赤い髪の魔族
お前は!
魔王城の一室、そこにはエリスのメンバーが集っていた
一人知らない顔、以前は散歩でいないとヴァルバが言っていた男がいる、机に足を乗せ椅子を半分後ろに倒して特徴的な赤髪を揺らす
鼻歌混じりでリンゴに齧り付く姿はどこか子供っぽい
エリニュスが口を開く
「今度は何の集まりだよ、なんとなく検討はつくけどよ、バリウスのことだろどうせ?」
「勘がいいね、身をもって彼を知ったおかげかな?」
煽るようにユニが言う、しかしそれとは別に笑みが押えきれないといった様子だ
さっきから笑顔かつ笑い声が漏れ出ている
「気持ちわりぃ、さっさと言え、俺はやるべき事があるんだ」
「そうだね、実は私の目的が叶いそうでね…おかげでもう面倒な人類への侵攻も必要無くなった、鍵の主を探し出すのが理由だったからね……」
そこへヴァルバが焦ったように言う
机を叩いて立ち上がりユニ方へと体を前に倒す
「ちょっと待ってくださいよ!じゃあ人類の支配はどうなるんですか!」
ヴァルバの目的は人類の支配、ただ純粋にそれだけである
気弱な彼にとって仲間が居なくなるのは大問題だった
「今言っただろう、もはや私には不要だ、だが…少し私に協力してくれたら、お返しに私からも手助けをしよう」
「本当ですか!よかった……」
ホッと一息つくヴァルバ、ゆったりと椅子に座り込む
そして残り二人にも提案をするユニ
「君達もどうかな、彼らと闘ってくれれば……」
「俺は俺の意志でバリウスと闘う、あいつは絶対に俺が倒す……邪魔はするな」
言い終わる前に拒絶の意志を見せるエリニュス
そして残り一人、赤い髪の魔族カラミティは
「うーん、つまり強い奴と闘ったらなんか色々してくれるってこと?人類の支配は二人じゃ面倒だし分かったよ、そいつらも面白そうだし」
軽く二つ返事で了承した
「そうか、それは嬉しいよ、じゃあ私の指示に従ってもらうよ…後で話そうか」
そう言って椅子から立ち上がるユニ
向かった先は扉の横、そこには何やらうめく二人組がいた
それはまさしく柳と狩苑だった
「あえて言わなかったけどよ、そいつら何なんだ?」
「使えそうだったからね、実験体とか、色々と」
そう言うと二人の口に触れるユニ
そしてその瞬間二人は騒ぎ立てた
「口が開いた!さっきまでひっついてたのに!」
「ここから出しやがれ!!クソ!なんで壁とひっついて離れねぇんだ!」
足をジタバタとさせて暴れる
ユニはいつもの口調で話す
「君達はバリウスに復讐したいそうじゃないか、私に従えばそれができる、どうかな?」
「うるせぇ!んな事よりさっさとこれを!」
聞く耳を持たず暴れる狩苑を見ると、ユニはいきなり笑いだした
「ハハハハ、流石に無駄なおままごとが過ぎたね、少しいじくらせてもらうよ、君の心をね……」
そう言うとユニは二人の頭に触れるのだった
大魚の頭を斬り落としたバリウス、服を拾い魚体から飛び降りて数十メートル落下し着地する
氷一枚が割れ足が沈み次の層が見えた
「なるほど……何枚もあんのか……」
そこへマイナスがいの一番に駆けつけた
バリウスの手を取りシッポを荒ぶらせる
「王よ!あぁ血が…今すぐに治療しなければ!」
「水で洗っとけば大丈夫だ、にしてもこの魚は一体…この森特有の生物か?それともエリスの仕業か……」
いくら異世界で未知の領域とはいえ、こんなモノが有り得るのか、謎の多い生物だ
この先もこんなのが出てくると思うとかなりの不安要素だ
関係ないがふと彼は思った、食べられるのかと
「いや食べたくないな……食えるにしても」
すぐに正気に戻るとマイナスと共に陸に戻ってフィリアと伊野と合流した
勝手に先走っ結果こんな事になってしまったが幸いにも被害は少ない
伊野の方も普通に歩いて大丈夫そうだ
「これ返すよ」
フィリアの太刀を渡して返却する
中々斬れ味のいい神器だったと伝えて少し笑った
「休憩したら早く行くか……既にバレているかもしれないからな……」
嘔吐と頭痛の症状でつらいし旅の流れが全く決まりません助けて、あと感想など貰えると嬉しいですお願いします何でもしますから




