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第24話(第2回H講座)

こうして、やっと僕とユキは結ばれたんだ。


ここまで来るのに結構時間はかかったけど、大満足な初体験を迎えることができたのは水野さんのおかげかな。


ひとつになれた僕らは、ず〜っとくっついていて、そのまま穏やかに眠った。


目覚めてから、温泉に入ったんだけど、誰もいなかったから『掃除中』ってプレートをお借りして、混浴にしちゃった・・・。


ユキとの露天風呂は最高に気持ち良かった。


僕はずっとドキドキしていた。


帰りの電車の中でも、僕はドキドキしっぱなし。


旅館でのユキのこと思い出して、一人で興奮したり、ニヤけたりしてた。


ユキ、とうとう僕ら大人の階段登ったんだ。



翌日、お世話になった恩師に報告に行った。


「まじかよ〜〜!!すげぇぇ〜。よく頑張ったな。ハルっぺ!」


水野さんは僕のお尻をペンペンしてくる。


「ここからが、また重要なんだ。男と女ってのはな。」


意味深な水野さんに、講座を申し込む。


「お願いします・・・。教えてください。」


「仕方がないな〜。屋上いくか。俺もなかなか忙しいんだぞ。今晩も、ハニーの為に腰をフリフリ・・・ってな。」


水野さんの彼女は、幸せだろうな。

こんな楽しくて、人の気持ちわかる人は滅多にいない。


彼女としては、心配もあるだろうけどね。誰とでもすぐ仲良くなる性格と、人の心の中に入る特技を持っているから。



屋上は、夕焼けがまぶしかった。今まで見た夕焼けとは少し違って見えるのは、僕が大人になったからだろうか。


「あ〜。昨日の今頃は・・・。幸せだったな〜!ユキって最高!」


水野さんの真似をして、ふざけてみる。


「そうかそうか・・。その気持ちはわかる。でもな、猿みたいに毎日毎日はダメ!」


「そ、そうだよね。だって、場所もないし・・。」


「そういう問題じゃねーの!相手の気持ちちゃんと考えて行動しなさい。いいか?よくあるパターンでは、毎日求められてるうちに女の子の方は、不安になる。体だけかしら?ってな。」


「あ〜!でも、ユキは大丈夫。僕の愛を知ってるもん。」


「甘いな。初体験を迎えて、女の子もナーバスになってるんだよ。お母さんの目が真っ直ぐ見れなかったり、何か罪悪感を感じてるんだ。」


「そうだよな・・。男の僕でも多少感じるもんな。じゃあ、しばらくやらないほうがいい?」


「それも、また難しいんだな。あまり、手を出してくれないと、私何かダメだったのかしら?って不安になるかもしれない。」


「ちょっと・・!!難しすぎだよ。じゃあ、適度にってこと?」


僕は、今日にでもユキを抱きたいというこの気持ちを見透かされたのかと驚いた。


「ははは。適度か・・。そんな調節ができないのが人間なんだ。毎日でも会うたびにそういう気分になっちゃうのが愛し合う2人・・・。」


「じゃあどうすりゃいいの?」


「ま、好きなようにやんな。今俺の言ったこと頭に入れながらな。ちゃんとユキちゃんの小さな気持ちの変化をわかってやるんだぞ。でも、案外女の子の方がHだったりするからな〜!」


「う〜ん。ユキから誘ってくれたらいいんだけど・・。でも、僕やっぱ我慢できないだろうな。」


「男だもんな。そりゃ仕方ねーな。俺も、昔苦い経験があってさ。仕事で全然会えない時期が続いて、やっと休みが取れたから、つい『ホテルでもいこっか』って言ったら泣かれた。」


「なんで?」


「そう思うだろ?そこが男と女の違いなんだ。俺は、別にただやりたいっていうんじゃなくて、ホテルでのんびりしながら話をして、ついでにHもしようみたいな考えだったわけよ。」


「それは嘘っぽいな。まず、Hでしょ。」


「そんなことねーよ。とにかくゆっくり会いたかっただけ。でも、彼女にしてみれば、ずっと寂しい想いをしてきてやっと会えるのに、ホテル?みたいな。それは違うんだけど、言葉にちゃんとしてないと伝わらない。そう思われても当然だな。」


「じゃあ、そういう時なんて言えば正解?」


水野さんの話本当に奥が深い・・・。


「正解ってのはないけど、もしも俺が『久しぶりだし、ドライブしてゆっくり話したい』って言ってたら彼女は喜んだだろうな。結局は、Hするんだけど。」


「へ〜。なるほど。忙しくて会えなかった時期だから彼女もストレスたまってたんだね。」


「そうそう。女ってのは男と違う生き物だから。感情で生きてるから、ささいな一言でも泣いちゃったりするんだからな。俺の場合、フォローがうまかったから、その彼女とはもうすぐ結婚するんだけどな。」


「え〜!その彼女って今の水野さんの婚約者?すごいね。いろいろあるんだね。」


水野さんと出会えてよかった。恥ずかしくて言えないけど。


最後に水野さんが教えてくれた大事なこと。


「どっちかの家でHする時は、絶対カーテン閉めろ。俺は彼女のお母さんが洗濯物取り込みに来た時に目撃されたことがある。」


とてもいい勉強になった。



僕とユキの恋をカレーに例えるなら、一晩寝かしてちょうど美味しくなった頃かな。


そして、もうすぐお皿に盛り付けてできあがり・・・。

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