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chinese citron  作者: たまご
9/11

-9-

日曜日、二人でデートすることになった。


でも他の人には大翔(ひろと)が見えないので、劇団ひとりならぬデートひとり状態だ。




「うう、クラスの人に見られたら恥ずかしい…」


『何で?』


大翔は笑顔で返す。




「デートひとりなんてイタイ子じゃん!

それに伊織(いおり)さんが…」



香奈は伊織と病院の独り言事件以来、気まずい関係になった。





『気にするなよ、(ひいらぎ)なんて。

何があってもお前は俺が守る。約束。』


「…うん!」



二人は笑顔で歩き出した。





いろんな所に行ったせいか、日が傾き、夕方が近づいて来た。



「今日も一日疲れたなぁ…。

でも、楽しかった。」


『俺も。

退院したらまた行こうな。』


「ん…」




ちょっぴり恋人らしくなってきたなと感じたとき、その空気を壊す者がやって来た。



柊伊織である。


背筋がぞっとするように冷たく、でも美しい笑みを浮かべながらやって来た。


「何、やってんの?」


香奈は思わず目を反らした。


「何もないよ…」


「最近大翔のとこに毎日通ってんだって?

何してんの?」


伊織が近づいてくる。

香奈はあとずさりをした。


「や、お見舞いに…」



伊織の足が止まった。


「ふーん。

そうだ。いい人紹介してあげる。

香奈彼氏欲しいって言ってたよね?

この人香奈が好きなんだって。

オメデト、お似合いだと思うよ。

…ごゆっくり。」



そう言って伊織は去っていった。

やって来たのはやたらとでかい人だった。


一言では表現しにくいが、ホラ、あれだ。

生理的に受け付けないタイプだった。



「ぼ、ボク、前から広瀬さん好きでした!

ボクと付き合ってください!」




嫌だ。答えはもう決まっている。


でも逃げれない。


不覚にも捕まってしまった。



男が襲い掛かって来た。


「!いや!やめて!

種村君、助けて!」






そこに大翔の姿はなかった。


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