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第二話 市街地にて

 「こちらガイアース。現着だ!」


 カタパルトで基地外に射出された俺は、雲越え、山越え、戦場である市街地に到着した。

 華麗に着地し、ガイアースの顔部分に搭載されてるスピーカーで大々と現着と言ったつもりだが、響き渡る銃声や爆発音。戦場から避難しようとしている人たちの声。地上の迎撃部隊のみんなや避難している人たちからの歓声はなかった。ちょっと残念だが、状況が状況だ。そうそう歓声なんてあげる元気など、みんなない…。


「独り言か、パイロット?」

「そんなんじゃねえよ、あんたは?」

無線での通信が入った。


 「地上迎撃部隊、指揮を担当している手塚だ。こちらは現在、弾が切れかけの状態でな、後退しつつ迎撃を行っている。お前がきたのはナイスタイミングだ。あとはまかせたぞ。」


「了解!」


 俺はそのまま敵宇宙船のもとへ向かった。 敵宇宙船は現在、市街地の中心付近に浮遊しており、街を攻撃している。


「あー、あー、こちらガイアース。宇宙人ども、さっさと元いたところに帰りやがれ!。 そうすりゃ、見逃してやってもいいぜ。」


宇宙船に向かって、腰に手を当て指を差し言った。

「ばか! 何を言っている!?」

 雷鉄博士がスピーカー越しに大声で反応した。


「だって、ただでさえ空も飛べねーってのに、どうやってあんな、デカ物とたたかえと!?」


 現にそうだ。この機体にはジェットパックが装備されておらず、ついてるとしても着地の際に使う落下の勢いをなくすためのものや、パンチやキックの勢いをあげるブースト用の小さなやつぐらいで、空を飛ぶにはパワーが足りなすぎる。ガイアース開発メンバーいわく、予算が、すっからかんらしい。たしかに GAIA は急遽作られた組織だが、一応地球を守るために作られた組織だ。我ら地球人類の母なる地球を守るのに金をケチる、ドケチクショウが、どこにいようか。


 「あんた、なんであたしたちと同じ言語使えるのよ?」


敵宇宙船の方から女の声がし、ホログラムが出現した。見たところ姿は人間に近く、14か15歳近くの体格だ。


 「同じ言語って、は?」


 同じ言語って、どういう意味だ? あいつらとの最初の方の戦闘でもコミュケーションはとっていたはずだ。



「どういうことだ?こちらはコンタクトをとっていたはずだぞ。」

「だってあんたたち、こっちは文章をホログラムで出してるってのに、ライトをチカチカさせてるだけじゃない。」


 まさか、モールス信号のことを言ってんのか? それがわからなくキレて太陽圏を攻撃した!って、アホみたいな話は勘弁してくれよ…


「まあいいわ、私たちの攻撃は止まらない。この地球を手に入れるまで。」


敵宇宙船から大量の小型円盤が続々と出現し、戦闘体制に入った。


「そんなちっちぇえ円盤如きに、やられっかよ! ラヴァヒートネイル ヒートオン!」


 ガイアースにはバーンストーンで作られたナノマシンが搭載されており、様々な武器に変形したり既存の装備を強化することができる。ラヴァヒートネイルは高熱を纏った爪装備で、ナノマシンで形成し、ガイアースの両腕に装備させる。しかも熱のオンオフ可能の便利物だ。

 敵宇宙船から出現した小型円盤を破壊しつつ、ビルをラヴァヒートネイルで駆け上り、宇宙船本体に攻撃を試みたが、あっけなくビームで吹っ飛ばされてしまい、市街地のビルに激突してしまった。

 「いってー、こなくそ…って生体反応? どこだ?」


ガイアースのレーダーが人間の生命反応を示し、辺りを見回してみると、ガイアース後方のビルの瓦礫の影に10歳くらいの少年が隠れていた。


「あ? ガキ?」


 ガイアースの手を子どもに差し伸べ、ガイアースのコックピットへ入れた。


「おい、なんであんなとこにいた?」


子どもの頭についていた砂利やほこりをはらい、質問した。


「お父さんとお母さんと一緒に避難してたんだけど…、宇宙人の攻撃に…、巻き込まれて…、僕をかばって…それで…」


 少年は、自分の目から流れる涙を自分の手で拭きながら答えてくれた…。


「そうか… 、 お前、名前は?」

「はじめ…、虎牙一(とらき はじめ)

「そうか… はじめ、しっかりつかまってろよ。」


 俺は頭に装着していたパイロット装備のヘルメットをはじめにかぶせ、ガイアースの再起動を行い、ガイアースの崩れていた姿勢をもとにもどした。


「お前の親御さんは生きてる!! 多分…いや絶対!! だからまず、敵をやっつけるぞ。」


俺なりにはじめを元気づけ、ガイアースを戦闘体制に戻した。


「…っは、はい!!」

「いい子だ。」


 はじめの涙がとまり、いい目になった。だが、状況は変わらない。相手には最悪、こちらの兵器が通用しない可能性がある。だがそれでもやるしかない。


「司令室、イナズマブレード要請!」

「了解。イナズマブレード、射出。」

 イナズマブレード。まだ運用試験の途中段階だが、ガイアースの装備だ。これは月で開発されており、敵宇宙人の地球への予想到達時間の都合上、完成が間に合わず、最低限の機能だけを完成させ、急遽戦闘配備された。


「雷装!」

 

 ガイアースに内蔵している、ナノマシンでイナズマブレードを強化した、再戦の準備が整った。

さぁ、こっからが第二ラウンドだ!



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