プロローグ 2
お約束の白いあれです
『素体情報読込中・・・』
『素体情報読込中・・・』
『素体情報読込中・・・』
『素体情報読込中・・・』
『素体情報読込中・・・』
『読込終了・・・変換開始・・・変換時間残3267s』
脳内?に謎の機械音声が反響している。
さっきのアレは本当にアレだったんだろうか・・?
この機械音声は謎だし・・・しかも真っ暗だ・・・。
暗闇の中に居るのでは無く、自分が眼を瞑ってしまっていたことに気づくと、俺はゆっくり眼を開けてみる。
「ここは・・・!」
(ててっってってー・・・テンプレきーたぁーーー!)
目を開けるとそこは何も無い白い空間で、目の前には一人の少年とその少年の背に大きなオレンジのデジタル時計の文字のみが空中に浮かび上がっていた。
俺はあるかないかわからない椅子に座っている状態だ。
どうでもいいかもだが、あるかないかわからないと言うのは確かに椅子に座っているんだが、椅子は見えないってことです。
「やぁ、期待に応えれてるかは知らないが、私は異世界の『ネ申』だ、君の望みを叶えるべく君を召喚したと思ってくれて構わないよ。ちなみに後ろのこれは君が後戻り出来るリミットだ。」
眼の前の少年はいきなり語り始め、背後のデジタルの数字を指差した。
しかしながら・・・取り敢えず初対面なんだからはじめましてからだろう。
「後戻り・・・?」
「あぁ、不躾な話だが君には選択肢がある。前の世界に戻り不健康な身体で不自由な日々を過ごし残り少ない余生を楽しむか、新たな世界に旅立ち健康な身体で恋に冒険にと新たな人生を謳歌するか、あぁちなみに実際はもう君の身体は情報化されており戻るにしても実際は一度前世界からは消去された存在であり所謂君の現状はシュレンティガーの猫の箱の中みたいな状態だと思ってくれて結構だ」
「いや日本語でおkっす」
「・・・・ふむ、簡潔に言うとだな君は改札の前に立っているんだ。その改札を抜けると列車が二つあるのだよ。君たちで言う所の異世界に行ける列車と、この事はきれいに忘れて現代に戻ると言う列車、勿論どちらも片道切符だがね。」
ぽーーーん
『変換残時間3000s』
不意に交換に機械音声が響き渡る。
神と名乗る男の後ろのデジタル文字がちょうど3000を示していた。
「引き返せる・・・?」
「あぁ・・・後2942秒以内ならね」
「ほっほー」
突拍子も無いな。
後48分で自分の人生全て決めないといけないのか。
けっ決断力が試される。
今渾身の俺ジャスティス!
「ふむ、君の思考はよく分からないが、取り敢えずの条件を伝えておこう」
「ほっほほー」
思考読まれるとかどんだけテンプレ。
「ネ申だからね・・・まぁそれはさて置き、取り敢えず君には生まれ変わって頂く。生まれはランダムだが健康に生まれることは間違いない。もちろん生まれる世界は僕が管理する世界に生まれる。君が居た地球とは違う魔法とか剣とかがある世界、所謂ファンタジーワールドだね。あぁそうだ言い忘れていたよ初めまして北山信男くん」
少年神は一気に喋るとドヤ顔で挨拶してきた。
どやぁー
顔に書いてあるようだ。
「ほーっ」
確かに俺は健康に問題あるがそれはアルビノであって日光にすこし弱い程度と外見が真っ白いからの奇異の眼に耐えられ無いだけで決して明日明後日すぐ命がどうこうと言う事ではないハズ。
「まぁそうなんだけど、君はある理由で近々命を落す事に為るんだ、本来なら教えることも禁忌に触れるんだけど今この空間は少し特殊だからバレないし、内容までは流石にコンプライアンスがあるから教えれないんだけどね。」
えっ、どの道死ぬの俺氏。
切なさと、儚さと、心許なさ・・・草。
ふーむ。
取り敢えず行くしか無いか・・・後は・・・。
「う「嘘は言ってないよ何も」・・・」
「う「嘘は言ってないよ何も誓って」・・・・いや、産まれ・・・ゴブリンとかやめてねって言いたかったんだ。」
「あぁ、ゴブリン?妖鬼族のことだね。大丈夫だよ。じゃぁ行ってくれるんだね」
少年神はとびっきりの笑顔で俺に語りかける。
そこは流石神、中性的でありとあらゆる均整が取れたような美少年。
ほ、ほれてまうやろ~。
いやいやいかんいかん。
げふんげふん。
あまりのイケメンっぷりに動揺する俺氏。
「まぁ僕には性別が特にあるわけじゃないんで好意を向けられるのはやぶさかでは無いんですけどね・・・兎に角産まれは人、性別も男で良いよね。そこそこ容姿は良い感じでっと、あ、能力は引き継ぐんで魔法の素養は有りっと・・・」
「えっ?俺魔法使いになったの・・・・30越えのDTはやっぱり魔法使いにな「あぁ違う違う、君はね元々こっちの世界に生まれるはずだったんだ。それが何故か魂魄のみの状態でこっちから地球に行き、北山信男として産まれたんだ」・・・・・ええええ!」
「だからね、君の魂には本来あるべき素養等が刻み込まれてるんだよ」
ぽーーーん
『変換残時間2000s』
衝撃の事実に驚愕ガクブル。
「まぁそんな事もあっての今回の転生なんだよね」
「ほっほー」
とりあえず相槌。
平成を、いや平静を装おう。
「じゃぁノブオだったけど魔法使えたのか・・・・」
魔法使いノブオ・・・ださ。
せめてサ○リーだったなら・・・・。
「あ、いや地球の魔力はとっくの昔に枯渇・・じゃないけど使えなくなってるから、戻っっても使えないよ、それと隠れてないよ」
「あ、はい、すいません」
「僕に謝られてもね、後1822秒あるけどなんか要望とかあるかな?ある程度は優遇するよ、所謂君らで言う所のええと・・・あ、そう、チート、プレゼントするけど、なんか要る?」
「え・・・」
急にチートと言われてもなかなか困るな。
しかしながら俺たち皆で毎日腐るほどシュミレーションはしたじゃないか。
そこから導き出される答えは・・・・。
まだ出てなかった。
むしろハーレム思想ばかりだったな、DT乙・・・自分か!
こう言う時、人は『おrz』ってなるんだな。
なんてこった。
いやまて、早まるな俺。
出来る男は慌てない、ジャスティス。
兎に角、現状確認しつつだな・・・・ここは先人立ちの知恵を頂こうと思う、それがいい!
いまや健康、魔法の素養、イケメンは確保されてるって状態なんだから、やっぱり鑑定?それとも加護系、いやはややっぱり技能系MAXとか経験値取得率倍か!いやはや、魔法全属性か!!某無職な方の様に産まれ変わるのならそれこそ本気出せるかもしれないし必要ない可能性も有りにして無し。
くれるものは頂こう的な、やましい気持ちじゃないですがそこは某スライムさんの様にユニークスキル的な何かや某クモの方みたいに・・・あれクモの方はクモか・・・やっぱりそこは人が良いしね、そうなってくるとやっぱりどこかのハジメさんのように天職をもって・・・いや死にかけてたよな確か、痛いの嫌だしなぁ~・・・そうなってくると・・・・・。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「ゆ、優柔不断ってよく言われたよね」
はい。
通信簿に毎回書かれました。
「決められないななら行ってみてから決めればいいよ」
「ほっほー」
行ってから?
後付チート?
「後付というか、可能性だね。こちらの世界に来てもらって君の可能性を君が信じる方向に最大限伸びるように、って感じかな」
「ご、ご都合主義じゃないか!」
「まぁそうだね、じゃぁ後は適当に生きてみてよ、時間も無いことだし」
「時間が無い?」
ぽーーーん
『変換残時間60s』
な、悩みすぎた。
1000秒のアラームとか有ったろうに、気づかなかったぜ。
まぁいい、可能性チートゲットということで。
出来る男は運もあるって事で・・・ジャスティス!
まぁそうなんだが最初っからタイミングが分からず聞きそびれていた『あの事』を最後に聞こう。
転生やらなんやらで色々ぶっ飛びすぎて忘れていたが俺は忘れていない。
「じゃぁ最後に確認ね・・・素養が魔法適正、形容は人型、後は頑健で容姿そこそこ美形・・・あぁ僕の加護っと後は可能性の欠片×3ね・・ぁあ、疑問ね~・・・あ、生まれだけはランダムね」
何故自分、と他のあの板の皆はと、な・・・え?ランダム?
「あの、ランダ「それは、『なんとなく』と『先に送ったよ』、あとついでに言うなら使命とかそういうのも特に無いから、強いて言うなら日頃ディスカッションしていた君たち『人が異世界に来て何を望むのか』気になったのさ」ム」
美少年神ドヤ顔再臨。
どやぁ~
「あ、う、うん」
謎のドヤ顔で一瞬放心しちゃったよ。
結構聞きたいことあったのに。
まさか俺、コミュ障・・・だったのか。
『変換残時間 5s』
「じゃぁ良い旅路を・・・」
少年神は最後にそう言うと軽く微笑んだ。
『4・・・・3・・・・』
真っ白な部屋が更に白く輝き出す。
しゅいーーーんって音が鳴ってそう、とか最後に思ったのはそんなどうでもいい事と、人ってやっぱり異世界転移とか言われたら冷静に対応なんか出来ないよってことだった。
それにしても・・・・
『・・・1・・・・0』
なぜ、Dzy8389さん・・・・『知ってたんだ・・・。』
『変換完了』
お読み頂きありがとうございます