約束
アキラは振り返った少女と目を合わせる。そして、中年の男性に向き直る。静かに、淡々と告げる。
「この子は人間だ。ここから出してあげてください」
「何を言う!この子は悪魔の子だ見ろ!あの肌の色を!」
アキラの発言に戸惑いながらも男性は言い返す。
「この子はアルビノだ!」
「アルビノ・・?何訳の分からないことを!」
アキラが男性と言い争っていると独房から声がした。
「本当・・・?」
アキラは振り返ると白銀の瞳から涙を流す少女がいた。
「私・・人間なの」
アキラは少女と目線を合わせ、牢の隙間から手を伸ばし、少女の頭に手を乗せ優しくなでる。
「あぁ、君は人間だ」
アキラが優しく言うと、少女は号泣した。次の瞬間アキラは中年の男性に組み伏せられた。
「貴様!さては悪魔の手先だな!おい!誰か来てくれ!」
中年の声に応じ、人が独房に向かってきていた。アキラは組み伏せられながらも少女を見る。
「必ず迎えに来る。だから、少し待っててくれ。」
「本当?」
「あぁ。ノアール!」
アキラは少女の質問に短く答えた後、ノアールを呼ぶ。ノアールがアキラの影から現れ、男性を蹴り倒す。そして、手を前に向けると小さくつぶやく。
「シャドウ・トラベル《影渡り》」
ノアールの前に黒い渦ができる。その中、アキラとノアールが飛び込む。飛び込む寸前アキラは少女を見てサムズアップする。
「必ず助ける!約束だ!」
渦は閉じ、残された少女は涙をぬぐい胸の前で手を組む。
「待ってる」
少女は小さくつぶやく。
黒い渦が宿屋の一室に現れた。
「あの子も一緒に助けなくてよかったの?」
「アルビノは日の光に弱いって聞いたことがある。ここで助けても、三日間、次の町まで歩かなきゃならない。その間、日差しにさらされちまう」
「なるほど、どうする。」
アキラは、水と食料の入った大きな袋を両肩に担ぎながら答える。
「次の街に速攻で行き、宿をとったら、お前のシャドウ・トラベル(影渡り)でここに戻る。あの子を救出したら、今度は街に戻る。」
「分かったわ、急ぎましょう」
ノアールがアキラから荷物を一つ奪い担ぐ。二人が部屋を出ていこうとすると、ドアの前が騒がしくなってきた。二人は、顔を見合わせ頷くと窓から飛び降り、つぎの町へと走っていった。
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