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草を食う女③
翌日、再び公園を訪れた。
調べたところによると、タンポポに似たブタナという雑草は食べられるらしい。
花はなくとも似たような雑草が生い茂っている場所を見つけ、
虫食いのない綺麗なものを見繕う。
それだけでは味気ないので、
名称の分からない雑草もついでに摘んでおいた。
帰宅してからそれらを洗い、水気を取る。
食料はなくとも調味料はあったので、天ぷらにすることにした。
腹持ちを良くするため、衣を厚く纏わせ油で揚げる。
とはいっても、ただの葉っぱなので妙にペラペラとしているのは致し方ない。
揚げたてを食べてみると、サクッとした食感と共に襲ってくる不快な苦さ。
本当にこれはブタナという雑草なのだろうか。
もう1つのよく分からない雑草もひたすらに苦い。
なんとか食べ終えたが、口の中に残る強烈な苦味は消えなかった。
ネットではブタナは「美味しい」と書いてあったはずだが、
春からしぶとく生息していたブタナは、もはや食べ頃を過ぎていたのだろう。
お前は私か。
この日もシケモクを吸いながら、虚しさを紛らわせた。