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異世界のハマルティア  作者: そそい
根源蝕む悪夢編
14/37

天秤にかけても

ローエイ共闘!

「ローエイちゃん…流石にあなたと闘うのは気が引けるわねぇ……」


額に少しばかり汗を浮かばせる女、しかし眼はローエイを捉え警戒を全力で行っている


「お前の狙いは俺だろ!」


「あらっ!?と、」


不意打ちのパンチを紙一重で躱し、今度は狙いをバリウスに定める


「リガァヌちゃん!そっちお願いするわねぇ!無理はしないことよぉ!」


「了解…自分、生命、優先」


これで数の差はなくなった、と言いたいがローエイは別に味方では無い、彼にも警戒はしなければならない


それは兎も角として、お互いに戦闘が始まった


「ダアッ!」


バリウスのパンチをひらりと身を動かして腕の下をくぐって回避する

追加で来た二発パンチも手のひらで防いで即座に反撃に移る


手に1本の針を出して下に投げると自身は後退する


「……!!」


追おうと足を動かそうとするも何故か動かない、下を見れば針が靴を貫通して地面に突き刺さっている


「(あえて足を避けて反応を遅らせたか!)」


「まだよぉ!手数には結構自信があるの」


そう言って数十本の針を出現させる、単発なら耐え切れるがアレは無理だろう


「返してやる!」


風魔法で軌道を変えようとするも、それを妨害する様に足の針が爆発する


ボォンッ!


「ぐぅっ…」


風魔法が中断され大量の針への対処が出来なくなってしまった、万事休すか


と思ったその時


!!──────────


針のがいきなり右方向へと飛んで行った

今彼にお節介をするのは一人しかいない


「どうした!戦闘の基本は教えてやっただろう!」


ローエイだ、ローエイが衝撃波を闘いの合間を縫ってサポートに放ったのだ


「うっさい!」


パシッ


運良く弾かれなかった針の一本を手に取る


「型のある丁寧な闘い方なんて俺には合わないんだよ!」


ヒュッ


そしてその針をローエイ目掛けて投げた

それを見たローエイは


「!ほらお前の玩具だ!」


リガァヌをいい位置に蹴り上げる、針はリガァヌに命中しそのまま爆発を迎える


「俺からもプレゼントだ、死ねぇッ!」


自身も魔法弾を放ちリガァヌは針の爆発とローエイの魔法弾、二つをモロに喰らうハメになった


「…………デアッ!」


バリウスが右腕のパンチを繰り出す、それを腕で受け止めもう片方の手で魔法の発動に入るも


バシッ!


バリウスに腕を蹴り上げられ失敗に終わる


「デェイ!ハッ」


今度はワンツーパンチを叩き込み、怯んだ隙にどてっぱらに風穴を開ける勢いで蹴りをぶち込む


ボゴォォ!!


「くうぅぅんんっ!これならどうかしら!」


後退しながら針を飛ばしてくる、だがそれだけでなく上空にも幾つか針を投げ捨てている

このままだと雨のように針が降り注ぎ、時間差を利用して触れた瞬間即着弾だろう


まずは目の前の迫り来る針について考えていたところ、突如横から強襲が入る


!!──────パキッ───


それは氷だった、氷の壁が横から生えてきて針を包み込んだ


「まさか……」


「間に合った…バリウスくん!」


「やればできるじゃねぇか伊野!」


伊野藪海、彼が助けに駆けつけてくれたのだ


針が爆発して氷の破片が飛び散ると、それを押しのけて女へと接近するバリウス


しかし忘れてはならないのがもうひとつ


「上のも頼む!」


「分かった!」


上空に投げられた針を視界に入れると手に魔力を込める伊野

初めての魔法弾だが不安を押し退けて放った、その勢いにより後ろへバランスを崩すがギリギリ倒れずに済む

目を開けると自然と魔法弾が視界に入った


──────────!!


魔法弾は上空で爆発すると、針は粉々に消滅した


「ハァァァ!!」


「なぁんなのよぉ!」


!!──


顔面に拳をめり込ませると、そのままの勢いに身を任せて数十発のパンチを叩き込んだ


「やっとその口閉じたなぁ!まだだぁ!」


ゴッシッ


姿勢を低くして足払いで宙に浮かせると、アッパーをその背に振り上げる


バコォォォォッ!!


「くたばりやがれぇっ!!」


上方向に左足を伸ばして蹴りを入れると、その場で一回転しての蹴りを再度入れ、シメにもう一回転してストレートな蹴りをお見舞いするのだった


バコォォォォッ!!


「きゃぁぁぁああ!!!」


女は闘っているローエイの方へと飛んで行った


「地獄で先に待ってろ、そしてリュディに詫びとけ」


果たして地獄の声は天国に届くのか










リガァヌの闘いは一方的であった


避け、隙を狙って攻撃する、それだけの魔法も何も無いシンプルなやり方であった

ただそれが圧倒的であった


「ガァァッ!!」


リガァヌの悲鳴が響く


攻撃を受けて着地して立ち上がっているところを容赦なく攻め立てるローエイ


「フンッ」


右足で左足、次に左腕で右頬、右腕で左腕、左腕で右腕、右足で左足と順に各種関節などに打撃を加えていく


ボゴォ!


「ガァゥアッダァァァアア!!」


そして最後は腹に拳を入れて吹き飛ばす


「今度は何だ」


未だリガァヌと闘っているローエイはまたバリウスの方から何か飛んで来た事に気づく


「あいつか……」


「ウヴァっ!」


「フンッ!」


!!──


「ゲアァッ!?」


飛びかかるリガァヌを避け、腹部に膝蹴りが鈍い音を立てて入る

そして後頭部を掴むと地面へと叩きつける


!!───


地面の破片がリガァヌの顔面を中心に飛び散る


「フフフフ、俺が何をするか分からないから止めに来たんだろうが、この程度では俺には勝てない、ハッ!」


ドッ───


空高く飛び上がると空中にいる女を捕まえる

そして方向転換し足を上に向けると、空を蹴って加速して落下していく


「ハアアア!!!」


!!!──────


加速した勢いのままに女を倒れているリガァヌの上から叩きつける


これでまとめて戦闘不能だろう


「フフフフ、馬鹿め、ユニ、お前にとっても悪くは無い話だと言うのに」


不敵な笑みを浮かべると、倒れた二体を放置してバリウスの方を向く


「ほう…(あれは、あの怪我、かなり心配性だったらしいなあの女は)」


「リュディはいるのか……」


鋭い目つきで問う


「あぁ居るとも、朝からわざわざ俺を探して来ていた、部屋で今も待っている」


「何もしてないだろうな…!」


「していない、お前はこれから…まぁいい、お前と険悪になりたい訳じゃあない」


「どの口が……!」


怒りの言葉と表情を出し威嚇するバリウス


「喧嘩はやめようよ、ね?」


何やら怒っているバリウスを宥める伊野


「(確かに俺がやったことだ、だがそれが今の全てを齎している、お前がそれに気づくのは…)」


ローエイの表情は笑みから変わってはいなかった


「丁度いい機会だ、お前がこれからやるべき事を教えてやる」

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