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スマトリプタン騎士団

アキラは、シーツをはがして寝ていたため、メリロさんに怒られた後、アルムと約束していた通りゲルニカの元へ向かった。場所は王城にすぐ隣、そこには、多くの騎士が訓練する場として、それなりの広さの演習場があった。騎士たちは勇ましい声を上げながら剣を交わしている。ひときわ大きな声で兵士たちを叱咤激励しているゲルニカがアキラ達に気づき頭を下げる。


「おはようございます。アルム様、アキラ殿」

「おはようございます!ゲルニカさん、今日も宜しくお願いします!」

「おはようございます。」


アルムとアキラも頭を下げる。ゲルニカは兵士たちを集めアキラを紹介する。


「この方が、姫様が拾っ・・ゴホン!姫様の客人のアキラ殿だ失礼のないように」


アキラは頭を下げると、ゲルニカの指示で兵士たちは演習に戻る。


「アルム様、アキラ様こちらへ、私がお相手いたします。」


ゲルニカが木剣をアキラに渡す。演習用の木剣だった。木剣の重さに落としそうになりながらもなんとかこらえる。


「最初にお二人とも素振りをしてください。」

「ハイ!」

「わかりました」


アルムは持参した木剣を振り始めた。いつも稽古してるからか剣閃が鋭い。


「おー、アルム凄いな」


アキラが褒めるとアルムは照れながら笑顔になる。


「あ、ありがとうございます!」


そういった後、さらに気合を入れて素振りをする。アキラもアルムの見様見真似で学校の剣道の授業を思い出しながら、『確か、振り切らずに止めるって言ってた気が』上から振り下ろし適当なところでスッと止めてみた。様子を見ていたゲルニカが声をかける。


「アキラ殿は剣を習ったことがおありか?」

「いえ、私の世界には剣道という木剣のような物を使ったスポーツ、性格には武道ですけどがありまし

 て、それを、学校の体育という授業でやるんですよ。と言ってもすごく基本的なところしかやりませんけど。」

「ほう、学校とやらではそんなことまで教えるのだな。」

「さすがアキラさんです!」


ゲルニカは感心し、アルムは尊敬のまなざしを向ける。

 素振りが終わり、ゲルニカが木剣を手にしながらアルムと向かい合う。ゲルニカとアルムが打ち合うというので、水を飲みにアキラはその場を離れ水場へと向かう。アルムが散歩のお預けを食らった犬みたいな顔をするが、すぐ戻るからと説得した。水場に着くと他の兵士たちも休憩していた。


「失礼します」


アキラは水飲み場まで行くと三人の兵士が立ちふさがる。『なんだ?』そう思い三人をよく見ると自分と同じくらいの年の青年が三人立っていた。


「あの、どいてもらえます?」


アキラがどいてくれというと、三人のうち一番体格が良い厳つい顔をした男が低い声でアキラに尋ねる


「お前が、アリサ王女に拾われたとかいう流浪の民か」

「そうですけど、流浪の民ではなく『来訪者』・・・・」

「そんな事はどうでも良い!」


今度は眼鏡をかけた爽やかイケメン風の青年が叫び出す。


「どうでも良いってあんたらが声かけてきたんじゃ・・」

「なんて羨まし・・・いや、羨ましい!」


最後の短髪の一人も叫び出した。


「そこは言い直せよ、てか、羨ましいってなんだ。別に羨ましくないだろ。そもそもお前ら誰だよ?」

「俺たちはアリサ様親衛隊だ!俺は隊長のダスト!」


厳つい顔をしたやつが名乗り、続いて眼鏡、短髪が続く。


「私は、副隊長のトリート」

「俺はダリート」


三人が名乗り終えると、アキラは口を開く。


「親衛隊?」


アキラが聴くとダストが話し始める。


「そうさ、俺たちは常にアリサ様を見守り、常に護衛する。」

「アリサには、女性の近衛騎士がついてたぞ、そもそも隊長って、お前ゲルニカさんの部下じゃねーか」

「貴様、アリサ様を呼び捨てだと!羨まし・・・けしからんぞ」

「今度は言い直した。あ、分かったぞお前ら、アリサの追っかけだな。メリロさんから聞いたぞ仕事抜け出してはアリサを見てニヤニヤしてる三人組がいるって。お前らの事だろ。」


アキラが言うと、三人はあからさまに顔をそむける。


「な、何のことかな?」


ダストは吹けていない口笛をしながら目を泳がせる。


「メイドさんたちから気持ち悪いって言われてたなーそいつら」

「うぐッ」

「これは、ゲルニカさんに報告しないとなー」

「それだけはやめてくれ!」

「じゃあ水飲みたいからそこどいて」


三人は左右に分かれ跪きながら水飲み場への道を開ける。


「いや、そこまでしなくても」


水を飲み少し、ダストたちと話しているとウマが合い仲良くなった。今度三人に城下町を案内してもらう約束をし、戻ると、アルムが仰向けで倒れていた。


「ゲルニカさん厳しいですね」

「アキラ殿、遅かったですな。次はあなたの番ですぞ」

「いや、自分にはちょっと」

「何をおっしゃる、剣の稽古に来たのでしょう?」


アキラがゲルニカとの稽古を渋っていると王城の方から鐘が鳴り響いた。けたたましく、何かを追い立てるような落ち着かない音だった。すると、アルムは飛び起き、ゲルニカは声を張り上げる。


「緊急事態だ!全員完全武装!ついてこい!」


ゲルニカの鶴の一声により、兵士達は少し緊張した面持ちで武装を整えていく。アルムがアキラのもとに駆けより、事情を説明してくれた。


「あの鐘は、城内で近衛すら対応できない状況に陥った時になる緊急警鐘なんです」

「じゃあ、城の中で何かあったのか?」

「ハイ、でも、僕も初めて聞きました。どんな状況なのか、お父様とお母様、お姉様は無事でしょうか?」


青ざめた顔のアルムの頭に手を乗せる。


「とりあえず、ゲルニカさんたちと一緒に行動しよう。」

「ハイ・・・」


アキラは訓練用の木剣を握りしめた。


最後まで読んで頂きありがとうございます!


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