助けという希望
3話です
ガチャ
少女の家の扉を開けた。ずいぶん広めの家に住んでいるようだった。
「ねぇー!帰ってきたよー!」
少女が叫んだ。帰りが遅くなってしまったこともあり心配しているかもしれない、ちゃんとこれまでの出来事を話そう
「どうしたの?!リタ帰ってくるの遅かったけど大丈夫だった?...てあなたは...?」
俺が少女の代わりにこれまで会ったことを全て話した
遅くなった理由、そして俺がいる理由
何もなかったとは言えないこの状況、少女...リタちゃんというのだろう、話している間リタちゃんのお母さんが心配そうな顔をしながら話を聞いてた。
当然だ
その間に奥の方から誰か人がやってくるのを確認できた
「リタ。大丈夫だったのね、よかった。リタを救ってくれたお兄さん。ありがとうございます。」
姉だろうか。心配してきたみたいだ
とても綺麗な人だ。というかみんな綺麗な人だ、心も透き通っていると感じられた。
聞くとリタちゃんはとてもハート強い子のようで、どうしてもおつかいに行かせて欲しいとのこと、お母さんにいつも頑張って貰ってるから代わりにということだそうだ
「中でゆっくりしていってください...!どうか感謝をさせてください!」
「いや俺は大丈夫ですよ...」
と拒んだが、姉らしき方が俺の手を握ってきてまで、
"お願いします。命の恩人なんですから"
と見つめて言ってきて断るにも断りきれなかった
ここは言葉に甘えることにしよう
家の中にお邪魔をし、椅子に腰をかけた
話の話題はまずサインのことを言った
「さっきも話した事なんですが、タダンのサイン。せっかくリタちゃんが貰ったのにこんなんになってしまって...あの子も悲しいだろうなと思って」
「確かに、悲しいのは悲しいと思います。でももっと嬉しい事があると思います。あなたが助けてくれた事です」
俺が助けたこと
そう言ってもらえると自分自身も嬉しくなる、あそこに居合せていなかったらどうなってたんだろうかだとしてもあのまま見過ごしていたら。
「助けた事...それがきっかけで立ち直って貰えたら、僕も嬉しいです...」
ぶるるるるるぶるるるるる
急に電話が鳴った。リタちゃんのお母さんの方から鳴ったみたいだ。お母さんはすみませんと言ってリビングを出ていき扉を閉めた
するとリタちゃんと遊んでいた姉の方が口を開く
「私たちのお母さん、とても病弱なんです。」
俺は急に言われた事にびっくりしたが冷静に話を聞いた。
なんと聞いた話によればひどい病を持っていて病院に通って薬を常備しないといけない程のものだそうだ。
だから電話に出たのもそれ関連のものだとのこと
「私が守らなきゃいけないんです。2人とも。だから本当、助けてくれたの嬉しいです。...あ大丈夫ですか首元から血が...はぁあむ」
?!姉の方が急に俺の首に口付けをしたようだった
「あ、おねえちゃんチューした!」
姉の方は慌てた様子で
「あああ...!違います!!!すみません!!!よく包丁なので切ってしまったりした場合は指を口で治癒するのでつい...!ごめんなさい!!!」
俺は心臓の鼓動が止まらないがなんとか気にしないでくださいと何回か言った。
なんとなく気まずかったが。
だが姉の方。いや彼女が"治癒能力"を持っているとわかって希望の光を感じた。
これからも頑張ります