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勇者と魔王の邂逅

呆然とする群集の中、ノアールが少女の肩を支え、アキラは刀を鞘に納め勇者たちを見て固まる。


「勇者が来るとは聞いてたけど、召喚されたのはお前らだったのか・・・・・・」


勇者たちはアキラの姿を見て、呆然としていた。つい先日まで日本で、行方不明だと言われていたクラスメイトが目の前にいたのだから無理もない。


「ヒカル君・・・・・・なのかい」

「山本・・・・・・」

「あんた」


場の空気が異常事態に固まる中、村長が口をを開いた。


「出たぞ!警備何をしている行け!勇者様!あいつが悪魔の手先です!」


村長の指示に我に返った三人の警備兵が武器を取りアキラに向かう。アキラは即座に刀を抜き、前に出て応戦する。アキラは刀を抜くと刃を峰に持ち替え警備兵の突き出した槍をいなす。


「ノアールまだか!」


三人の攻撃をいなしながら、後ろで少女を庇いながら同じく戦っているノアールに呼びかける。


「まだ、あと三分!」

「長いなー、おっと」


ノアールの魔法発動までのリキャストが三分だと知り、気の抜けた一瞬槍が頬をかすめる。


「あんま使いたくなかったけど仕方ない」


そういうとアキラは右手を兵士に向ける。右手の先から黒い靄が現われた。靄が槍の先を包み消滅させる。それを見た兵士は驚き尻餅をつき、恐怖に後退った。他の兵士も恐怖の表情お浮かべる。


「暗黒魔法だと!?まさかお前が魔王か」

「魔王、ヒカル君が?」


動揺する昇達をよそに、アキラは兵士に刀を向け続ける。暗黒魔法を見て恐慌状態のなった兵士がアキラに突っ込んでいく。


「うおおおおおおおおおお」

「くそ、まだ制御できないんだよ!」


アキラの周りを不規則に漂う靄に兵士の足が靄に触れ、ひざから下が消滅する。兵士の悲鳴が広場にこだました。


「うああああああああああ!」


悲鳴を聞いて、昇達はアキラに向かって走り出した。


「ヒカル君!これ以上はやめるんだ!」

「出来たら、やってるよ!」


昇の発言に怒気の混じった声で答える。次第に靄は霧散した。その隙を警備兵が突き槍を突き出す。アキラは瞬時に反応し槍を上にはじき飛ばしそのまま刀を振り下ろす。キィンと金属のぶつかる音がする。兵士の前に昇が割って入り、アキラの刀を受け止める。


「もうやめるんだ!」


昇がアキラにもう一度言う。


「なら、お前がやめさせろ!あの子はただの人間なんだぞ!」

「何を根拠に・・・・・・彼女は悪魔の子なんだろ。でなければ、火刑になんてならない」


その言葉を聞いたアキラは昇を冷たい目で見た。声音も冷たくしかしそこには確かな怒りがにじんでいた。


「お前、この村の奴らのいう事を鵜呑みにしたのか?アホが、よく見ろ、あの子はアルビノだ」

「アルビノだと?」


昇が動揺したのを感じたアキラは刀を切り返し、昇の剣を巻き上げる。剣は宙を舞い地面に勇ましく突き刺さる。アキラは切っ先を昇に向ける。しかし、不意に飛んできた水球がアキラを吹き飛ばす。


「昇!大丈夫?!」

「大丈夫か?!」


凛が杖をアキラに向けて構え、達也が昇を後ろに庇う。吹飛ばされたアキラはノアールに受け止められた。


「アキラもう行けるわよ」

「ゴホッ、サンキュー、良し行こう」


ノアールは右手をかざし、呪文を紡ぐ。


「シャドウトラベル(影渡り)」


黒い渦が現われ、ノアールが少女の手を引き渦へと入る。続いてアキラも入る。渦に消える間際アキラは昇達に向かって吐き捨てる。


「お前ら、あんな小さい子どもを見殺しにするつもりだったのか?」


アキラが入ると渦は消え、足を失った兵隊と静まり返る群集が残された。そこに、凛がつぶやく。


「今の、どういう事?」

「あの子は、アルビノらしい」

「ってことは、俺達は・・・・・・・」


自分たちがやったことを理解した三人はただただ俯いた。『見殺し』アキラの残した言葉が三人にしこりを残し、傾いていた日が沈み夜になった。



最後まで読んでくださりありがとうございます!

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