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魔力の広がる世界で僕らは剣をとる—序章〜一章編  作者: 443
一章 何が為に剣を取る
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ep.11 [洵]非情なもの

 レベルが1になると、できることが増える。下位自己鑑定ステータスが見れるようになるのはそうだけど、それだけじゃない。一番大きいのは、魔力基礎の授業クラスに出席できるようになったことだった。


 いきなり現れて何かをして、あっという間にいなくなる。いつもそうだったから、今回もすぐに居なくなっちゃうと思ってた。でも、そうじゃなかった。

 他の先生たちみたいにいつもいるわけじゃない。けど、毎週決まった曜日に来て、授業をして帰る。そこに兄弟の会話はないけど、定期的に会えるのが嬉しかった。


 授業は何かを座って覚えるのじゃなくて、まだまだ分からないことも多いみたいだけど、魔力の基本的な使い方を教えてくれていた。

 魔力の使い方といっても、ないことには始まらない。だからレベルが発現するまでは見てるだけだった。

 それも、もうおしまい。やっと僕は、戦うみんなの後ろに追いついた。


 魔力マナは体の中にある力。“器”の準備が整えば、自然と溜まる新しい力。使いこなせば体を強くすることも、人に備わった能力を活性化させることも、全く別で武器を形作ることも自由自在。

 間違った使い方をしたらすごく危険だけど、荒事の中で生きる冒険者には、これ以上ないぐらいに大事なもの。それも、自分のマナが分からないと何も始められない。

 僕たちは最初の壁に直面していた。


 分かる人はあっという間に先に進む。リハビリ中の陽翔も先に行ってしまった。でも、みんながみんな簡単に進めるわけじゃない。僕も絶賛難航中だった。

 感覚っていうのは人によって全然違う。先生にいにがサポートをしてくれたけど、なんかゾワゾワしただけでよく分からない。


 他人のマナがそのまま自分に入ると嫌悪感や、ひどいと痛みが出ると言う。その中からマナを感じ取れれば、自分のマナへの理解が早まると言われているそうだ。

 陽翔は先生にいににサポートしてもらわなくても、言葉を聞いただけで『あぁ!これか!』って閃いていた。でも分からない人はいつまでも分からない。レベルが二桁になっても、もっと上がっても分からない人は分からない。


『才能がない人は一部を除いてこの道から離れるか、早くに死んじゃうよ?』


 今になってやっと、結衣ちゃんの言葉の意味が分かった気がした。

 マナが分からないと、体を補強する《身体強化》ができない。そうなると、残骸種に出会ってしまった時に太刀打ちができなくなる。結局、レベルが上がって魔力が増えても、使えなかったら意味がないんだ。


 陽翔が《身体強化》をして重たい岩を持ち上げる。

 僕はどんどん置いていかれてる気がして、少しだけ胸が痛んだ。

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