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異世界のハマルティア  作者: そそい
根源蝕む悪夢編
36/37

スコープ要らずの殴り合い

撃て!撃て!殴れ!


久しぶりの本作でちょっとキャラの性格忘れてる

「うおおぉぉぉぉ!!」


小柄な体格を活かしてトカゲの飛ばす瓦礫を避けながら接近し、その体の上に跳んで着地するセファ


散弾銃を構え銃口を密着させて接射する

傷口から体液が溢れてくるがごく微量、如何せんトカゲ自体が大きすぎて大したダメージになっていない


「ウシャアアアアァァァ!!」


痛みを感じたトカゲは体を震わせ暴れ狂う

背中に乗っていたセファは空中へ投げ出され、そこへ尻尾の追撃が迫り来る


「邪魔だぁ!」


体を捻って尻尾を回避し、更に手を伸ばして掴まり脚を順に上げて尻尾に乗る


「貰った!」


散弾銃を下に向けて連射しながら尾の上を走って下っていく、至る所がボロボロになり既に千切れそうになった尻尾

それを降り終えた時に跳び上がりながら振り返り短銃を連射して追い討ちをかける


とうとうトカゲは尻尾を動かす事がままならなくなり、ぐったりと垂れ下がる

血が溢れ出る尾を引きずりながら動き回るトカゲ


背のセファを叩き潰そうと豪快に体を回転させローリングをする

周囲の建物も巻き込まれ倒壊し、瓦礫はより細かく砕かれていく


「チッ…………なっ!?しまっ……!」


地面に着地して硬直したところをトカゲの手が上から振り下ろされる

どんどん手が近づき自分と地面に注がれる影が濃くなっていく


「嬢ちゃん危ねぇ!」


完全に手が振り下ろされ地面が叩き割られる

しかし間一髪でウォンバットが彼女の手をつかんで助け出し事なきを得た


「はぁ……大丈夫か?」


「あなたの助けなんて無くとも」


感謝を伝えることなく立ち上がるセファ、手をはらいのけ失礼な態度をとり続けるがウォンバットの方は気にすること無く安心の表情を浮かべる


そして真面目な顔つきに戻り彼女に重みのある声で話しかける


「いいか?あのデカブツを倒すには力を合わせる必要がある、俺の神器(ガントレット)じゃトドメを刺すのは難しいだろうな、だからお前がやるんだ!脳天でも心臓でもいいからブチ抜け、俺がサポートする」


「……えぇ、分かりましたよ」


ウォンバットの方へチラリと目をやり彼の様子を見ると肯定の言葉を出す


「ん……くるぞ」


構えるウォンバットとセファ


そこへトカゲが手で弾いた瓦礫が飛来する

ウォンバットはそれらを殴って弾きセファを守る


「ジャアアアアィァァァァァ」


自らの足をジタバタと言わせながら這い寄るトカゲ

そんな可愛らしい表現で収まるような被害では無いが


「ギャイイイア!」


大きく口を開けて飛びかかる

二人は横に飛んで避け、トカゲは口に入った瓦礫を吐き捨てる


「(あのトカゲ、さっき撃って分かったけど貫通できない硬さじゃない…連続でゼロ距離か、長銃ならいける)」


走りながら体の側面を眺める

こうして見ると本当に大きいトカゲだ、サルコスクスなんて目では無い、アパトサウルスとかそういうのと例えた方がいい

何故こんなのがこれまで発見されなかったのかと考えるセファ


「関係あるのか?これも……魔族に」


ウォンバットの方は早々に眼球を狙って拳を振るう


「オオラァ!!」


「ギャゥルルゥゥウウウ!?」


彼の拳はその衝撃で大きくトカゲを揺らし転倒しそうになる

瞼越しに殴りつけられると悲鳴を上げ怯むトカゲ


怒って大きく口を開き飲み込もうとするも外れる

そしてウォンバットは隙を見逃さない


「フンンッ!!」


ボガァン!!


神器の圧倒的パワーによる強烈なアッパー

ただの拳では起こりえない轟音が響く


そしてウォンバットは怯んで下がってきた顎を掴み、勢いをつけて自身を情報に放った

頭上に着地するとひたすらに拳骨を浴びせまくる


「図体はデカくても脳味噌はそのままみてぇだなぁ!!」


「アアアア!!」


トカゲは首を上に上げてウォンバットを排除しようとする、それを彼の拳が迎え撃つ

パワーはウォンバットが圧勝し、トカゲの頭が地面に打ち付けられた


「嬢ちゃん今だ!今のコイツは脳震盪ぐらいにはなってる!」


「……!」


ウォンバットがセファの方に叫んでチャンスを伝える

確かにトカゲは今、完全に力なく倒れており無防備だ


やるなら今しか無いだろう


セファは跳んでトカゲの背に乗り、心臓部であろう所の上に立った

そして銃を、長銃カスパールを構えて密着させる


本来なら距離のある相手に使う事が多いが単発の火力や貫通力はコレが優れている、この場合散弾銃のマグヌスよりももっといい


「喰らえ!」


引き金を引く


ドン!


一発


ドン!


二発


ドン!


三発


そこまでの連射の利く代物では無いため一気に畳み掛ける事は出来ないがそれでも十分だろう

現にトカゲは血を吐きながら絶叫しているのだから


「ギエゲェェェェェエエエエエ!!!」


間違いなく急所に到達している


もう少し、もっと深く弾丸を撃ち込んでやればきっとトドメをさせる


「まだだ、死ぬまで撃ち込んでやる……!くたばれクソトカゲぇぇ!!」


更に撃ち込もうとした、その時だった


突如トカゲが力強く暴れ、セファはバランスを崩して落下する

トカゲは自身のボロボロの尻尾を咥えると、そのまま引きちぎってしまった


「なんだと!?まずい、嬢ちゃんッ!!」


咥えた尻尾、それで空中の動けないセファを叩こうとする


「ギャルァァァァ!!」


尻尾が振り翳され、確実に彼女を捉えていた

しかし


「嬢ちゃん!」

余談 ウォンバットの神器のガントレットは現役時代に使っていた物で引退して国に返しましたが、この騒ぎで急いで王城に凸って強奪同然に持っていきました

邪魔な兵は殴り飛ばしました

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