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緊張の…。

 「なぜですか!!」

一人の少年の怒鳴り声が響き渡った。

 今は入学式の真っ最中。この場所には、少年のほかには、一人の女教師しかいない。

女教師はまだ若く見えるが、ただならぬ何かをもっているようで、どこか恐怖を感じさせる。

その女教師は怒鳴り声を気にした様子もなくキャスター付きの椅子に足を組んで座ったまま少年を見あげ履いている黒色のスットキングの太ももあたりにできたしわを伸ばしながら呆れたように言い放った。

「何もおかしいことはないと思うが? 清瀬春真きよせはるま君だったかな? きみはここがどういう場所かわかっているだろに……」

「ですが先生! 遅刻しただけで降格は納得できません!」

女教師の威圧的な言葉に春真はなおも抗議をする。

その抗議にガクッと肩を落として呆れていることを態度にそもまま出した。それからため息をつき春真をにらみつけた。

「初日から遅刻するような生徒を、学校の代表であるAクラスに所属させておくなど学校の品位にかかわるだろう? だからきみはEクラスに降格だ! これ以上抗議すると退学でもいいだが私は?」

鋭く細められたその目と脅しは、春真を黙らせるには十分だったらしくそれ以上に抗議はしなっかった。

――いや出来なかった。

それから少しの沈黙の後女教師時計を一瞥してから口を開いた。

「そろそろ式が終わる時間だ。これ以上何もないようなら教室のほうに行きたまえ」

「失礼しました」と、それだけ言って職員室後にした春真だったが、人がいないことを確認してから思いっきりため息をついた。

「遅刻しただけで降格とかホント厳し過ぎるだろこの学校……。まあそれぐらい厳しくないと強い魔狩りは育たないってことか」

ここなら理想を実現できるかもしれないという期待と共に、やっぱりショックだなという二つの心境が混ざり合いもやもやしながら廊下を歩いている。

 この学校は魔狩りと呼ばれる人間の育成を専門とした高校の一つではあるが、国が作った唯一の学校で、その特徴は校則の厳しさといくつかの独自のルールである。

今さっき春真がくらった降格処分もその一つ。

だが、厳しいだけだはない。功績をあげればそのままいくつかある部隊に配属されて卒業なんてこともあり得る。

 のろのろと廊下を歩いていると、式が終わったのか生徒達の話し声が聞こえ始めた。

春真は急いで教室へ向かうのであった。


 

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