表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悲劇の悪魔は自由奔放に活動する  作者: ねお
第一章 日常の崩壊
7/37

引っ越し準備

結局、銃を撃つことになった父さんが引き金を軽く引くと、銃声が響いて自分の右腿辺りに当たる。

父さんは簡単に発泡できたことに焦るが、無傷の自分を見て呆れた表情をする。


…平気だろうとは思っていても、実際に銃口向けられると怖いな。


「…お前な。人の心配返せ」

「実は自分自身どれくらい頑丈になったか分かってなかったから、良い検証になった」

「馬鹿かお前!?」


とは言われてもな。

自分で試そうにも、どうすれば良いか分からなか…あ、魔法を自分に向けて撃てば良いだけじゃ?


…いやでも、制御できない内に魔法で試したら危険だったかも。

大丈夫だという証明もしたかったし、別にこれでも良いか。


「…まあ、お前が何かされても平気なのは分かった。だが無闇に能力をばらしたりするな」

「それは分かってる。試してないが一部の記憶を消すことも可能だろうし、心を覗けるからまず信頼できない相手に教える事は無いと思う」

「…俺には分からんから何も言えん。仲間がいるならくれぐれも巻き込まないようにな」

「…一生買えないと思ってた時計なのに…」


仲間はいないから心配することはほぼ無さそうだが、忠告はありがたく受け取っておこう。

ちなみに母さんはさっき出した時計のせいで放心状態だ。


「そうか…それで引っ越すことにしたんだな。確かに未知の力を調べるのに周りに人も建物も無い田舎は丁度良いだろう。残しておいて良かった」

「そういうこと。ただ1つ聞きたいんだが、なんでその買った家はそんなにでかいんだ?」

「詳しくは聞いてないが、以前住んでた人は子供が多かったらしい」


なるほどな。

実際に見たことは無いからどれくらい大きな家なのかは分からないが、子供を多く連れていても窮屈に感じないくらいには広い家…と予想しておこう。

子供が多いとはいってもどれくらいにもよるが。


「ちなみに、家の周りってどれくらい使われてない土地があるんだ?」

「半径2kmくらいじゃなかったか?」


…自分は砂漠か何かに住むことになるのか?

広範囲に渡って土地の購入者が誰もいないのは流石に驚きだ。

とはいえ、そのおかげで能力の確認も修行もできそうだしありがたく使わせてもらおう。勿論土地は買っておく。


ただとてもじゃないが、富豪には全く見えない自分が億単位の金を持って買いに行くのは不審に思われるだろう。それに折角の能力だし、信頼できる相手かどうかを判別した上で正体と事情を話して、今後上手く活動できるようにするのもありかもしれない。

流石に金を生成するのはまずいから、宝石等の高く買い取ってもらえるものを用意してあちこちで売る。1つの店で沢山売っても店側が大変だし、金の用意に相当時間を要すると思うからな…


軽く1000億くらい用意しておけば問題ないか?

…明らかに多すぎるが、何があるか分からないからな、うん。


「それだけ広いなら大分自由に過ごせそうだな。土地も買っちゃうか」

「ちょっと待て…いくらすると思ってるんだ、半径2kmだぞ?」

「何十億いるんだ?」

「……頭が痛い」

「西郷、さっき萬はバレないようにって言ってたよね?そんなことしたら不審に思われちゃうと思うわよ…?」


復活した母さんが言う。


「それは分かってる、だから不動産の人で信用に値する人を探して繋がりを持っておく。あと宝石店の人とも関係を持っておきたいな」


不動産は今後もお世話になるだろうから関係を持っておく。宝石店の人は、新種の宝石を渡して売ってみてもらいたいって魂胆だ。既存の宝石売却は、価値の急落を考えるとあまりしたくない。

どうやら「創造生成」というのは想像力さえあれば存在しないものでも作れるらしく、その気になれば新種の宝石も作れるらしい。

それだけならまだ可愛いものだ。想像力次第で作れる、ってことは全て作れると言ってるようなものだからな…いや流石に全ては無いと思うが。


「…本当に気をつけろよ…?」

「大丈夫だって…」


心配性だな…確かに気を付けないと危険だけど。


用が済んだので、家を出て「術者透明化」で自分の見た目だけ消すのをイメージして透明状態にする。

透明人間ってあんま良いイメージ無いよね。


翼を出して飛び立つ。

引っ越しも今日中に済ませたいから、まずは自宅に寄って準備を済ませた後に引っ越し先である両親が買った家に移動しないといけない。ただ結構遠いらしいんだよな…最低でも10kmは離れてるって言ってたか。

まあ翼があるから移動は簡単なんだが、まだ飛行は慣れてないし今の内に練習しておきたい。


家に戻りつつ、練習せずとも思い付きでイメージすれば習得できないか試してみるか。





ダメだった。


自宅に着くまでに色々試してみたが、流石にそこまで楽するのは許されないらしい。

スキルさえ持っていれば技術を扱える…みたいなことはできないらしい。…何でもできるんじゃないかって思ってたから、逆に安心したけど。

そもそもがズルすぎる能力のため、習得できなくとも別の手段をいくらでも考えることができてしまうが。


さて、引っ越すにも荷物の移動をしなきゃだし「異空間収納」を頭に浮かべながら棚を収納…

…あれ?できない。作ろうとすると、魔力と思われる感覚が途中で霧散してしまう。異空間を開くのと、収納の2工程あるんだが、まず異空間を開くことができない。


じゃあ「異空間生成」で、最初に自分専用の空間を作ってみる。これは魔力が霧散しないからいけてるっぽい。


「…あれ?なんで?」


異空間どこだ?

作れたと思ったが、それらしき空間の裂け目が無い。魔力がどうこうなったわけじゃないし、生成は成功してるはずなんだが…


試してみるか。

近くにある大きな棚に触れて、


「異空間収納」


と呟く。直後、触れていた棚が消えた。どうやら見えないタイプの異空間らしい。

収納後、右に透明なウィンドウのようなものが出てきて「異空間収納リスト」という文字と、さっき収納した棚の名前が出てくる。


…「大きな棚」って。名前雑だけど、多分自分の性格が関係してるな。

細かい名前を覚えるのが苦手だし、こればかりは仕方無いが。


とりあえずまだまだ使えそうなものは全部収納して、使えないものがあったら「創造生成」で代わりを出すとしよう。

「万能」というのは素晴らしいものだと思いますが、人の身でそれを持つとどうなるかは分かりませんね…

あまりに何でもできてしまうと、その人が元々持ってた人格を簡単に壊してしまうんじゃないか…って、勝手に思ってます


後ほど土地の価額について調べた所、どうやら手をつけてない土地とかでも半径2kmは50億近くするっぽいです。

それを踏まえて修正しておきました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ