じながら目をこすり涙をぬぐう。最後に花のような笑顔を見せる。
「良し、飯にするか!」
「そうね」
「うん!」
三人で、食卓を囲み食事をする。それがどうしようも無く嬉しくて、終始真白は、ニコニコしていた。
食事を終え、三人は旅の準備を始める。そこで、真白が買ってもらったバックパックを嬉しそうに担ぎながらアキラに訊ねる。
「お兄ちゃん、これからどこに行くの?」
アキラも荷物を背負い、荷物が多いため今回はノアールも影に入らず黒いローブを身に纏いフードを被って、荷物を背負う。
「目指すのは、スマトリプタン王国を西に行くとある国、カロナール帝国だ、と言ってもこれから向かうのは、その手前の街、アテンだな、きれいな湖の有るここよりも大きな街なんだそうだそこにしばらく滞在してから、カロナール帝国に向かう」
アキラの長い説明に頭に?を大量に浮かべながら首を傾げる。
「そんな、一気に言ったって分かるわけないでしょ」
ノアールがアキラをジト目で見る。
「また別の街に行くのそこは湖の綺麗な街なのよ」
「みずうみ?」
「湖を知らないのか?簡単に言うと……でっかい水たまりだ」
「でっかい水たまり?」
「あぁ、まぁ楽しみにしときな」
「うん!楽しみにしてる!」
そう言って真白はノアールとアキラの手を取る。
「行こう!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」
真白はぐいぐいと二人の腕を引っ張る。真白の足取りは軽かった。三人がいなくなった部屋には日が優しく差し込いみ食卓を優しく照らしていた。
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