【漫才】白雪姫・毒りんご
ボケ「みなさん、白雪姫って知っていますか?」
ツッコミ「白雪姫と言ったら、怖い王妃が「鏡よ鏡、この世界で一番美しいのは誰?」と聞いたら「それは白雪姫です」と答えたので、白雪姫を殺そうとする、お城を追われた白雪姫は七人の小人と一緒に暮らしていたが王妃の手により殺されてしまう。そこを王子様に助けられてハッピーエンド……こんな感じですよね?」
ボケ「そうそう、魔法の鏡、七人の小人、毒りんごが出てくるのが白雪姫。でもねぇ、このお話って、何だか疑問を感じるんだよね」
ツッコミ「どこが疑問なのよ? 全然疑問点なんかないよ。美しい白雪姫に、継母である王妃が嫉妬して白雪姫を殺そうとする話ですよ、それを七人の小人や王子様に助けられてハッピーエンド。誰もが認める名作じゃないですか?」
ボケ「全体的に見るとそうなんですけど、疑問なのは白雪姫の殺し方なんですよね。つまり毒りんご」
ツッコミ「毒りんごのどこが変なんですか?」
ボケ「じゃあ、ちょっとやってみましょう。あなたが王妃で、私が白雪姫」
ツッコミ「まあ、いいけど。七人の小人が留守の間に王妃は老婆に変装して、白雪姫にりんごを渡すんでしたね。ほらお嬢さん、このりんごをお食べ」
ボケ「まあ、おばあさんありがとう!」
ボケ白雪姫、可愛らしくりんごを受け取る。
ツッコミ「さあ、一口食べておくれ」
ボケ「いいえ、それは出来ないわ。だって、りんごをまるごとかじったら歯茎から血が出ちゃう」
ツッコミ「だったら、ほらこのナイフで皮向いて食べておくれ」
ボケ「ありがとうおばあさん、でも、せっかくの美味しそうなりんごですもの、私がお世話になっている七人の小人さんたちと一緒食べようと思うの」
ツッコミ「いやいや、そんなことを言わず今味をしてくれないかい? ほら、まだこんなにりんごはあるから」
ボケ「まあ嬉しいそんなにりんごがあるなら、リンゴジャムやアップルパイも作れるわね! 今度はおばあさんもぜひ……」
ツッコミ「はよ食えや! なんでりんご食うだけのシーンでこんなやり取りする必要がある!?」
ボケ「そうなんです。どうしてりんごなのか? どうしてこんなに回りくどいやり方なのか? って疑問なんです。一口食べたら死んでしまう毒りんごだけど、その一口を食べさせるのは意外と難しいし、もっと簡単な方法があると思うんです」
ツッコミ「まあ、確かにそうかもしれないけど。じゃあ、何で殺すわけ?」
ボケ「一口食べたら、死んでしまう毒みかんとか」
ツッコミ「みかん!? あんまりかわらんけど?」
ボケ「では実際やってみましょう!」
ツッコミ王妃、ボケ白雪姫に毒みかんをすすめる。
ツッコミ「太陽をたくさん浴びた美味しいみかんだよ」
ボケ「わあ、おばあさんありがとう! とっても美味しそうなみかんね!」
ツッコミ「そうだろう、さあ、ぜひ一口食べてみておくれ、とっても美味しいよ」
ボケ「うん、みかんなら歯茎から血は出ないもんね」
ツッコミ「その設定生きてたんか」
ボケ「皮を剥くのにも、ナイフはいらないし、とっても食べやすい」
ツッコミ「そうだろう。さあ、早く食べておくれ」
ボケ「フフ、おばあさんはみかんってヘタの方から剥く? それともお尻の方から剥く?」
ツッコミ「どっちでもいいがな、はよ剥けよ」
ボケ「いやだ、私ったらお尻から剥くとか言って、何だかはしたないわ」
ツッコミ「どうでもいいわ! しょーもないことで照れんな!」
ボケ「ねぇねぇ、おばあさんはこの白い筋あるじゃない? これ取る派? 取らない派?」
ツッコミ「えっ? うーん、あんまり気にしないかな?」
ボケ「私はね、きれいに取る派なの、だからこうしてじっくり取って……」
ツッコミ「はよ食えよ! 時間かかりすぎだろ、七人の小人も帰ってくるわ!」
ボケ「みかんも難しいか……」
ツッコミ「サッサッと食べれば難しくないけどな!」
ボケ「じゃあ、女子が好きなところで、毒アボカドとか?」
ツッコミ「女子力高いな! っていうかより食べづらいし」
ボケ「スイーツにして毒まんじゅうは?」
ツッコミ「いきなりきな臭い感じがするわ! 白雪姫は政治で負けて追いやられたわけじゃないぞ」
ボケ「じゃあ、洋菓子でドククッキー! 略してドクッキー!」
ツッコミ「キャッチーにしなくていいから! 何略してんの?」
ボケ「白雪姫も卒倒する美味しさ王妃特製ドクッキー数量限定で発売!」
ツッコミ「売り始めちゃうの? ドクって描いてあるのに!?」
ボケ「でも、数量限定だからみんな買うでしょ? 特製とか書かれるとちょっと食べてみたくない?」
ツッコミ「そこまで言われるとちょっとどんな味なのかは気になるかも」
ボケ「ほら、これで白雪姫も食べてくれるでしょ?」
ツッコミ「ああ、なるほど……って、そんなわけあるか! もういいよ!」