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異世界に来たようです。

光が西洋の鎧を身に纏う兵士達に取り囲まれ、意味が分からず唖然としていると、兵士をかき分けて一人の女性が現われた。女性は腰まで伸ばした金髪をなびかせながら、青年の前まで来る。青年は女性に向かって声をかける。


「ここは、どこなのでしょうか?」


光は一応丁寧に問いかける。その問いに首をかしげながら、女性はサファイアブルーの透き通った目で青年を見回し、笑顔で答えた。


「ここは、スマトリプタン王国の王都ヘキサルの近くにある慈愛の草原です」

「へ?」


女性の答えに、光はマヌケな声を漏らす。聞いたことのない国の名前だった。


「あなたは一体何者ですか?あのような転移魔法は見たことがありません」

「転移魔法?」

「あのボックスは転移魔法なのでは?」


光は聞きなれない単語ばかりで、頭に?が多く浮かび混乱していると、怒鳴り声が聞こえた。


「貴様!姫様の問いに早く答えんか!」


目を向けるとそこには、大剣を背中に背負い、顔に傷のある壮年の男性がいた。光はわからない事をとりあえず置いといて、周りの状況からこの女性はこれだけの兵士に身を守られる身分だと推測し、礼儀正しい態度をとることにした。


「申し訳ありません、急な事で混乱してしまっていて、私は日本という場所から来ました。山本光と申します。光と書いて、アキラと読みます。」


アキラの応対に満足なのか、壮年の男性は険しい態度をいくらか和らげた。


「二ホン?聞かない国ですね」


女性はまたも首をかしげる。混乱していたアキラは、ようやく女性を改めてみることが出来た。『いい髪してるなぁ、サラサラしてそうだ。』混乱の連続で思考がおかしくなったらしく、そんな場違いなことを思いながら眺めていると、視線に気づいたのか女性が慌てたように口を開く。


「私は、アリサ・スマトリプタンと申します。スマトリプタン王国の第一王女です。あの、もし行くところが無いようなら、私のお城に来ませんか?」

「良いんですか?」


アキラは、ここで王族とつながりができるのは大きいと思い答える。


「姫様!?このような得体の知れない者を城に入れるのはどうかと思います!」


アリサの提案に男性が口を挟むとアリサは男性の耳元により小声で話す。アキラはその様子を訝しげに見る。


「二ホンという国は聞いたことがありません。もしかすると、【来訪者】の可能性があります。ならば、王城で監視した方が面白・・・・・・ではなく、有益に働くと思います。」


アリサの言葉を聞いた男性がアリサの目を見ると、その瞳は無邪気な子供のごとく輝いていた。男性は知っていた、この状態の姫様には何を言っても無駄だと。


「わかりました。ただし、王への説明は姫が自力で行ってくださいね」


大きなため息とともに、条件を出す。「えー」という非難の視線を姫から感じたが、知らんふりをして、兵士たちに槍を下げさせる。アリサはもう一度アキラに向き直る。


「どうでしょう?」

「そちらが宜しいならば、ぜひともお願い致します」


アキラは槍が下げられたのでホッと息をつきながら答えた。その後も、姫が自分の乗っている馬車に乗せようとして一悶着あったが、結局は姫と男性が乗る馬車に乗り、スマトリプタン王国の王都を目指して、馬車はゆっくりと進みだした。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

主人公の名前を漢字で表記すると紛らわしいので以後カタカナで表記します!



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