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リストラされた女②

店を合併してすぐのことだった。


その時はまだ、私が退職することをお客さんは誰も知らないはずだった。

はずだったのに、偶然スタッフと常連のお客さんの話を耳にする。


「合併したってことは、スタッフを減らさなきゃいけないよね? ユイちゃん(仮名)は育児休暇明けて戻ってくるって聞いたし、そうなれば1人いらなくなるでしょ? もしかして、コウさん辞めるの?」


なぜ私の名前がそこに出るのだ。

しかしこの時だけではない。


他のお客さんからも「コウさんってさ、店辞めるんでしょ?」と、直接聞かれたこともある。


私の口からはお客さんに真実を伝えてないのに、なぜこのような事態になっているのか。

スタッフも誰一人として口外していないと言っていたのだが……。


だとすれば答えは一つしかない。

常連のお客さんからしても、私は要らない存在だと思われていたから。

リストラ候補に挙げるなら、私しかいない、と。


他のスタッフに比べて影が薄く、おとなしかった私。

8年もいたのに、この事実に気付いた時はさすがに苦しくて声を上げながら泣いてしまった。


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