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お買い物

日も昇り切り、照り付ける日差しが窓から部屋を侵す中、アキラたちは今後について話していた。


「さて真白、まずお前は『アルビノ』というもので、人間であることは間違いない」

「あるびの?」


真白は首を傾げる。


「細かいことは良い、だが、気を付けなければならないことがある。俺のいう事をよく聞くように」

「ハイ!」

「まず、日差しに弱いから、日差しを避けるように外に出るときはこのローブを着るように」


そう言ってアキラは、袋をあさり白いローブを取り出した。真っ白で裾にピンクの花弁が散っているというデザインのローブを真白に渡した。真白はローブを遠慮がちに受け取る。


「良いの?」


ノアールが真白からローブを取り、着せながら言う。


「もちろんよ、……っとこれでよし!」


真白は自分の姿を見渡して、嬉しそうに笑う。


「すごい可愛い!ありがとう!」


そう言いながら、自分の恰好を見て、その場でクルクル回る。


「良しじゃあ、このまま外で買い物に行こう。真白の装備をそろえないと」


アキラもローブを着こむと真白にフードをしっかりと被せる。ノアールはいつも通りアキラの影に入る。その様子を見て真白は驚いたが、アキラの影から手を振るノアールを見つけて口を開けたまま手を振る。その様子にアキラもノアールも笑ってしまった。アキラは真白の手を握る。真白は驚いたがすぐに嬉しそうにどこか恥ずかしそうに手を握り返した。手をつないだ二人はまるで兄弟のように仲良く部屋を出ていった。



 大通り出た真白は目を見開いた。人が多く行きかい通り沿いには多くの店が軒を連ねる。人々の会話がいたるところで聞こえる。真白はアキラのしがみつく。


「人がいっぱい」

「まあ、カペルの村よりは大きな村だからな。というか歩きづらい」


アキラは真白を引きはがし手をつないで店を回る。バックパックや服などを見て回り、鍛冶屋でナイフを買った。


「持っときな、あると便利だから。使い方は後で教えるよ」


真白は少し怯えながらもナイフをバックパックに入れる。そして、アキラは雑貨店へと入り店員のおばさんに話しかけた。


「日焼け止めって売ってないか?」

「日焼け止め?あんた、変なもの欲しがるねーそんなの貴族御用達の高級店にしか置いてないよ?」

「高価なのか?」

「えぇ、原料に使うククルの実って言うのがね、魔物だらけのオルゲン山にしかなくて手に入れるのが困

難なのよ。それに、庶民はそんなの使わないしね」

「なるほど、どれぐらいするんだ?」

「一個金貨七枚」


アキラは驚いた。


「七枚!?」


真白がアキラの裾を引っ張る。


「それって高いの?」

「あぁ、この世界にはな、銅貨・銀貨・金貨・白金貨があって白金貨がいちばん価値が高い。二番目に価値の高い硬貨が七枚必要だ、金貨一枚は銀貨百枚の価値がある」

「????」

『後で私が教えてあげるわ』


急にノアールの声が脳内に響き、真白は驚いた。


「ありがとうおばちゃん、この水筒をくれ」


そう言ってアキラは水筒を一つ購入し雑貨屋を後にした。

アキラたちが宿への帰宅の途についたのはすっかり日が傾いたころだった、夕暮れを知らせる鐘が鳴り響く中三人が歩いていると真白が香ばしい匂いを感じ立ち止まる。手をつないでいたアキラも腕を引かれ止まる。真白の視線を追うとそこには肉焼き串の屋台があった。甘じょっぱそうなタレがたっぷりつき、そのタレが焼けて出す香ばしい匂いは食欲を誘うものがある。


「あれが喰いたいのか?」


アキラは真白を見ると、真白は首を横に振る。そんな真白の頭にアキラが手を置く。


「遠慮すんなよ、ほら行くぞ」


真白の手を引きアキラは肉焼き串の屋台へ行き、一本頼み真白に渡した。二人は少し離れたところでベンチに座った。一つの串に三つの肉の塊が刺さっていた。真白は一個を食べると目を輝かせその場で飛び跳ねながら美味しさを表現する。肉を飲み込むとアキラの方を見る。


「すごくおいしい!」

「よかったな」


すると、真白は串をアキラに差し出す。


「どうした?早く食わないと冷めるぞ」

「三ぶんこしよ、お兄ちゃん、お姉ちゃんも!」

「いや、お前が全部食っていいんだぞ?」


真白は首を横に振る。


「みんなで食べたかったの」

「それを早く言えよ。そしたら、あと二本買ったのに」


そう言いながら、アキラは真白の串から肉を一つ貰う。


「ん、旨いなこれ」


そう言うと、アキラの影からノアールが出てくる。


「何て良い子なの」


そう言いながら、ノアールも一個肉をもらう。


「うん、おいしいわ、真白」


 三人で笑いながら肉焼き串を食べた後、三人は宿に戻った。宿で夕食も食べたところで、真白は寝てしまった。


「疲れちゃったのね」

「でも、幸せそうじゃないか」


真白の穏やかな寝顔を見て、アキラが唐突に立ち上がり呟いた。


「トイレ行ってくる」

「はいはい、いちいち言わなくても良いわよ」


ノアールは真白を撫でながら答える。アキラは部屋を出てトイレに向かった。アキラはトイレに入ると個室の入口を閉め、閂をかけ、頭を抱えうずくまる。


「何て、汚い人間なんだ俺は、自分の寂しさを紛らわせるために、あんな小さい子を利用するなんて!!

どんな旅になるのかも分からないのに巻き込んで!!」


そう言いながらトイレの壁を殴る。壁は頑丈で殴っても傷一つ付かない。逆にアキラの拳に痛みが走る。まるで、自分の汚い部分を戒めるように。


 アキラが部屋に戻るとノアールは笑顔でアキラを迎える。

「おかえり、長かったわね?」

「あぁ」

気のない返事をしてアキラも寝る準備をする。ノアールはアキラの近くに行く。

「無理しちゃだめよ」

そう言ってアキラの影に入っていった。

「あぁ」

さっきと同じ言葉だが、アキラの声音は柔らかくなっていた。



最後まで読んでくださりありがとうございます!

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