第1村人発見♪
あれからチョコとジャレまくっていたら日が傾き夕暮れになってようやくこんなところで野宿とか死ねる!!となり池改め底無し沼(ちょっと歩いた所に看板があった)辺りを歩いていたら車1台通れる位の道を発見したのである
<←ロマ村 底無し沼 ゲーラ大森林→>
「村かぁテンプレ獣人いるかなぁ♪てか言葉通じるの?…まぁ行ってみるしかないか~。チョコ、行くよ~。」
沼の辺りを駆け回ってはしゃいでいたチョコを呼び<ロマ村>を目指して歩きだす
道は殆ど高低差の無いところを選んで出来たのか右に左にクネクネしていて小高い丘や見上げるほどデカイ岩やらでなかなか目的地が見えてこない
そんな道中とうとう太陽が隠れてしまい月が出ていないせいで辺りは真っ暗闇とまではいかないが5m程しか見えない
「村はまだ遠いのかな?丘の向こうにも明かりが見えないや」
((チョコ、闇、デもみえル))
「チョコは凄いな夜でも目が見えるんだね♪でもこれがあれば僕もみえるよ♪」
チョコを誉めつつポケットから携帯を取りだしライトをつけ前を照すとチョコは驚きながらも嬉しそうに体を揺らす
((マ、すた、まほ、ウ、ツ、かう))
「ハハ♪これはね、ライトの付いた道具、携帯って言うんだよ♪」
言葉は片言だが結構知能が高いらしく沼からの移動で1~2時間になるが言葉のキャッチボールは尽きることがなかったのだがチョコがふと立ち止まる
((マ、すた、人、イ、た))
言われてチョコから前方へライトを照らしながら視線を動かすと丸太で出来た2mほどの塀と門が見えた村にたどり着いたのだ
「おお!ついに村に着いたぞチョコ♪」
喜び早足に村の門に近づいていくソウ
「そこで止まれ!!」
突然に大きな声で言われてビクッ!!となり非常口の緑の看板の人みたいなポーズでフリーズしてしまうソウ
門の上に見張台がありそこから皮の胸当てを着たスキンヘッドのゴツイおっさんがこちらを睨み付けながら弓矢を向けている
「言葉が分かるなら魔物ではないな、新月の夜に出歩くとは異国の旅人か?」
先ほどは怒鳴るような声でだったが声量は変わらず幾分柔らかい声で話しかけくるが弓矢はそのままだ
ソウは異世界から来たとか言っても話が通じないだろうと無難に話に乗っかることにしてついでにちょっと記憶喪失を装いここの常識を探ろうと思い付き上手くいくか試してみることにした
「はい、僕は旅人です。今晩泊まるところを探しています」
「何処からきたのだ?この先は大森林、徒歩では抜けられぬほど広い。馬か馬車はどうした魔物にやられたか?」
森を探検しようとか思わないでよかったと内心安堵するソウ
「ん~、この先は沼のある草原で倒れていたところ気がついたのですが、ちょっと記憶が曖昧でよく覚えていないんですが…」
身ぶり手振りで説明し困りましたと頭をかくさて通じるかな?
「ふむ、ゴーストかダークウルフにでも襲われたのだろう。奴らは精神攻撃系のスキル持ちがいるからな、災難だったな。
ロマ村は宿が無いから納屋に泊まってもらうが構わないか?飯を食うなら村長とこで買ってくれよ」
そう言いながらおっさんは弓矢を下ろし手招きをすると見張台から降りてきた
「さあ、ついてこい。村長のところでステータスの確認すっから」「おーい!ロッコ!見張り番ちっと変わってくれ!」
デカイ声で門から一番近い家に向かって叫ぶおっさんを見ながら元から声デカイんだなぁとか思いつつ耳を塞ぐ
「しょんべんかぁキュートぉ?って何だそいつ?」
家から出てきたのはこれまたゴツイおっさん格好はキュートと似たようなもので長いウェーブの長髪を後ろで結んでいる
てかあのおっさんキュートって名前かよ似合わねぇ
「プラムからの旅人らしい、大森林で魔物に襲われたらしい。村長のところでステータス確認してくるからたのむわ」
怪訝な顔でソウを見るロッコにキュートが軽く説明してくれたので「そっか」とロッコは見張台に登っていった
こっちの通貨って持ってないけど無くしたぁで通るかなぁとかぼんやり考えながらおっさんの後をついていく
「村長!プラムからの旅人だぁ!ステータス確認を頼む!」
ドン!ドン !と壊れるんじゃないかというくらい扉を叩きながら相変わらずのデカイ声
家の中からドタドタと走ってくる音が聞こえると扉が勢いよく開けられる
「扉が壊れるわ!加減をせんかバカもんが!!」
誰もいない扉の向こうからおっさんよりデカイ声で怒鳴り声
はて?と首をかしげるソウにおっさんが下を指差し視線を誘導する
「ドワーフ小っさ!?」
思わず声に出てしまいしまったと思ったが後の祭り
しかし仕方がないいわゆるテンプレドワーフの見た目で50cm程しか身長がないのだから
「小さくて悪かったの!初対面で印象最悪じゃぞ糞ガキ!」
腕を組み額に血管を浮き上がらせ不機嫌MAXな村長を前に今日は野宿かなと冷や汗をかくソウ