糖尿病発覚 (2)
糖尿病だろうな?
という気持ちがあったので、親に言われた通り、健康診断のために実家に帰ることにしました。
朝四時に起きて、歩いて駅に向かい、六時ちょうど発の電車に乗りました。
九時に地元の駅に着き、親が車で迎えに来ていました。その間に口に入れたのは、
缶コーヒー一本だけ。
実家に着いて、納豆にご飯という、当時の私としてはありえないほど健康的な朝食を採り、十一時頃、健康診断に行きました。
どう考えても、普段の私より
血糖値が低い
状態だったと思います。
八月一日に親から電話がかかって来て、
病院に連れて行くから、帰って来い
と言われました。健康診断の結果が返って来たのです。低いはずの血糖値は576でした。
砂糖の入っているものは、死ぬまで、食べても、飲んでもいけない
と言われました。
私は
食事制限は辛いんだろうな?
と思っていました。さいわい、毎日ジュースを買いに行って、一日で消費してしまうので、一本も残っていませんでした。食事制限といっても、ジュースを買いに行くのを止めただけです。もともと間食は全くしないので、お菓子や甘い物は食べません。
私は極端な偏食なんですよ。小学生の時は、給食を残した人ランキングで断トツの一位でした。毎日のように残すので、先生に目を付けられて、個人授業を受けていました。その時の指導法が、
まず、嫌いな物から、一品だけ食べる
それが食べ終わるまで、他の食べ物に箸をつけてはいけない
これを、マンツーマンで先生に監視されて、毎日やっていたんです。そのおかげで、給食は残さなくなりました。
でも、四十年以上経った今でも、料理を一品ずつ食べるんですよね。
食事を楽しむ
というよりも
食べなければならないから食べる
みたいになっちゃたんです。
男子厨房に入らず
の影響があった時代に育ったので、料理は全く出来ないです。
話はズレますが、この男子厨房に入らずの正しい意味を理解していない人がほとんどですね。
そのおかげで、理解している私は女にモテます。
理解していないと、女に離婚させられちゃいますよ。
私の大学時代の同級生に、コックの見習いみたいなことをしていたらしいんですが、家が医者なので医学部に入って来た人がいました。私より八歳年上です。その人が大学二年で見合い結婚をしました。結婚してからは料理を一切作らなかったのですが、奥さんが病気になったので、やっちゃったんですよ。そしたら、
物凄く嫌な顔をされて睨まれた
そうで。
コックの修業をして、十年以上も自炊していた人に、花嫁修業をした程度の女の人が対抗出来るわけないですよね。奥さんからすれば、医学生だと思って、勉強しか出来ないと思って結婚したのに、騙されたようなものなので。
この話を聞いた時に良く理解出来ました。
男子厨房に入らずの正しい認識は、
台所は全て女性の所有物である
料理に関する全権は女性が持っている
男は聞かれたことだけに答え、言われたことをそのまま実行する
口出ししたり、手出ししてはいけない
また、その能力を持ってはいけない
これがあると、女性が失敗した時に気付いてしまうので
そう、女性がすることを理解する能力を持ってはいけない
ただ女性のすることを全面的に信頼するだけ。
まあ、これを拡大解釈して、「台所」を「家」に変え、「料理」を「家庭」に変えた方が、離婚されなくて済むと思うのですが。