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魔力の広がる世界で僕らは剣をとる—序章〜一章編  作者: 443
一章 何が為に剣を取る
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間話 [結衣]余談

 洵と陽翔は無事に同じチームへと落ち着いた。私たちはそれを見届けてルーム内の奥まった部屋、禁室に集まっていた。


「なら、洵のおりもこれで終わりか?」


 この結果が求められたものかは分からないが、真尋の質問への答えは持っていた。


「残念だけど、まだ続くよ? 次の脚本はもう届いちゃってるから」


「今回は始めから教えてもらえたり?」


「それはまだ、難しそう」


 私はそこまで言って、ひとつ覚悟を決める。


「でもそうだなぁ。私さ、用事があるんだ。多分、ほんの数日で全部終わると思うんだけど、その間は真尋が洵に付いててあげて欲しいな」


 あくまでも穏やかに言おうとしたのに、やっぱり声が震えてしまった。

 それを聞いてか、真尋が心配そうに私へと語りかける。


「別に頼まれずともそんぐらいするけどよ……それも私じゃ力不足か?」


「うん、こっちに関しては。でも洵のことを頼むって、すっごい頼れるってことなんだよ? 本当は洵のことも私がやるべき事なんだけどね」


「そっか……絶対に帰って来いよ」


 真尋の真剣な視線が私を射抜く。


「それじゃあ——行きますか」


 それに私は呟きで不誠実に、けれど素直に返すことにした。

 拒否即ち死を意味する招集のために、ソファから立ち上がり恐ろしく静かな廊下を進む。コツコツと、音を響かせるは暗色のブーツ。瞳には魔力が高められ、白く仄かに光っていた。

 さてと。さっさと着替えて、集合場所に行かないと。


 息を長く吐き切ることで鋭く殺意を研ぎ澄まし、精神を安定させる。

 大丈夫。私が消えても代わりはいる。それにきっと、結末は決まっているのだから。

 私は目を瞑り、静かに、味わうようにその人の言葉を反芻する。


『種は正しい環境じゃないと根を張れない。

 適した時期に、適した栄養をやって。

 そうして初めて花を咲かせる。

 そうして初めて未完の欠片が得られるの。


 収穫を急いではいけないわ。

 結実する条件が揃うまで失いながら探し続ける。


 最低限、指示に従ってくれればそれでいい。

 責任は全て“私たち”にあるから』


 その言葉は救いであり、呪縛でもあった。

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