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魔力の広がる世界で僕らは剣をとる—序章〜一章編  作者: 443
一章 何が為に剣を取る
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ep.17 [洵]キャリー

 僕の頼みに結衣ちゃんは頷いてくれた。それから僕らは体調に揺さぶられながらも、三人でダンジョンに行くことになった。

 頑張りすぎたら次の日は動けなくなる。けど、頑張らなきゃ強くもなれない。その境目が、まだよく分からなかった。

 僕は最近キラキラして見える結衣ちゃんと過保護な真尋ちゃんに、オススメの道順や狩場のアドバイスを受けながらダンジョンに潜る。


「次これね〜!」


 僕が弱らせてから倒すという座学で習った戦闘の基本をその通りにしていると、いつからか結衣ちゃんは四肢を削って僕の前に瀕死のモンスターを用意してくれるようになった。

 それはまるで餌をもらう雛鳥のようで、自分が情けなく思える。


「ありがと!」


 だけど、胸に燻るコレジャナイ感はしてもらっている立場の僕には言い出すことができないまま、僕はモンスターにトドメを刺し続けた。


「ここら辺は終わったかな? やっぱりここは出現頻度が低いね〜」


「確かに……なんでだろな?」


 僕の知らない世界の話をする二人に、思わず質問する。


「他のダンジョンはもっと沢山いるの?」


「普通はもっと頻繁に壁とか天井が割れてモンスターが出てくんだけどな」


 確かに、これまでモンスターの出現ポップを見たこと二回しかないや。珍しいことだと思ってたけど本当は違うのかな?


「腕とか脚とかどんな感じ?」


「まだいけるよ! でもあと20分ぐらいしたら出口に戻り始めたいなって感じ」


「オッケー!」


 僕がいつものように調子を伝えると、結衣ちゃんはすぐに進み始める。一緒にいる内に、二人と榊原隊との差がより大きく感じれていた。

 早くて強くてかっこいい。その理由を知りたくなった。


「そういえば、どうして結衣ちゃんはそんなに強いの?」


「ん〜、やっぱりレベル? 結構始めから戦ってたからね! あとは魔力を色々とできるからかな〜」


 僕が冒険者になる前に『レベルアップによる身体能力の上昇が起こらない』と言われたのに、結衣ちゃんはそれと全く矛盾した内容で答えた。けどこの場合は魔力の増加によるものを言っているのだろう。事実、結衣ちゃんは生徒で唯一“魔力による武器の構成”を行える。

 そこまでは理解できた。けれど尚更、もっと根源的な疑問が生まれた。


「じゃあなんでそんなに早い時から戦ってたの?」


 その理由を知りたくて、投げかけた質問に結衣ちゃんの動きが鈍る。


「それは……選ばれちゃったから、かな?」


 表情は見えない。けれど、とても悲しそうな声が僕の記憶に強く残った。

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