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異世界転生一日目 後編

ジャンルローファンタジーからハイファンタジーに変えました。

間違えてました。

すいません。


 目の前の空間に文字がいきなり現れた。


 緑色のやけにデジタルチェックな文字は期待していた日本語では無く、アラビア文字を崩したような所謂異世界文字だった。

 しかしながら、やっぱりと言うかテンプレと言うのか俺には初めて見るその異世界文字が理解が出来た。



_____________


名 前:俺氏(暫定)

種 族:人(仮定)

職 業:妄想家(無職)

ランク:1

年 齢:0歳

能力値

生命力:100

魔法力:100

筋 力:100

体 力:100

知 力:100

魔 力:100

敏捷度:100

器用度:100

 運 :不憫

技 能:妄想LV4、頑健LVMAX、魔力感知Lv1、異世界翻訳LV―、鑑定LV1

特異技能:魔道士の血LV―、魔導回路LV-、可能性の扉、※○∌の加護、ブランク、ブランク、ブランク


______________


 おーーーーい。

 ツッコミどころ満載じゃないか!

 まぁ基礎ステータスはまあいいよ、平均とかわかんないしね、今の自分がわからないからね、そこは置いとけるよまだ、名前も・・まぁちょっと譲っていいとしよう、暫定だしね、運よ運、不憫ってなによ数値ですら無いじゃないか、たしかに異世界一日目これって異世界転生諸説あるだろうがきっと不憫な方よ、まっぱだしね。

 それと種族:人(仮定)ってなんだよ、オカシイだろ、年齢も0歳だし、そもそもなんで種族が仮なんだよ、ギリギリなの?ねぇギリギリなんですか俺、異世界産まれて一日もたってないけど既にギリギリ人とかどうなのよ。

 あと、職業よ!

 妄想家って、たしかに妄想しかしてないですよ、こちらに来てね。

 でも考えても見てよどら○モン、僕一人なんだよ、生きてる人僕一人なんだよ。

 となりのアイツは白骨で骸骨だし、しずかチャンじゃないからね、入浴シーンもないんだからね、コミュ障とか言われても良いけどアレとはコミュニケーション俺取れないからね。

 そもそも妄想家(無職)って無職なら無職で良いじゃないか!

 某FFの野菜系剣士ちっくに基本職業でさ、ふつうそこから努力して派生する俺かっけーみたいなのじゃないの?

 それとも何か前世ヒキニートだった俺をなぶるために無職と言ったのか!

 ああ上等だよ、ならやってやるよ・・・・・。

 俺は・・・・

 俺はぁ~・・・




 「炉裏衣立王に俺は為る!!」


 どーーーん




 ふう

 つい熱くなっちまったぜ、年甲斐にも無くな。

 なかなか言えるチャンス無いからな。



 と

 ここまでは定番の一人遊び、俺氏なにわともあれテンションアップ。

 色々気になるがここは『鑑定』様に聞いてみよう。


 「鑑定」


 静かに呟くと心のなかで調べたい事柄を思い浮かべる。

 取り敢えず気になるやつから・・・っと。

 魔道士の血:かつて魔導を極め、栄華を極めたと言われている『○ル・ルート』の血を受け継いでいる。


 ここに来て○で隠すのか・・・コンプライアンス重視か・・・・もうね『タ』しか思い浮かばねーよ。

 マジカルなラッキースケベ起こしまくるのか!どうなってんだ鑑定!次!


 魔導回路:魔力を通す魔導回路を作れる。

 む?これだけ??

 むぅ・・・・これは実践あるのみか、次!


 可能性の扉:人間が想像できる事は人間には必ず実現できる。

 誰の名言よ・・・。

 ・・・・いや、あのさ『鑑定』よ、仕事しようぜ・・・・次ぃ!


 ※○∌の加護:名も無きイケメソネ申の加護。

 いや、内容よ・・・・。中身が無さ過ぎやしないかい、鑑定さん。


 あれか・・・やっぱり俺の鑑定さんLV低いからこの微妙な鑑定結果なのか?

 どうせこれも駄目なのか・・・?


 ブランク:空白の部分。空欄、空白、余白、空白期、例文:三年間のブランクを埋める。


 和訳か!しかも例文付!!三年間どころか、こちとら三十有余年ブランクしかないわ!


 もういいや、取り敢えず鑑定は微妙っと。

 床に寝そべっていた俺は取り敢えず身体を起こす事にした。

 思ったより抜けちゃった腰はしっかり戻り、移動に支障も無いようだ。

 長時間寝そべっていた事により身体中に塗れていた謎の乳白色の液体は大方は流れ落とす事に成功したようだ。

 なぜだか申し訳程度に残った謎液は、俺氏の大事なDT部分をしっかりと防御していてくれた。


 「おうふっ」


 異世界にてまっぱで俺を守ってくれるのは最早謎液だけ・・・。

 なんと心許ないことだろう。

 このままもし・・・もし、このままずっとぼっちでまっぱだったとして、ここから仮に無事移動出来たと仮定する、そして真っ昼間の見渡しの良いのどかな草原とかで第一異世界村人と遭遇でもしてみろよ・・・ましてやそれが純真無垢な村娘でかつ村長の一人娘だったりしたら・・・・想像しただけでも恐ろしい。

 きっとHENTAI呼ばわりされ悲鳴を上げながら村長の娘に走って逃げられ、その声を聞いた村長からは村の若い衆という追ってをけしかけられ俺氏あわや危機一髪。  

 逃走劇の途中に見つけた銀色の光り輝くお盆シールドだけが頼りとなり、追手の凶刃をお盆シールドで退けるんだ。

 しかしあまりにも過酷な旅の為、遂にお盆シールドは俺を庇いその儚いお盆としてのそしてシールドとしての使命を全うするんだ。

 「オボーーーーーン!!」

 これが慟哭というものか・・・生まれてきてこんな悲しいことは初めてだった。

 今にも張り裂けそうなこの胸に秘め俺氏誓う・・・・相棒の・・・オボーンの死を無駄にしないと!!!

 そして俺氏さらに逃げ続ける。

 そして遂に出会うのだ「武雨女乱パンツ」と・・・・。

 俺氏恐る恐る異世界初の衣類を装着する、しかし、恐れもあった。

 武雨女乱を履く事により俺氏はオボーン裏切ってしまうことに為るのではないだろうかと・・・・。

 辛い時、雨に打たれ寒い時、雷うち乱れる豪雨の中でさえ常に一緒だったんだ。

 オボーンとの思い出が走馬燈のように脳裏に浮かぶ・・・。

 オボーンと出会い俺氏はZENRAから進化を成し遂げた。

 それを今更ZENRAに戻るなんてそれこそオボーンとの時間を無駄にする事と同意!!!

 オボーンならこの俺氏の気持ち分かってくれるはずだ。

 俺氏、おそるおそる武雨女乱パンツに足を入れる。

 そして一気に引き上げ武雨女乱を装着したその瞬間!!俺氏は驚愕する事になる。 

 「な、なんだこのフィット感は!!!」

 この時が俺氏が初めて「兄貴」へと成った瞬間であった。

 兄貴と成った俺氏はオボーンの敵を取るべくソンチョー打倒の修行へと旅立つ、そこで俺氏は赤色武雨女乱を履くサムソーンと白色武裏威賦を履くジョンソーーーンと出会う。

 そして三人は義兄弟の誓いを交わすのであった。これが後世に熱く語られる『大胸筋の誓い』である。

 三人は激しい修行の末、遂に伝説の超兄貴へ到達するのであった。

 愛と悲しみと武雨女乱を手に入れ超兄貴へと到達した彼らは、世界平和の為武雨女乱を布教していくことになり、幾多の人々に神と崇められた。

 

 そしてその功績が後世に伝えられ俺氏ついに伝説へ・・・。





 服を探そう。

 俺がそう思うには十分な理由だった。

 人・・・・だったはずのアレがあるからには衣類もあるはずだ。

 もしかすると外部には井戸なんかもあって身体も心も綺麗サッパリできるやもしれん。

 後、飯。

 こうはしておれない。

 思い立ったら即行動。

 きっと今日は吉日です。

 はい。

 部屋は相変わらず薄暗いのでよくわからないが、ロッキングチェアーの向こうに見えるのは恐らく洋服ダンスだろう。

 そういや、アレが被っていた布は何だったんだろう?

 

 鑑定


 俺は布をガン見した。


 地に落ちた布:密教徒のローブ(耐刃:耐魔体制:魔力増大)ランク☆☆☆


 お、物には有効なのか鑑定さん、星3つってどうなのよ・・・それにしても密教徒とは・・・。

 まぁ取り敢えず最悪アレを羽織るかすればいいな・・・只今の俺には大きすぎるか・・・。

 何故か身体縮んでるしな・・・まぁタオル代わりには使えるかもしれないしな。

 それにしてもステータス的には0歳だったがどうなんだ俺の身体?その辺の事もなんかわからないかな?取り敢えず探索と言うなの家探しだな。

 

 

 ぎぎぎぃいいいー


 古めかしい洋服ダンスらしき両開きのタンスを開けるとそこには数々の子供用らしき服が掛けられていた。

 「これは・・・俺の身体用・・・なのか?」

 掛けてある黒い洋服を身体にあてがうと、どう見てもそれは俺の身体のサイズとぴったりだった。

 なんだか不思議な事もあるもんだ。

 しかもこの洋服全部着た形跡がない。

 気になった俺は洋服を鑑定してみると「子供服(男の子用)サイズ130セーチ用:清浄・状態保存機能付き」と全ての服に出た。

 

 「流石に新しい服に袖を通すのにこの汚い格好は如何なものか・・・。」


 ふと自分の身体に目を向けると謎液が未だに大事な部分に引っかかてくれていた。

 だが、それ以外は謎液のベタつきがホコリと相まって相当汚いことになっている。

 うむ。

 水場を探すか。

 あと飯。

 さっきからこればっかり。


 まずは家探しを続行することにした。

 周囲を見渡すと今いる部屋の奥にさらに奥へと続く簡素な木の扉がある。

 先ほどと同じくゆっくりと開けるとそこにはキッチンらしき場所と4人掛け用のテーブルセット、奥には木箱が一つと大きな瓶が蓋をされたまま並べられていた。

 

 鑑定


 キッチン(魔道具):本格派キッチン、料理を作る所、料理愛好家御用達、魔力水冷温完備

 テーブルセット:ダイニングテーブル、一家団欒、家族愛を育む場所

 大きな瓶(魔道具):清らかなる瓶、すくってもすくっても清らかなる水が溢れ出る

 大いなる箱(魔道具):銀色に輝くその箱には向陽軒の文字が燦然と輝く。一日2回温かい食事が出てくる魔法の瓶、食事内容はランダム


 嗚呼。

 あった。

 オイラの明日が此処にあった。

 ぶっちゃけ不安だったんだ、だってそうだろ普通、最初はなんかイベントリとかに食事とお金ともたせてくれるもんだろ、いきなりまっぱでハードモード過ぎて心がポッキリ折れる所だったよ。

 マジ感謝。

 神よ。

 おお神よ。

 ありが・・・まてまてまて、ウェイウェイウェイッツ。

 ジャスターモーメンツ!

 はたして・・・・この瓶機能するのか・・・?

 異世界の魔道具・・・だぞ。

 仮に稼働していたとして俺に・・・・俺に使いこなせる物なのか?


 取り敢えず大きな瓶から・・・。

 蓋をずらすと瓶の中には並々と水が入っていた。

 両手で水をすくう。


 「つっ・・・めった」


 そのまま水で顔を洗う。

 そしてそのまま瓶に顔を突っ込むと俺は水を飲んだ。

 ただひたすら、初めて異世界で飲んだ水は只々美味かった。

 「んぐんっぐ・・・」


 ひとしきり水を飲み終えると、隣に置いてある大いなる箱の向陽軒と書かれた蓋を上にずらす。

 蓋をずらすとふんわりスパイシーさが食欲をそそる懐かしい匂いが辺りに漂う。

 

 「か、カレー・・?」

 大いなる箱から出てきたのは、なんとなく見覚えのある食器に両面良く焼きの目玉焼きが乗ったカレーライスだった。

 

 鑑定

 目玉焼きカレーライス:異世界の料理。子を思う母の愛が詰まったカレーライス。目玉焼きは子供の好みを優先したサニーサイドアップ。


 「これって・・・」

 銀色のスプーンでカレーを一口掬って口へと運ぶ。

 いつもの・・・・いつもの家のカレーの味だ・・・・。

 何かあればいつも作ってくれていた、あの母さんのカレー。

 今まで何百食と食べてきた母さんのカレー。

 必ず乗ってる目玉焼きは両面焼き。



 「うぅ・・・・うううぅううぅぅぇっ」


 異世界に来て初日、俺は転生して生まれて初めて泣いた。

 


 

 

  

 





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